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C.「仕事の悩み」や「不満」の多くは、「承認欲求とメンツ」が原因だと僕は思う。
漫画を含め、週に約15冊は本を読むという多読家のけんすう氏。「全部は読まなくても一部だけでも自分に響けば、十分に元が取れる」と語る同氏に、「仕事に悩む40歳前後のミドルマネージャー」に読んで欲しい新刊書籍と、その中で特に響いた「この1文」を紹介してもらう。
アル(株)代表取締役
けんすう(古川健介)
Kensuke Furukawa
学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年に(株)リクルートに入社。新規事業担当者を経て、09年に(株)ロケットスタート(のちの(株)napnapi)を創業。14年にKDDIグループにジョインし、Supership(株)取締役に就任。18年から現職。会員制ビジネスメディア「アル開発室」において、ほぼ毎日記事を投稿中。
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『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』
佐久間宣行 著
ダイヤモンド社
1,694円(税込み)
会社で働くというのは、とても大変なことですが、なぜ大変なのか?というと、様々な立場で、多様な成果を出す必要がある点にあると思います。つまりは「上司にも好かれ、部下や後輩からも好かれつつ、目の前の仕事で成果を上げながら、自分が出世していくためのプランも立てないといけない」という難易度の高いことを求められているわけですね。
社内政治もこなしつつ、お客さんの喜ぶこともしないといけない、自分のやりがいも大事だし、部下のモチベーションも大事、会社の方針も重視しないといけないし、自分の将来のキャリアも考えないといけない・・・と、とにかく複雑性が高い中で働く必要があります。
会社員をしていくというのは、一つのことだけを悩んでいればいいわけではなくて様々な悩みを同時に抱えること、と言えるかもしれません。そんな人に読んでもらいたいのは、『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』です。
著者の佐久間宣行さんは売れっ子のテレビプロデューサーです。「ゴッドタン」や「あちこちオードリー」などを手掛けつつ、最近では、ラジオパーソナリティをしたり、自らのYouTubeチャンネルを開設したりと、表に出るプレイヤーとしても活躍できる人です。ビジネス書を書けば「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」で1位を獲得するほど話題になるなど、活動は多岐にわたります。
佐久間さんは、組織の中で働いてとんでもない成果を出し、名を売った上で、多くの人が知る存在にまでなった点で、会社員として最上級クラスの成果の持ち主です。
この本は、そんな佐久間さんがいろいろな悩みに答えてくれるというものですが、驚くほど実践的で網羅的です。例えば、「企画会議は自分のキャラを売り込む絶好の場だ」とか、「口ベタでも転職活動で勝つ方法」、「今時の若者にかける言葉」、「結果を出しているが不安な人へのアドバイス」など、会社員が悩むポイントが詰まっており、組織で働く上での悩みのほとんどが言及されています。
成功者の本であるような、超人しかできないやり方は一切書いておらず、組織の中でなんとかやりくりしながら、成果を出してきた人ならではの地に足がついた手法が書いてあります。一人で悩むより、まずは佐久間さんに聞いてみよう、そのくらいの気持ちで読めるオススメの一冊です。