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小松で苔さがし

7月最後の週末にわけあって小松というところへ行った。北陸は初上陸!とはいえ、観光や苔観察が主目的ではなかったので、金沢にも行ってないし、小松市内にある苔好きの聖地・苔の里にも行かなかった。

それでも、すばらしい苔との出会いがあったのです。これまでまだ遭遇していなかった種類にも出会え、一部は同定もできたのでした。

小松には木場潟という湖があり、そのまわりの平地にずぅーっと水田が広がっている。サギその他の水鳥が飛び交い、とてものどかな風景…なのだが、2024年に北陸新幹線が金沢より先まで伸びるそうで、水田の上に白々とした新幹線の高架がにょきにょきと…本当にこれ、望まれているのだろうか。

というのはともかく、木場潟は一周7キロ程度の小さな湖で、もともとこのあたりの農業用水の要だったらしい。周囲には公園や道の駅のほかに、ビオトープとかクレソン畑などが作られている。きれいな水がたくさんあるからか、オニヤンマなど、大きなトンボがたくさん飛び回っていた。

そのクレソン畑のそばの水生植物の植わっているところで苔を発見!

手前の板のところが通路で、その下のコンクリート壁の、水面のギリギリ上のところに、もっさりと鮮やかな黄緑色の苔が生えている。苔の部分を拡大するとこんな感じ。影が入ってしまってちょっと見づらいけれど。

湿地帯や湧水の岩や、水路の壁面などに生えるという「カマサワゴケ」と思われる。図鑑によると、朔は丸くてかわいいらしい…いつか朔をつけたカマワサゴケにも出会いたい。

小松に来て初めて知ったのだが、歌舞伎の「勧進帳」の舞台となった安宅の関って小松の海辺にあるのですね。

その安宅の関にある安宅住吉神社へ行ってみた。境内は広々としていて、木々(主に松?)が茂っている。その木々の根元や、敷石の隅などにはもちろんいろんな苔が生えていた。

特に気になったのは木の下に生えてた白っぽい苔。

濃い緑のちりちりした苔の中に、白いこんもりした苔の群落が点在。フサフサでかわいい。

近寄ってみる。これはたぶん、「ホソバオキナゴケ」というやつと思われる。

混在しているもう一方の、濃緑色のほうはまだ種類が判別できぬまま。上の写真では、ホソバオキナゴケ劣勢か?

ルーペでみてみたら、濃緑色のヤツがホソバオキナゴケのこんもりのところどころから顔を出していたところもあった。生存競争は熾烈なのだろうか。

あとは種類はまだわかっていないけれど、個人的にとても好きだった苔スポットがある。

木場潟の近くで、「弘法大師の霊水」なるものをたまたま発見。大きな石碑に導かれていってみると、お地蔵さまと湧き水、そして苔が!

お地蔵さんの下の丸い石囲いの縁に苔生えてる

ものすごく暑い日だったので、この冷たい清水は実にありがたかった。そして苔の生え方もかなり萌え!

左側の縁
右側の縁

どちらにも、2種類生えていて、うるうるしていてとても居心地がよさそう!ゼニゴケっぽいほうは、拡大すると杯状体もみえる。ミズゼニゴケのどれかだろうか…(ゼニゴケもミズゼニゴケも種類の同定が特に難しいらしい)。

他にもいろんな苔をみつけたが、とりあえずご紹介はここまで。次に小松に行くときは苔の里にぜひ行きたい。


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