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辛い時に辛いと言えないこの社会は辛い

朝起きて会社に行こうとすると涙がポロポロ出てくる。

仕事が終わって帰り道、原爆ドームの横を綺麗な川が流れているのを見てまたポロポロと涙が出てくる。

仕事中はどうやって堰き止めているのかわからないくらい、一人になると途端に涙が出てくる。

仕事が激務なわけではない。

休みだってきちんと取れている。

なのになぜ

わたしはちゃんとそこに存在しているはずなのに、いないんだ。心がいないんだ。

明日ふとわたしがいなくなっても平穏な日常はそのまま続くの。

そんな風に思うと虚しくなる。

ああ、私じゃなくてもいいのか。新卒なんて時間が経てばみんな同じように仕事ができるようになるの。

人はみんな違うのに、それぞれの長所がちゃんとあるのに、どうして型にはめようとするんだろう。

尖っていたらヤスリで削られて丸くなるの。

丸すぎるともう少し研いで鋭くするの。

そうやって大量生産型の人材工場ができあがる。

ベルトコンベアに乗って、次々「普通」の人ができる。次は私の番かもしれない。そう思うと怖くて仕方ない。

私の心はガラガラ音を立てながら壊れていく。

私は叫びたい。

辛いよ!辛いよ!

甘えるな。
そんな言葉が聞こえて来そうでやっぱり叫べない。



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