ねころんでロンゴ(論語)~オリンピックスピリッツ
八佾第三
原文
子曰「君子無所爭。必也射乎。揖讓而升下、而飮。其爭也君子。」
書き下し
子曰く、君子は争う所無し。必ずや射か。揖譲(ゆうじょう)して升下(しょうか)し、而(しこう)して飲ましむ。其の争いや君子なり。
訳
孔子が五輪見て(ウソ)つぶやいた。
「イケてる人って、ああだこうだって争うことはしねぇよな。
まぁ勝ち負け付けるとしたら弓の試合ぐらいか。
それだって、きちんとマナー守って、譲り合って試合場に出入りして、試合終わったらスッキリ一緒に飲む。
そいうヤツなんだよな、イケてる人ってさ」
寸感
イケてる人っていうのは、普段から人と衝突したり叩いたりしないし、たとえ何かトラブルがあって人と争うことになっても、きちんと戦う場所や戦う時の態度をわきまえている人。
終わった後はさばさばと、その結果を長々と引きずらない、恨みを持たないというのがスタイリッシュだったという事なんだな。
負けた選手や自国の選手に勝った相手に対する悪口をぶつけるような薄汚い、かつ現代のSNSのように匿名でそれをやるようなゲスな真似はしなかったわけだ。
そう考えれば、人間はどんどんかつて持っていた“品”を失っているよな、と感じるオリンピックの夏。