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川合玉堂の日本画に魅せられて

日本画ってこんなに色がかわいいんだ…

という衝撃からはじまり,線と色彩の調和,自然の中での人の描き方,水の表現など,全てのことに目がパチクリ。これは言葉にせねばという思いに駆られてこのnoteを書いている。

撮影可能だった作品2点のうちの1点,「春風春水」。
直接撮った写真ですらあの爽やかな水色がくすんでしまうのか…と残念で仕方ないが、だからこそ直に観にいく価値があるのだろう。

まず最初に観る者の心を奪うのが,この色の美しさ。
パルテルに近い淡く優しい水の色は、如何とも形容し難いがもうとにかく美しい。かわいいという言葉も似合うくらいにして幅広く心を満たしてくれる。
他の作品だと,「秋晴」「山雨一過」なんかも緑や水色の色合いが爽やかで,これは誰をも魅了するだろうな〜と思った。

作品全体を通して、特に印象的だったことが2つある。
1つ目は、水の表現があまりに多様で豊かなこと。滝の水,水車を回す水,岩をえぐるような波,春のそよ風に吹かれる水面,夏の嵐のような雨……
表現方法がどれも異なり,そしてどれも本当にありのままだった。こんなに美しいと思える水の表現に初めて出会ったものだから,目に焼き付けておこうと展示室を4周もしてしまったのもこれまたはじめてのことだった。
日本は海に囲まれ,そこら中に川が流れ,一年を通して雨が多いからこそ,こんなにも水の表現が豊かなのかなと思ったりした。

2つ目は、余白の美しさ
西洋絵画ではあまり観られないタイプの余白の使い方で、その圧倒的な余白の上で絵が成り立っていた。西洋絵画における余白は、対象物を際立たせるためのものという感じが強くする。一方、ここで観た日本画の多くは、余白そのものが美しい。これは実際に観てみると「なーるほど」と思うはず。
以前から写真を撮る上でも余白の重要性を意識していたけど、今回日本画を観て、余白の「美しさ」とその可能性を感じた。

はじめての日本画があまりにも優しく語りかけてくれたので,思わず耳を傾けて聞いてしまった。ちなみに今回は、山種美術館で開催されていた川合玉堂の特別展。次の企画展も行ってみようかな。

私は専門的に絵を学んだこともないし,小さい頃から折に触れて絵に親しんできたわけでもないので,この浅い見識で絵についついて書くのはなかなかに抵抗があった。
でも私のように日本画をあまり観たことがない人にとっては、このはじめましての感想が受け入れやすいのかなとも思った。

これを読んだ人が、新しい世界とささやかな感動に出会えますように。

【写真】
ヘッダー: 秋晴
1枚目: 春風春水
2枚目: 山雨一過
3枚目: 洞爺湖(北海道)

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