家族のカタチ。強い母を支えた言葉
私が3歳の頃、両親が離婚した。
母はたった1人で、2人の子供を育てなければならなかった。
とても強く聡明な人で、いつも正面から向き合ってくれる太陽のような母。
子供を不安にさせるような言葉や弱音を、一度も聞いたことがない。
そんな母が、とても大事にしていた絵がある
その絵には、次のような言葉が添えられていた。
“No matter what, no matter where.It’s always home, if love is there. “
とりわけ気にしたこともなかった絵だけど、意味が知りたくなって訳してみた時、1人で戦ってきた母の心情を見たような気がした。
"どんな家でもどんな場所でも、愛があればそこが家だ "
世間から哀れまれようと心配されようと、親からの愛があれば子供は潜在意識の中で満たされて育つ。環境やカタチではなく、愛こそ家の本質だという言葉が、ひとりで戦う母を支えていたのかもしれない。
心温まる“家族”のハナシ
瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された。』という本は、まさにこの言葉を象徴している。
血の繋がらない親の間をリレーされ、17年間で4回も名字が変わったけれど、全然不幸じゃなかった少女の物語。
親と家が変わっても、いつでも愛し愛されて育った少女は、周りが言う“可哀想な子“なんかじゃなくて、むしろいつも幸せだったと本人はいう。家族の形がどうであれ、家がどこであれ、愛があればそこが家であり家族だよなと気づかされた本だった。
【写真】
ヘッダー:スペインのどこか。1995年。