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楢葉の風⑥

お久しぶりです。神保です。楢葉町の旅の記録、6つめです。1年前の記憶を頼りに書きます。記録がかなり溜まってるので、少し駆け足気味になりますが、少しでも活動で感じたことを形にできるよう心がけます。これまでのバックナンバーはこちらです。


天神岬とジェラート

2023年11月19日。旅の2日目、午後。現地の堺さんの案内で、天神岬(てんじんみさき)という場所へ。

中央を流れているのが木戸川。

木戸川が太平洋に注ぐ河口の北側に位置する天神岬は、町の中でもひときわ切り立った上で潮風を浴びている。そこには「天神岬スポーツ公園」があり、この日も元気に遊ぶ子供たちの姿が見えた。公園の手前にジェラート屋さんがあり、堺さんもオススメされていたので入った。

2つのフレーバーを選べるスタイル。
確か、ミルク味とクッキー&クリーム味にしたと思う。

牛乳の風味が濃厚ですごくおいしかった。

デッキからの風景。

公園内に入ると、木戸川越しに町を一望できるデッキに自然と足が向かった。ここでの西日がすごく印象的だった。ここで暮らしている人たちが、いかに山、川、海、そして太陽といった自然とともに生活しているか、一瞬で感じさせるような風景だった。

海側にまわると、一段上がったところに展望台が。
望遠鏡は作動しなかった。
風が強い。

遊具があってもさすがに遊ばなかった

天神岬スポーツ公園には、子供たちに嬉しい大きな遊具がたくさんあった。

さすがに遊ばなかった。
遊びたかったけど。
って、まだチクチク取ってるし。
こんな楽しそうなロープがあっても当然、
遊んでない。
遊んでない。
遊んでなかったはず。
遊んでなかったと思う。
まさかね。
すいません。
ちょっとだけ遊んだ気がしてきました。
遊んでました。
ちゃんと靴脱いじゃってるし。

いっぱい遊んで、天神岬をあとにした4人は、さらに南下し広野町へ。

火力発電所と海

Jヴィレッジの脇をかすめ、岩沢海水浴場へ。

右に見えるのは広野火力発電所。

波に乗ろうとサーファーたちが泳いでいた。

夕暮れの美しいグラデーション。

楢葉町は、北に福島第二原発、南に広野火力発電所があり、両発電所はちょうど隣町との境目に建てられている。それはいろいろな面で町をまたいで存在している方がいいからだそうだ。具体的なことは想像の範囲内でしかないが、雇用機会の格差を減らしたり、事故が起きた時の負担が一地域に集中することを防ぐなどの意図があるのかもしれない。

火力発電所、近未来感があってすごくかっこいい。

塾の隣の石材屋さん跡を見学

帰る時間が近づいてきたので、堺さんの塾に立ち寄る。隣接する建物の中を見させてもらうためだ。

遺構フェチの血が騒ぐ。

もとは石材屋さんだったというそこには、仕事のためのさまざまな機械や資材が所狭しと置かれて時を止めていた。

こういうアングルで見たら舞台っぽいかも!という場所を探る。

ただここは、あいにく近々取り壊しが決まっているそう。(今はもうないかもしれない)ここでかつて映像を上映するなどのイベントをやったこともあるそうで、確かにとても魅力的な空間だった。

見学を終え、旅するたたき場は堺さんと別れ、東京へ帰った。

帰りの車中で

どんなことを話したか、明確には覚えていないけれど、もやもやとした何かを3者3様に抱えながら帰ったことを覚えている。

ひとことでまとめると、美しい自然と新しく建てられた施設のギャップを感じたということなのかもしれない。

また、テレビの中やSNSでしか知ることのなかった震災後の本当のそこでの暮らしを実感して、自分の中で整理がつかなったということもあっただろう。

早く他のメンバーとも楢葉町に旅をして、同じ風景を見て話をしたいと思った。

あとやはり、車中での会話はすごくいい。みんなが見つめ合うのでなく同じ方向を向いて走っているからだろうか。そんな実感が改めて強くなった帰りの車中だった。

そして、自分たちが今、東京に向かって「帰っている」ということ、つまり「帰るべき場所がある」こともまた、なぜか強く実感した。帰るということが、普段何気なく使っていた「帰る」という言葉が、すごく意思のある動詞として輪郭を帯びたような感覚。

東京までの残り○○kmという数字が小さくなるにつれ、その感覚も確信に近づいていった。

そして僕は三郷駅でおろしてもらい、家に帰った。

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