京都歩き 2月 2日目 立春
目を閉じたままスマホを手に取る。寝起きのひりつく目で今が5時55分なことを確認する。カーテンのすき間から冷気が入り込んでくるのを足が感じている。昨日かけたアラームが7時なのでだいぶ早いがもう起きてしまおう。
室内灯のスイッチに手を延ばしベッドから下りる。カーテンを少し開けてみると外はまだ暗い。
テレビを付けると天気予報が流れる。「変わって関西の天気予報です。画面は大阪…今日の最高気温、京都、昨日より2℃高く…向こう一週間、平年よりもだいぶ高い日が続くでしょう」
7時、外に出る。薄ぼんやりとだがもうすでに明るい。吐き出す息は白い。寒い。
三十三間堂の脇を通る。血天井と描かれた立て札の立つ白壁の向こうから「ニャアニャア」と鳴く声か聞こえる。スズメはずっと騒がしい。
鴨川を上る。ランニングに勤しむ人がチラホラ。
コンビニで温かいお茶とおにぎりを買う
現在8時、地図アプリでは8時発車のバスに乗れという。次は9時。急いでバス停を探す。
大原行き見つけた!まだ並んでるということは発射はしていない様子。と思ったら「大原」と表示のあるバスがやってきた。
ICをタッチして乗り込む。バス車内は立つ人も多い。一席だけ空いていたので座る。
大原
お漬物屋さんのお兄さん「おはようございますー早いですねー」「ちょっと大根を」「なら帰り待ってますねー」「帰りきますねー」
坂道を上って人だかりが見えてきた。9時の開門まであと3分。
「大根とー」「すんごい量。鍋ーみっつくらい」
「6月の紫陽花のときの写真とか」「あれ、なに祭だ?」「あじさい祭か」
「2こ飛んできたよ」「そんなんあぶないやん」
開門
御堂を通り庭に出る。
「おはようございますーお大根のお振る舞いですのでどうぞお召し上がりくださいー」「おはようございますーお大根のお振る舞いですー」「おはようございますー」
大根を受け取ってかじりつく。熱々で大きすぎて噛み切ることは諦めて箸で切り分けて口に運ぶ。うまい!
お坊さんがやって来てお振る舞いのお母さんたちに挨拶している。その後大根を食べる人たちにも声をかけていく。「みなさんおはようございますー」「おはようございますー」「精々おなかいっぱい食べてください」「アハハ」
写真を撮っていいか聞いたところ鍋の蓋を開けて中を覗いて「もうちょっとやね」「うん、もうちょっと」とのこと。
蓋が閉められたので奥の良く煮えている鍋を撮らせてもらう。
若いお坊さんがハキハキと挨拶を繰り返している。「ようこそお参りです。ありがとうございます」「ようこそお参りです。ありがとうございます」「毎年来てます」「ありがとうございます」
あったまったところで三千院を後にして、お漬物屋さんまで戻る。
さっきの漬物屋さんのお兄さん
「おかえりなさいーゆっくりしましたかー?春の味赤かぶ」味見
「春の味ふき味噌」味見
「冬の千枚漬け、それに大原来たらしば漬け」「じゃあ赤かぶとしば漬け大きいのください」「ありがとうございますー」「去年も来てまんまと買いましたわ」
横にいた漬物屋さんのおじいさん「ここのしば漬けはみょうがを使った伝統の味です。来年も再来年もまんまと来てください」「死ぬまで来ますわ」「死ぬまで来てください」
10時、バス停まで戻る。朝買ったお茶を一口。冷えているが日が出てきてちょうどいい。
このまま寂光院にも行ってみる。
「お母さんにいうといてー、21日な、1時な」「〇△□…」「21!」
11時、バス停まで戻る。
「四条烏丸で乗り換えて」「四条烏丸と〇〇は違うの?」「違う違う違う違う全然違う」「□□は?」「違う違う違う違う。やめた方がいい」
11時7分発車
八重駅前で下車
ケーブルは運休中。がーん。
気を取り直して叡山電車の駅に向かう
「間もなく一番線から電車が発車します」ダッシュで乗れた!
一乗寺で下車して恵文社に寄る
13時、鴨川を渡る
13時58分、昼飯は鳳舞楼でカラシソバと春巻
14時半、腹ごなしに歩いてたら小粒の雨がぽつぽつ降ってきた。そのまま歩いてるうちに止んだ。
15時9分、北野天満宮
16時、仁和寺
「背脂チャッチャッチャッじゃないけど…」
仁和御室駅から嵐電に乗る
帷子ノ辻で乗り換えて四条大宮に向かう。
「えー」「はいっ!さいしょはぐー!ジャンケンポン!」「あーー!」アハハ
あらしーやまーですっ
おっこしやすー
いづつのっ ゆうこっ♪
あれ、嵐山に着いた。反対方面に乗ったのか。
ま、いいか。
渡月橋見てから帰りますか。
嵐山で降りると揚げ物の匂いと活気で原宿かと思った。面白い。
雨が激しくなってきたので嵐電で四条大宮に移動する。雨宿りの人で駅はごった返している。英語かな?と中国語ばかりが耳に入る。
17時半、四条大宮
「おなかすいた~。おにぎり食べたい~」
同感です。日本人なら米だろ!
四条大橋を渡る。暗闇の中で新しい三条大橋がピカピカに光ってて笑った。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?