【ショートストーリー】甲辰桜花 (キノエタツ サクラバナ)
長い旅路を歩いている
延々と伸びる巨大な胴をうねらせた
龍のような道
空模様は誓いを立てたあの日と同じ
青々と晴れ渡っている
初めは何もなかった不鮮明な道も
朧気ながら徐々に形を成してきている
その過程は一喜一憂の
平凡でありふれたもの
けれど自身の足で歩み続けてきた
正真正銘、僕の道だ
「────?」
長く続く道は時に、
幾重にも重なる無数の道と交差した
特別な場所 (ポイント) がある
それは遠目からでもはっきりと見える程の
大きな一本の龍木が聳え立っている
そこは