鉄道唱歌は東海道だけではなかった?【鉄道唱歌・関西編の旅 #0】
鉄道唱歌という歌があります。
「汽笛一声 新橋の~♪」という歌い出しは聞いたことがある人もいるかと思います。
この曲は今から120年ほど前、1900年にできた曲です。
先ほどの歌い出しは、新橋駅(東京)~神戸駅(兵庫)間の、今の東海道本線について歌ったものです。
私自身、鉄道唱歌を何気なしに何度も聞いているうちに、東海道本線だけでなく、山陽本線・東北本線など、計6編作られていることを昨年知りました。
その中に、第5集「関西・参宮・南海編」(以下、関西編)というのもあるのです。
沿線の風景・名所などを歌っているのですが、ふとあることを思いついたんですね。
これ…関西の題材なら、ひょっとして沿線の写真集を作れるんじゃない?
そんな軽い気持ちで、2021年中に関西一円を列車に乗りまくり、その風景を(できる限り)集めてきました。
その結果、電子書籍で、「鉄道唱歌でめぐる沿線写真集 関西編 上/下」としてまとめたのです。
鉄道唱歌(関西編)とそのルート
大まかにルートを描いた地図です。
大阪から出発して伊勢に向かって旅をして、伊勢神宮を参拝。
帰り道は途中から奈良方面に寄り道をして、そのまま和歌山に向かいます。
和歌山からは南海本線に乗って大阪に戻ってくるルートです。
JRの乗車券でこのルートで、連続乗車券を作って同じ旅程をたどることもできます。
ただ、この旅程の多くの区間が、普通列車での旅になります。
ルートをもう少し細かく見ていきます。
学研都市線(片町線) 網島(大阪)~木津(京都)
大阪環状線の東にある京橋駅から東へ伸びる「学研都市線(片町線)」
120年余り前は、もう少し西の「網島駅」というターミナル駅がありました。
鉄道唱歌・関西編の旅は、この「網島駅」から出発します。
その当時は、網島駅から名古屋方面への列車も走っていました。
生駒山地を北に迂回して、四条畷(大阪)などに寄りつつ、木津まで向かいます。
関西本線 木津(京都)~亀山(三重)
木津から伊賀の山中を抜けていく関西本線。
木津川の風景や、伊賀上野や関など歴史ある街に寄りつつ東に向かっていきます。
紀勢本線・参宮線 亀山(三重)~伊勢市(三重)
亀山で関西本線から離れて、途中、津や松阪に寄りつつ、伊勢神宮の外宮のある伊勢市駅まで向かいます。
伊勢神宮のお参りの後には、朝熊山や二見浦にも寄っています。
桜井線 奈良~高田(奈良)
奈良を出発して、奈良盆地の東側を通る桜井線
奈良でも歴史のある地域です。
古墳も多く、石上神社・大神神社・談山神社など由緒ある神社も多いです。
和歌山線 高田(奈良)~和歌山
奈良の高田駅から山中を抜けて和歌山まで向かう和歌山線。
沿線はのどかな田園風景が広がる地域です。
が、鉄道唱歌では、沿線から大きく離れて、当時鉄道がまだ通っていない、吉野(奈良)や、高野山(和歌山)まで足を伸ばしています。
南海本線 和歌山市駅~南海難波
鉄道唱歌の6編あるうちの唯一の私鉄・南海電鉄
大阪と和歌山を結ぶ路線で、実は南海本線の方が、JR阪和線よりも歴史があります。
岸和田や堺などに寄りつつ、大阪難波へ到着して、鉄道唱歌・関西編は終わります。
鉄道唱歌でも、特に関西編は寄り道が多く、歌われている所を本気でたどりだすときりがないレベルでした。
軽い思いつきでやってみて、結構大掛かりな旅になりました。
気が向いたら今後、写真集では触れなかったことも含めて、記事に順次まとめていこうと思っています。
沿線写真集であれば、Amazon Kindleに出していますので、どんな旅程をたどったのか見たい方は、リンクを貼っておきますので、よかったらどうぞ。