かっこいい先輩たち
警備の先輩たちは工事の車が出入りすると
体を翻して車道に踊り出て
身ひとつで車を停めます。
「オーライ、オーライ」
車は無駄なく安全に誘導されます。
先程まで喋っていた先輩が
同時にふたり、車道へ出ると
誘導棒を頭上に振りあげて
合図を出しながら腕を振って
クルクルと回りながら移動します。
その姿は昔のアイドル、ウィンクの2人が踊っているようで、キラキラと輝いて見えました。
さっきまで喋っていた先輩たちが、自分の中で輝く先輩になりました。
先輩がいないとき、自分だけの時に車の出入りがありました。
マジか
車がぶつかったら元も子もありません。
少しずつ慣れていけばいいよ、と先輩。
見えるからいいよ、と工事の方。
役立たずでごめんなさい。
長い時間ずっと立っていると足が痛くなります。
でもヒールやパンプスで動くことに比べたらラクかもしれません。
公園でお昼ご飯を食べられるのも私にとっては嬉しいことです。
といっても今は過ごしやすい気候だからです。
真夏や真冬、梅雨は大変だと思います。
空の下に立っていると、遊ぶことだけを考えていた小学生の時の気持ちになります。
まだ一年生の私は、いつか先輩のように安全に車を誘導できるようになるのでしょうか。
それから、忘れてはならない自分の夢、雑貨屋さん。
工事現場のコーンやバーが身近に感じられ、それらのグッズも作ってみたいと俄然やる気が出てきました。
やることがいっぱいあるけれど、できるものから少しずつです。
無駄なことなんてないんですね。