東京湾ショア釣り終幕
昨日12月19日、千葉の検見川浜に太刀魚釣りに行って思った事、それは「今年の東京湾ショア釣りシーズン終了」だ。
15:30に現地に到着し20投くらいしてベイトチェックをし日没後の太刀魚の接岸はないと確信して16:50には釣り場を離れた。うちから検見川浜突堤までは50km近くありせっかく出向いた釣り場を1時間強で退散するというのは勿体ない気もするが、真冬に絶望的な海に挑み続ける苦行よりは長いが暖かいドライブを選択する。
「釣れなければ意味がない」
釣果共有サイトによれば12月11日以降、検見川浜での太刀魚釣果は出ていないし昨日も「難しいだろうな...」という想いはあったのだがあそこまで冬の海になっているとは思わなかった。
今年の東京湾陸っぱりは青物が薄かった。昨年は11月から12月半ばまでワラサ(60~79cmのブリ)やブリが乱舞しており誰にでもチャンスはあったが、今年は本腰を入れて狙った人が5,6回行って何とか1匹釣れるかどうかといった具合だった。
「釣れなければ意味がない」と思っている私は釣り場のこだわりを捨てて別の場所で青物を釣りまくっていたが、昨年も東京湾でブリを釣っているので一応2回だけチャレンジしてみた。ただそれは真冬の日向ぼっこに終わった。
昨年青物が好調だった東京湾でさえ12月半ば以降は仕掛けや餌がしっかりしている人しか釣れない状況に至っていたし、それを考えれば魚影が薄い今年の東京湾の今の時期に青物の希望がある訳はない。
その状況を分かっている釣り師はこの時期に今の東京湾で青物を狙おうなんて考えないので太刀魚釣りに移行していたのだ。横浜や川崎でも太刀魚は釣れるがサイズが微妙なので我々は千葉の検見川浜に行く様になった。我々が青物に見切りをつけて行き始めた頃には太刀魚も大爆釣という訳ではなかったが釣れれば120cmを超えるドラゴンでF6やF7の情報まであった。
最初は死に餌を使って太刀魚を狙っていたが反応が悪いのでアクションをつけるために活き餌を使い始める。コハダ(約16cm)やコノシロ(約25cm)、サッパ、カタクチイワシが主なベイトでそれを釣り上げては針を掛けて泳がせるのだ。
サッパやカタクチイワシはカゴ付きのサビキで釣れるが、一番いい餌であるコハダは必ずしも足元で釣れるとは限らない。ジグやジグサビキを投げてすれ掛けるのもいいが針掛かりする場所によっては致命傷を与えるので投げサビキが一番だ。
これは三崎港のおじいさん達に餌を使わずに小魚を獲る方法として教えてもらったもので、サビキに5号錘を付けて投げフォールで食わせるというものだ。これでナブラに投げ込むと高確率でコハダを釣る事ができる。
私は12月9日に検見川浜でドラゴンを釣り上げているがその後なかなか時間が取れず昨日10日ぶりの釣行となった訳だ。しかし海は激変し太刀魚は遠い海に旅立っていた。
私が早々に撤収した理由は二つで、実際に自分が投げてベイトがいないのを確認した事と地元の太刀魚釣り師が全くいない事実だ。あの突堤の場合、釣れているなら必ず中国人釣り師たちが幅を利かせているので彼らがいない時点でそこに可能性はない。顔見知りがいたので聞いてみたが釣果共有サイトの情報通り12月11日以降全く釣れていないそうだ。
魚なんていつ居なくなるか分からない。私は12月9日に釣っているが翌日の雨で海が激変し以降釣れなくなったという事実を鑑みれば本当に検見川浜でドラゴンを釣った最後の数人の釣り人という事になる。釣れない青物釣りにもう少し執着していたら釣り逃していたかも知れない。
「釣れている時に釣る」当たり前だがこの発想が大切でせっかちで暇な人間の方が釣果を出し易いのだろう。そして今の時代、釣りも情報戦となっている。ネットにしても直にしても情報を集めるには人間関係が必要で仲間が多い事とコミュニケーション能力が高い事は釣果に直結する。
検見川浜の太刀魚も終わった事で今シーズンの東京湾ショア釣りの大物ターゲットはいなくなった。シーバスは釣れるかも知れないが釣り味も食味も微妙な内湾の鱸を一生懸命釣りたいとは思わないし“終幕”の一文字が過ぎる。それでも釣り人は釣りをやめられないので、寒風に耐えてカレイやハゼ、アナゴ、寒ウナギを狙うのだろうが、それが来年の3月くらいまで続くというのは私には耐え難い。そんな訳で私は今年最後の地方遠征に出掛けるつもりだ。
地方に行けば東京の20倍以上の高確率で大物が釣れる。私は自分の釣りのデータをとり続けているが長物を除く40cm以上釣果の約50%が短期間の地方遠征時に釣れており直近の2年だけなら70%近い。シーバスやクロダイなど東京内湾の釣り易いターゲットを狙わなくなったのも地方での釣果率向上に影響しているが、陸っぱりである事を考えれば地方遠征成功率の高さはやはり目立つ。
東京湾がこうなってしまった以上、この年末にもう一度行くしかない!
旅に一旦の句点を打ち落ち着くかと思いきや釣りに狂い魚を求めた旅に移行している。結局何かに熱中していないと気がすまないのだ。
◾️ネットラヂオ『旅の鳴る木』
11月の山口ブリ釣り遠征について色々お話ししています。私は泳がせ釣りですが青物の時はぶっ込み仕掛けを採用しています。これは山口で覚えた釣法で前当たりがある青物釣りはエレベーターより絶対にぶっ込みが有効なのです。
タックルや仕掛けについては詳しくはラヂオ内でもお話ししています。