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BtoB SaaSセールスに本質的な価値を【前編】

こんにちはゆーたです。本日は私の前職であるIT業界でのセールスについてお話し出来ればと思っています。BtoB SaaSセールスに本質的な価値を付与したくこれから長いですが、前編、中編、後編の3編構成でお話しできればと思います。

・前編ではシステム検討における大前提の心構え
・中編ではセールスとしての心構え
・後編では最終ステップとしての心構え
をそれぞれお話しさせていただきます。 

自己紹介

私の自己紹介を簡単にしますと
■人事系関連のお客様へのセールスを合計7年
■マーケティング担当者へのセールスを合計2年

それぞれ経験してきました。

今回はその中でも人事系関連のお客様に対して行ったBtoB SaaS ※1  のセールスについて掘り下げさせていただき、業界全体の競争力を上げていけばと思い、こちらのnoteを書かせていただきました。

※1)Software as a serviceの略、インターネット上で活用できるサービスのこと今回はBtoBなので、企業のいち担当者や経営者が利用するサービスのこととします。

私の細かい自己紹介は下記のリンクに挙げておりますので、気になる方は見ていただけると嬉しいです。↓↓↓

退職した今何で今さら??

私には日本企業の生産性向上に尽力したいという想いがあり、退職後もそれは変わっておりません。私自身一度組織から離れた立場でフラットな意見を述べることも重要だと感じております。

日本企業の生産性は先進国の中でも軒並み低いです。以下のリンクによると、、

時間当たりの労働生産性はOECD加盟38カ国中23位
一人当たりの労働生産性はOECD加盟38カ国中28位
加えて先進国7カ国(G7)の中では最下位です。

労働生産性低下の要因は様々ですが、一番の要因は労働時間とも言われており、国際競争力や顧客満足度を上げていくためにも労働時間を減らすことは大前提必要です。プラスアルファで同じ時間でも創造的な業務にフォーカスする時間を確保出来るよう、大企業に関わらず中小零細企業の業務効率化が求められます。

そのためにも、サービスを顧客に届けるセールスが目の前のKPI達成のためだけ本質的でないサービス提供をしないために警鐘を鳴らし続ける必要があると私は感じております!

ここでのBtoB SaaSセールスとは?

上記の注意書きを踏まえて今回お話しするBtoB SaaSの条件
①クラウド型であること (自社PCへのダウンロードサービスは除外)
②パッケージ型であること (SIerが作るカスタマイズ型システムは除外)
③フィールドセールス対象 (顔が見えないインサイドセールスは除外)
④直販営業対象(代理店,パートナー営業は除外)
具体的には以下の様なサービス群のセールスを前提に話が出来ればと考えております。(2022年現在、もっと増えております。)

SaaS業界カオスマップ

BOXIL 「SaaS業界レポート2019」より抜粋

まずは結論

先に答えを言います。BtoBシステムセールスとして重要なのは、

「システム導入を目的とするのではなく、お客様の課題の先にシステム導入という選択肢があるという事」

たったこれだけです。

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上記の図を、大前提にまずはお客様とコミュニケーションを取っていきましょう。

目的とは:手段によって最終的に達成したい事柄
目標とは:手段によって中間的に達成したい指標
手段とは:目的を達成するために生じた「課題」を解決する行動や手法

セールスとしての年次の浅い方は、こちらを大前提に認識した上で顧客と商談を進めて下さい。ある程度の年次の方はよく聞けば「なんだそんな当たり前のことか!」と思う人もいるかもしれませんが、「わかる」と「できる」には大きな違いがあると思いますので、あらためて聞いていただけると嬉しいです。

ダメな検討例

私は以下の様な事例のお客様を本当に良く見てきました。

例1)パッケージのシステム会社に対してRFP(提案依頼書)を提示してくる会社

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自社のこれまでのやり方にシステムを合わせるのではなく、自社の課題をベースにシステムを検討しシステムに合うよう業務オペレーションを見直すべきです。もちろんこれまでのシステムインテグレーションの観点から、基幹システムを構築するのは簡単ですが、保守費用やアップグレードするたびにかかる開発費用を都度稟議にかけて検討するんでしょうか?それこそ、下記の費用対効果めちゃくちゃ悪そうです...

例2)費用対効果が選定の基準だと高らかに言う担当者

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費用対効果って正確に測定するの難しくないですか?私は過去何百社とシステム検討するお客様と対峙してきましたが、完璧に費用対効果を捻出出来てその結果として決裁を取れたケースを見たことがないです。システム導入を「費用」としか検討出来ない担当者や経営者が自社の根本的な課題を解決できるわけないと私は思っています。

例3)機能比較のため綿密に星取り表を作成(下記図は例です)

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それぞれの機能に◯×をつけて、点数化して波風の極力立たない検討方法です。好意的にいうと日々クラウドサービスは目覚ましい進化を続けておりまして、現時点の比較が半年後の機能実態と異なるケースは多々あります。現時点でレベル5のシステムで半年後にレベル6になるシステムと現時点でレベル3のシステムで半年後に7になるシステムどっちがいいか?中長期の課題解決と目的達成を含めてシステム検討をしていくべきです。もちろん◯◯な機能が無いと現時点での業務量が2倍になり、大前提の稟議が下りないなどの場合は例外です。


長くなりましたが、以上の悪い例3点を挙げさせていただきました。システム検討の担当者の方は今すぐそのようなシステム選定は止めて下さい!また上記のような顧客のストーリーに乗っかってるセールスは今すぐ考えをあらためましょう。

上記3つの例に挙げられるケースは「システム導入が目的化」されていて、最終的な課題がどの部分にあるのか?を情報システム部や経営者が認識出来ていない可能性があると感じます。

【前編】のまとめ

何度も同じことを言いようですが、SaaSを活用したシステム導入はあくまでも手段です!極論ですが、バックオフィスの課題に対して別にシステム導入しなくても解決策はいくらでもあるわけです。

バックオフィス課題において選択できる手段の例
例1)外部のコンサルと顧問契約
例2)外部の士業にアウトソーシング
例3)人件費を抑え、従業員を増員
例4)能力の高い社員をチームへアサイン
例5)事業の縮小や撤退 etc... 挙げればキリがないですね。

課題を解決するための手段に比較も費用も本来は無く、「投資対効果」は考える必要ありますが「費用対効果」を考えてはいけません!

以上の大前提に理解した上で、BtoB SaaSのセールスとして取るべき心構えを次回の記事よりお伝え出来ればと思います。


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