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組織の成長と秩序*急成長企業が直面する課題と解決策に対して思うこと

今回は、私が勤めている会社で感じていることについてお話ししたいと思います。これはあくまで私の個人的な意見になります。
急激な人員増加による影響を強く感じており、組織の成長と秩序について考え発信したいと思います。


学校に学ぶ組織運営のヒント

まず、学校の運営は組織運営において多くの示唆を与えてくれます。
学校には明確な役割とルールが存在し、それが秩序を支える重要な要素となっています。校長、教師、生徒会、そして生徒たち。それぞれの役割が明確で、誰が何をするのかがはっきりしています。また、校則というルールがあり、これが秩序を保ち、混乱を防ぐ役割を果たしています。さらに、成績や行動の評価システムがあり、これは企業における業績評価やパフォーマンスレビューと似ています。

このように、学校での仕組みは、組織が一定の規模になると必要となる秩序やルールの重要性を示しています。

小規模組織の特徴と規模による変化

小規模な組織、特に15~20人以下の組織では、以下のような特徴があります。

  • 直接的なコミュニケーションが可能
    メンバー全員が顔を合わせて意見交換できるため、情報共有がスムーズ。

  • 個々の役割や貢献が明確
    一人ひとりの仕事が組織全体に与える影響が大きく、責任感が生まれやすい。

  • 非公式なルールや暗黙の了解で機能可能
    細かい規則を設けなくても、共通の理解や信頼関係で組織が回る。

しかし、組織が20人を超えると、次第に状況が変わってきます。

20人を超える組織

  • より形式的な構造とルールが必要
    暗黙の了解だけでは通用しなくなり、公式な手順や規則が求められる。

  • コミュニケーションの複雑さが増す
    情報が全員に行き渡りにくくなり、誤解や情報の伝達漏れが発生しやすくなる。

  • 役割や責任の明確化が重要
    誰が何をするのかを明確にしないと、業務の重複や抜け漏れが生じる。

30~40人規模

さらに規模が拡大し、30~40人(学級サイズ)規模になると、組織にはより明確な秩序と構造が求められます。

  • 明確な秩序と構造が必要
    組織がさらに大きくなると、しっかりとした組織体制と秩序が不可欠。

  • リーダーシップの役割が重要
    教師や学級委員のようなリーダーが組織を導く必要がある。

  • 明文化されたルールや規律が必要:全員が同じ基準で行動できるように、明確なルールが求められる。

組織化の必要性

30人以上では、以下の理由から一定の組織化が急務であると考えます。

  • コミュニケーションの複雑さ
    人数が増えると、情報共有が難しくなり、誤解やミスが増えます。

  • 役割と責任の明確化
    誰が何をするのかを明確にしないと、業務が滞ったり、重複したりします。

  • 公平性と一貫性の確保
    明確なルールがないと、処遇や評価に不公平が生じる可能性があります。

  • 効率的な意思決定と行動
    迅速かつ効果的な意思決定を行うために、組織的な構造が必要です。

ただし、組織化の度合いは、組織の目的、メンバーの成熟度、環境などによって異なります。学校のように教育的配慮を持ちながらも、一定の秩序を保つための組織化が求められます。

成長の陰で起こる混乱

私が勤務する会社では、急激に人員が増加しました。表面的には会社の成功を示す喜ばしいことに見えますが、その成長の陰で多くの問題が浮上していることも否めません。

まず、社内教育の欠如が目立ちます。新入社員への体系的な教育がほぼなく、個々の判断に頼っている状況です。さらに、日々の業務においても曖昧な指示が多く、役割や責任がはっきりしていないため、現場の混乱が頻繁に発生しています。

次に、システムの不安定さです。新しいシステムが導入されているにもかかわらず、常に改修作業中で、安定して機能しているとは言えない状態です。これにより、日常業務の効率が低下し、ストレスを感じる社員も少なくありません。

そして、何よりも大きな問題は、ルールの不在です。組織の規模が拡大しているにもかかわらず、適切なルールが整備されておらず、混沌とした環境が続いています。これらの問題は「成長痛」として片付けられるものではなく、組織の根幹を揺るがす危機となる可能性があります。

急成長がもたらす新たな課題

急成長する組織は、その過程で新たな課題に直面します。例えば、コミュニケーションの断絶です。トップと現場の距離が開き、意図が正確に伝わりにくくなることがよくあります。また、人数が増加する一方で役割の不明確さが生じ、各自の責任が曖昧になることも混乱を招く要因です。

さらに、組織文化の希薄化も見逃せない問題です。小規模な企業であれば、一体感や共通の価値観が自然と醸成されますが、人数が増えると、それが徐々に薄れていく傾向があります。こうした文化の希薄化は、組織全体の士気やモチベーションに悪影響を与えることがあります。

トップマネジメントの役割再考

このような課題を乗り越えるためには、トップマネジメントの役割が非常に重要です。急成長する組織においては、先見性を発揮し、人数の増加を見越した適切なマニュアルやルールを整備することが不可欠です。

さらに、経営者は日常業務から一歩引き、戦略的な権限委譲を進めるべきです。業務を手放し、もっと重要な経営戦略に集中する必要があります。中間管理職の育成も急務です。新たに増えた人員を効果的に管理し、教育できる体制が整っていなければ、組織全体のパフォーマンスが低下してしまいます。

組織を強くする具体的なアプローチ

これらの問題を解決し、組織を強化するためには、いくつかの具体的なアプローチが有効です。

  1. 体系的な教育システムの構築
    新入社員から既存社員まで、継続的な学習の機会を提供することで、社員全体のスキルと知識を向上させます。

  2. 明確なルールとガイドラインの設定
    組織の規模に応じて、適切なルールを整備し、混乱を防ぎます。

  3. 効果的な権限委譲
    経営者は日常業務を中間管理職に委譲し、戦略に専念する体制を作ります。

  4. オープンなコミュニケーション
    トップと現場の間のコミュニケーションチャンネルを確立し、意図のすれ違いを防ぎます。

  5. 定期的な組織診断
    問題を早期に発見し、対策を講じるための仕組みを導入します。

成長と秩序のバランス

急成長は多くの企業が望むシナリオですが、それに伴う課題に対処せずに放置すると、組織全体が脆弱になりかねません。組織が健全に成長するためには、内部の仕組み作りが不可欠です。ルールと役割が明確であれば、どれだけ人数が増加しても、その秩序を保ちながら成長を続けることができます。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
これは私の個人的な見解ですが、皆さんの組織はどのように対応しているでしょうか?どのように感じますか?
より良い職場環境が強い組織を作り上げ、人も組織も成長し続けていくと信じています。