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気休めでもいーのだ

数年前、旧友2人と温泉旅行へ行った。
日々の生活から離れてはしゃいでいた。
大浴場で温まった後に足つぼマッサージを申し込んだら
1時間待ちとのこと。時間つぶしに、
旅館の通路に灯りが燈っていた手相占いに3人で入ることにした。
順番に1人15分ずつ。私は最後だった。離れて見ていると
先の2人は年配のほっそりした女性占い師を真剣に見つめて頷いていた。
元々私はこういう類のものには傾倒しない方なのだが
旅先の面白い体験になりそうな初めての占い。

渡された紙に氏名を書き手のひらを見せる。言われた内容は
「一見さめたようでいて秘めた情熱がある、今がどんどんやる時期」
それくらいしか覚えていないのだが胡散臭さは感じなかった。
前髪で目立たないが、その占い師には額と両手に
引きつれた火傷の痕があった。
その火傷が占い師になる切っ掛けだったのだろうか・・・

マンションの1室で水晶や鏡、タロットカード、
薄暗い中にベールで顔を隠した占い師もいる。
高齢になっても、怪我や病気で外出が不自由でも
占い師は続けられる職業なのかもしれない。

ある時、仕事や結婚に悩んでいた若い女の子と食事をした。
暗い表情のまま帰すのが心配になった私は
近くに見えた手相占いコーナーへ「行ってみない?」と誘ってみた。
占い師は注意点は伝えても最悪な事は言わない、
希望の光は指してくれる、大概そうだろうから。
優しそうな占い師の前にサッサと連れて彼女を席に座らせた。
最初だけ傍にいて後は少し離れて見守った。
緊張して暗く神妙だった彼女が10分もすると何かだんだん笑ってる。
近くに寄って行くと彼女は少し照れた明るい声で言った。
「今じゃないんだって、28才頃すごく良い出会いがあるって!」
「えー良かったじゃん、これからやん」
これでメデタシなわけではないだろう。けれど、小さな希望でも何かあれば
フッと気持ちが楽になることもあるだろうから。

治す目的で通うメンタルクリニックは期待を持たれる
時には逆恨みしたクライアントに逆恨みされることもある。
けれど占いの結果なら占い師の力には無関係なわけで
期待も責任も背負う必要がない。
高額料金でなければ恨まれることもそうないだろう。
人と関わることが嫌いでなければ楽しい職業かもしれない。
話し下手な私には適さないけれど交流方法としては面白そう。

そんな好奇心で占い講座に顔をだすことにした。
生徒は15人くらい。占いの歴史や種類の学びから始まって
九星気学、手相学、人相学、方位学・・など。
外見で判断って人権的にどうよ?とも思うけど。
当時のメモを見て「へ~」と思ったものを少し書きます。↓


・経営者に多い手の指は、親指が大きく、人差し指が長く太い、小指が長い
*小指の長い人は、お金に恵まれる、口が達者、詐欺師に多い
  (((((結婚詐欺師にも多いので注意)
・両手の指を組み合わせて、右手が上になる人は地味にコツコツ。左の人は直感で動く
・長生きする顔は、鼻の下が長い、眉の下が長い、耳が長い、ほうれい線が長い
・耳たぶの縦皺は動脈硬化や心臓に注意
・前歯に隙間があると交通事故を起こしやすい(ほんとかいな?)


今はもう講座の内容はほとんど覚えていない。
なんとなく講師に黒いものを感じたので退会した。
間違い電話を装った怪しい電話が何回かあったのも多分そうだと思う。

あるショッピングモールで受けて見た占いも胡散臭かった。
無駄に話を引き延ばし時間オーバーの追加料金を稼ぎたい感じだった。
こんな具合に変な占い師に当たらないのも運しだいかな~

あるテレビ番組でゲストへの応答に好感をもった占い師がいる。
運が良い悪いの判断というよりも前に進む切っ掛けを与えるような
心理学でいうところの認知行動療法に近いアドバイスをしていた。
それが好評なようで本屋さんでも目立つ所に山積みされている。
今日の私への言葉には

幸せは「なろうとするもの」や「つかもうとするもの」ではなく
「気づくもの」幸せは他人と比べているとなかなか実感できません。
それに気づいたら、いまの生活に感謝の気持ちを忘れずに。

とありました。
ゲッターズさんの来年用もゲットして来ようっと。

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