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【さかばなし27】酒友と朝鮮漬け

「さかばなし」は、酒場(さかば)であった、ちょっとしたエピソード(はなし)について綴っています。「さかば」の「はなし」で、「さかばなし」です。


夕方の打ち合わせ中、しばらく会っていない、そして連絡もとっていない友人から、「今日呑もうよ」とLINEが届く。

いいよ、と返して指定された店へ。懐かしい、独身時代に彼とよく来た酒場。

「急にここに来たくなってさ」

そう言って、友人は塩ホルモンとコリコリを真っ赤な炭火で極限まで熱せられた網へ乗せ、これでもかとグラスに目一杯注がれた麦焼酎のロックをぐいと実に旨そうに呑んでみせたのだった。

なんか、少し痩せたよな、おまえってば。

って思っていると、白髪混じりの店主が、「お待ちどうさま」と、白菜朝鮮漬けを出してくれた。

「夏祭りの後、よくここで呑んだよなあ」と友人に言われたけれど、わたし自身は上手く思い出せなかった。

でも、久しぶりに食べた手作りの朝鮮漬けは、相変わらず焼酎によく合った。

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