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【盛岡市中央通】地下の隠れ家空間「埋み火」で絶品焼き鳥に舌鼓
残念ながら、昨年物件の契約切れで移転休業してしまった「埋み火」という素晴らしい酒場についての記事です。ちょうど一年ぐらい前(2022年11月)に訪れたときの話になります。
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盛岡の中心市街地ど真ん中にある映画館通の北側、中央通との合流地点少し手前に、雑居ビルの隙間を西側(JR盛岡駅方面)へ抜ける細い通りがあり、通称「シネマ横丁」と呼ばれています。
映画館通から西へ向かい、人気酒場「左近」のある通りにぶつかる少し手前に「埋み火(うずみび)」という隠れ家的な焼き鳥店がありました。
18時30分開店のその時に足を運ぶと、晩秋11月末の冷えた風に吹かれながら、開店を待つ人の列ができていて、最後尾に並び、店内へ進みました。
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重い鉄の扉を押すと、真っ黒な階段が地下へと向かって続いており、さらに奥には店内へ続く入り口がありました。聞くところによると、かつてこの場所はクラブがあったらしく、そのため防音対策として地下へ店を配置した、ということのようでした。
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予約していたので、その旨を店員さんに告げるとカウンター席へ通されました。店内は鰻の寝所のように奥へ細長く、一番奥にはDJブース、その少し手前に6人ほど座れそうなテーブル席、L字のカウンターとなっており、15人も入れば一杯になりそうな比較的狭い店内です。
最初の一杯は、外が寒かったので「さつま寿」の湯割りをいただきます。焼酎はレギュラー品がすべて350円と非常にリーズナブル。
芋は「さつま寿」、麦は「万年星」、黒糖「満月」、泡盛「春雨」、甲類に「キンミヤ」とツボを押さえた品揃え。加えて、「百年の孤独」もありました(こちらは670円とかだったでしょうか)。
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料理は「おまかせコース2,200円」を注文です。その一品目としてまずはナメコおろしが出されたので、鶉の卵の黄身をよく混ぜていただきます。
「さつま寿」は大好きな銘柄です。白麹で造られた柔らかな味わいと香りの旨い焼酎です。
ちなみに「埋み火」は2020年からこの場所で営業しているようですが、その前は内丸・桜山にて「サッコ食堂」という屋号の繁盛店でした。
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「さつま寿」の湯割りに続き、焼き芋焼酎「蛍燈(ほたるび)」湯割り、黒糖焼酎「満月」の氷なしの5:5の水割り、「春雨」のロックと呑み進めながら焼き鳥と小鉢をいただきました。
焼き鳥は丁寧に焼かれて絶妙な加減、かつ肉大きめで食べ応え十分。薬味にも凝っていて、一串一串新鮮な味わいとなっていました。
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それしても元クラブだけあって音響が素晴らしいのです。音圧が心地良く、流れる音楽にリラックスさせられます。持参した古い本を読みながら酒を呑み、肴をつまみます。カウター席に独り盃を傾けながら、静かに豊かな時を過ごす、贅沢時間。
会計をすると4,000円とちょっと。音が素晴らしいですね、と帰り際に店員さんに話すと「ありがとうございます。でも、ここも残り一ヶ月で終わりなんです」とのことでした。
なんでも、ビルのオーナーの意向で店舗を続けられるなくなるとかで、移転先を探しているところだとのことでした。
「同じような音が出せる物件がみつかるといいのですが」
そう言って残念そうな店員さんの言葉に合わせ、ご主人が「店のインスタやってるんでフォローしていただければ、これからのことをおわかりいただけるかと」と声をかけてくれました。
いい独り呑みになったのですが、この落ち着ける空間がなくなってしまうのは、とても残念に思えたのでした。
(移転開業を引き続きお待ちしております。)