【さかばなし22】二度漬けおことわり
「さかばなし」は、酒場(さかば)であった、ちょっとしたエピソード(はなし)について綴っています。「さかば」の「はなし」で、「さかばなし」です。
街角にできた酒場へ足を運んだ。串揚げとかカツ系とかご飯系(なんと、カレーライスもある)とか、その他の酒肴もリーズナブルで、なかなか使い勝手が良さそうだった。
小上がりをすすめてもらい、仲間三人でそこに陣取らせてもらう。
この日はとりえあえず「クロキリ」、いわゆる「黒霧島」をボトルでもらう。五合瓶2,500円と手頃で、芋湯割で揚げ物が進む。
「これ、どーぞ」と若い店員がお湯が入ったポットを持ってきてくれる。これはいい、その都度お湯をもらうのも面倒だ。
ボトルキープは3ヶ月まで、と聞いていたが、あっさりとなくなった。
「アレ? もうないじゃん」と嬉しそうに仲間の一人が瓶底を目線まで持っていきながら笑い、「じゃ、もう一本かな?」といい、「すみませーん、もう一本!」と店員に声をかけた。
まあそうだよね、とわれわれもコップの湯割りをくぴりと呑り、串揚げに手を伸ばし、ソースが入った容器に浸し、ぱくりと食べた。ソースの容器には、「二度漬けおことわり」の文字。
「二度漬け禁止」は串揚げ屋では共通のルール。「日本串カツ協会」の公式ルールでもあるので、ご注意を。
次のさかばなし