【仙台市】(1/4)晩秋の仙台、「郷土酒亭 元祖 炉ばた」で柔らかな仙台弁と燗酒の優しさに包まれたのであった。2019年11月15日(金)-16日(土)
出張で仙台へ行ったときの記録になります。いい酒場を見つけました。
注)こちら、2022年6月の記事になっています。
1968年創業、壱弐参横丁「うなぎ 明ぼ乃」で鰻をいただく
出張で仙台を訪れ、午前中で用務が済んだので、休暇を取得し仙台を満喫することにしました。
昼食はどうしようかと足早であっちへこっちへ歩いて辿り着いたのは壱弐参(いろは)横丁の鰻店「明ぼ乃(あけぼの)」です。(2023年現在閉業しています。)
旅行中ですから、鮨・天ぷら・蕎麦・鰻のどれかだなと考えたどり着いたのがこちらで、明治元年1868年創業とか。すごい歴史です。明治維新の年に創業して、150年以上鰻を提供し続けているのです。
狭い店と聞いていましたので、昼時は混んでいると思っていましたが、13時過ぎだったということもあってか先客は一人だけでした。
テレビの前の一人席に通され、鰻重と酒を注文しました。が、今思えば、酒はうなぎ酒にすれば良かったです。非常に悔やまれてなりません。
高齢の御夫婦が切り盛りし、昭和感が完全に残った店内はひどく落ち着きます。熱燗をちびりちびり呑りながら糠漬けをつまんで、鰻が焼き上がるのを待つ時間が贅沢です。
第二次大戦で前の店は焼失し、今の場所に移ったらしいですが、秘伝のタレだけは持ち出して逃げて今の今まで継ぎ足しているとのことです。歴史の重みを感じますね。
少し待って、焼き上がった鰻がやってきます。見るからにふっくらつやつや。重は二段になっており、御飯と鰻が別々になっています。
一切れずつ御飯に乗せ、タレを御飯に移しつつ山椒をぱらりぱらりとかけて一口いただくと、ぱりりと焼き上がった皮は心地良く香ばしく、肉厚の身は脂が程良く品のある旨味に溢れています。
こうなると燗酒が旨いわけですが、あくまでちびりちびりと鰻を食するペースに合わせて呑みます。鰻蒲焼を御飯に乗せ、重の底に染み込んでいったタレに絡んだ御飯も酒のツマミとして堪能しました。
肝吸いがついて3,500円、普段の昼食代からするとだいぶ豪華ですが、歴史ある鰻店で、このレベルの鰻重を食べたと思えば高くありません。昼からいい店に巡り合えました。
「郷土酒亭 元祖 炉ばた」へ
さて、夕方までホテルで休息をとって英気を養いました。17時前に部屋を出て、東北一の繁華街・国分町は稲荷小路にある「郷土酒亭 元祖 炉ばた」へお邪魔します。(2023年現在、先代は引退されて、別会社に事業承継しています。)
17時開店と同時に店内へ入ると女将さんが出迎えてくれて、「いらっしゃい、寒いですねぇ」と声をかけてくださいました。
わたしは盛岡の人間ですが、女将さんの仙台弁は耳に心地良いものでした。もしかすると若い人には聞き取りづらかいところもあるのかもしれないですが、南部弁とは少し違うイントネーションは、どこか懐かしい気持ちにさせてくれました。
最初に出されるお膳は、野菜の煮物、帆立稚貝とアスパラの煮付け、秋刀魚佃煮です。で、これもなんだか懐かしいです。使われる食材といい、見た目・色合いといい、実際の味わいといい、実家で食べる食事のようです。
(2/4へつづきます。)