担当医が私の良医だと思った10のこと
主治医となる先生は、治療を受ける患者にとって非常に重要な要素です。私は、以下の理由で現在の先生に主治医になって欲しいと思いました。
①診察室のドアを開けて迎え入れてくれた
どの科でも、はじめての受診は、担当となる先生がどんな先生なのかドキドキします。私は、気難しそうだったり、高圧的なだったり、冷たい印象だったりする先生は苦手です。できたら話しやすそうな先生が良いです。
私は、マンモトーム検査や超音波検査を終え、診察室の前ではじめての診察を受けためにドキドキしながら待っていました。すると、親しみやすそうな雰囲気の先生が、診察室のドアを開け、私の名前を呼んで迎え入れてくれました。たかが、ドアを開けたという行動ですが、緊張の糸が少しだけほぐれました。
激務に追われる医師が、席から離れ、患者のためにドアを開けて下さる。私は、その行動にとても好感が持てました。
②コミュニケーション力の高さ
私の主治医は、40年ちかく外科医として働いている先生です。様々な患者さんを診てきてことでしょう。長年の経験で培われた技術として、コミュニケーション能力も身に付けてきたと思われます。
医師が患者とコミュニケーションをとっていくためのマニュアルがあるのかもしれませんが、とても自然。違和感なく、患者の心でモヤモヤとしているものを上手に汲み取ってくれるのです。
診察時、患者は、自分の体調などについて医師に伝えたくても、医学に関する知識不足や語彙不足によって上手く伝えることができないことが多々あります。
そんな患者のモヤモヤを、診察時の会話での中でキャッチしてもらえることは患者としてその医師を信頼する一要素となります。
③医学が本当に好きそう
私は、初診時に乳がんである可能性が濃厚であると医師から伝えられています。その際、今の主治医は、乳腺というものの仕組み、そして乳がんが発生する過程などを分かりやすく私に説明してくださいました。
乳腺というものは非常に神秘的なものであるということを教えてくださったのです。その説明している様子から、医学というものが心から好きな先生なだという印象を受けました。
私は、治療を受けるなら医学への関心が趣味の域に達するぐらいの先生の方が安心できます。その方が、乳腺以外にも幅広く医学知識を備えている気がするからです。
④知らなかったことをすぐに調べる姿勢
乳がんを示唆されてから、私は、乳がんに関する本やがん治療に関する本、乳房再建に関する本など様々な本や雑誌・論文、各種学会ホームページなどから情報を収集しました。その中には、今後、私が治療を受けていく中で懸念される事柄がいくつかありました。
そのような場合、私は主治医の先生にその懸念事項や疑問について尋ねました。膨大な知識を持っている先生は、すぐに納得のいく答えを私にくれました。
ただ、1度だけ、先生が把握していない情報を質問したことがありました。その時、先生は、「申し訳ない。そのことについて把握していなかったです。」と即答したのです。さらに、「次回の診察までに、その件について専門の先生に確認しておくね。」と。
大人になると、知り得ていないことを知らないかったと答えることは、プライドが邪魔して言えないことが多いです。しかし、私の主治医は、医師として、乳腺外科医としてのキャリアが長いにもかかわらず、知らないことを知らなかったと言えるのです。
私は、孔子の「之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らずと為せ。是知るなり」という言葉を思い出しました。知らないことを知らないと素直に認めることが”知る”という教えです。
私は現在の主治医を、人としてスゴイと感じた瞬間です。ですから、医師として信頼もより篤くなります。
⑤知識のアップデート力がすごい
私は、これまでの人生で様々な医師に診察をしていただいています。どの医師も非常に勉強熱心です。ところが、今まで出会った勉強熱心な医師の中でも、今回の主治医は抜きん出て勉強熱心だと感じました。
特に、新しい医療技術に関する情報量がとても多いと感じたのです。古い知識だけでなく、新しい知識もしっかり取り入れている先生ならば、治療する上での情報量がとても広範囲になります。
その知識は、かならず患者に還元されるはずです。私に最適な治療法や解決策を提案してくれそうで、頼りがいがあると思いました。
⑥謙虚
医師としての長いキャリアに驕ることなく、とても謙虚な先生です。高圧的な態度や口調になることがなく、いつも患者目線で対応してくれます。
先生の前では、萎縮することなく自分の症状や不調をしっかりと伝えることができます
⑦行動が早い
私が、疑問の思ったことや不安に思ったことなどを先生に伝えると、即座に対応してくれました。そのため、診察室を出る時には、いつも、問題などが解決し、安心して自宅に戻ることができました。
この先生を頼れば、しっかりと対応してくるんだという安心感がとてもありました。
⑧患者の不安を先回りしてサポートしてくれる
私が、今の主治医になってもらおうと決めた一番の理由。
それは、私が不安で押しつぶされそうになり、精神が奈落の底に落ちそうになる時、その不安を必ず先回りしてセーフネットを用意してくれる先生の対応です。
がんという病は、どうしても精神が落ちます。落ちていくにしても、一気に落ちるよりも、段階的にふんわりと落ちていく方がダメージは少ないです。
私の主治医は、段階的に必ず精神が落ち込みそうな時、先回りして手を差し伸べ、私の辛い心を受けて止めてくれるのです。
この先生を信じていれば、きっと大丈夫。どんなに辛い局面になっても、この先生が救ってくれるはず。だから、この先生に、私の乳がん治療を任せようと思ったのです。
⑨女性の気持ちを理解しようとする姿勢
私の主治医は男性です。乳房の病なので、同性である女性の医師がいいなと思ったことはあります。しかし、何度か診察を受けるうちに、男性であるがゆえに女性に気持ちを一生懸命に理解しようとしていることを感じました。
その結果、患者に寄り添って話しを聞いてくれます。これは女性患者として、嬉しいことです。
⑩命を預けても大丈夫という安心感
様々な理由で、乳がんの治療を今の主治医に施してもらうことにしました。医療に100%というものはありません。万が一ということが起こり得ます。もし、そうなったとき、私は主治医の選択を後悔するのだろうか。セカンドオピニオンを受けてから考えた方が良いのだろうか。という思いも一時ありました。けれど、最終的には、今の主治医に決めました。
先生の医学的知識はもちろ、診察における態度、そして人間性を鑑みた時、私は、この先生の治療方針の提案で、それを選択し、最悪の場合が起きたとしても、それを甘んじて受け入れる気がすると強く思ったのです。
つまり、今の主治医に私の命を預けても私は後悔しない。これが、私が最終的に主治医を決めた理由です。
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