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左胸の乳がん発覚から1年

2023年7月21日に事実上の乳がんの告知を受け、その年の8月8日。組織診の結果、正式に左乳房に超早期の非浸潤性乳管がんと告知を受けました。そして、がん患者となった日です。

今日、2024年8月8日は、乳がんを患ってちょうど1年。ステージ0で「乳房全摘乳癌根治手術」いわゆる乳房全摘をしているので、理論上は完治しています。ですから、左胸に関しては再発や転移の心配は基本ありません。

しかし、残されている右胸の乳房はがんを患うリスクがあります。そのため、節目となる8月8日の2日前、1年後検診ということで、右胸のマンモグラフィ検査と超音波検査を行ってもらいました。

結果、1年前と変わらず、右胸の乳房には悪いものは一切見当たらないし、左右のリンパ節も問題なし。と主治医から伝えられました。

乳房全摘と同時に乳房再建をしている私は、定期的に再建した乳房の診察を形成外科で受けています。そのついでに、いつも乳腺科の主治医の先生は、私の様子を見てくださっています。しかし、乳房に関する検査は、手術以来、はじめてです。

フラッシュバックする


いつもどおり外来での受付を済ませ、検査の窓口に受付カードを出した途端、1年前の状況がフラッシュバックしてしまったようです。

なぜか、心臓がドキドキして、浮遊感を感じがするのです。元来、病院嫌いの私は、定期の診察に来るときも、多少のソワソワ感があります。けれども、今回は、いつも以上に増してソワソワするのです。

マンモグラフィ検査、超音波検査と検査が終わり、診察室付近の待合で待っているとさらに鼓動が高鳴ります。私の周りには、すでに診察を待っている女性たちが数人いました。次々に呼ばれ、診察が早く終わる人、少し時間のかかっている人と病状により様々です。

ところが、私の前に呼ばれた女性の診察はとても長い。そして、診察室から漏れ聞こえてくる主治医の声のトーン、話し方、スピード。私が、1年前、乳がんの事実上の告知を受けた時とよく似ているのです。

もしかして、今、私の前に診察を受けている女性が、乳がんの告知を受けているとしたら…。ドア越しの様子を想像すると、身につまされる思いになりました。

良性の疾患の説明を受けているのであれば良いのにと、願わざるを得ませんでした。

1度がんになった人は


乳癌の手術を受け主治医から理論上完治と伝えれたとき、「1度がんになった人は、がんになりやすい。」という説明も受けました。

再発や転移も怖い。さらに、新たなガンが発見されるのも怖い。そして、経過観察をするための検査をする度に、その結果に怯えなければならない。

1度がんになった人は、がんになりやすいだけでなく、何度も様々な場面で、恐怖や心配事に苛まれることが多いんだと思いました。

だからこそ、日々、メンタルを強くするために、楽しいことに目を向け、不安の闇に飲み込まれないようにすることが大事なかもしれません。

今、思うこと

幸いのことに、1年後の乳癌の検査には問題がありませんでした。そして、今、心と体がピッタリと合致し、乳房摘出前の状態とほぼ同じ日常生活を送ることができています。

がんの早期発見という言葉の意味には、患者としては色々と思うところはあります。しかし、今ある私の置かれた状況を考えると、あの時、乳房全摘そして同時再建という選択をして良かったと心から思えます。

超早期の乳癌を見つけてくれた主治医には感謝です。さらに、初診の時から変わらず患者に心を寄せてくれる主治医に出会えたことは本当に良かったです。





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