左胸に異変⁈
肋骨付近に何かが触れた
昔、肋骨が広がった状態は、ウエスト幅が広くなって寸胴に見えるという情報を何かの雑誌で知りました。真実かどうかはわかりませんが、お金の掛かることではないので、時々、肋骨を引き締めるストレッチをしています。
6月のとある日。ストレッチをするため、アンダーバストあたりの位置から肋骨に両手を置き、ゆっくりと深く息を吸い込みました。おばさん体型から少しでも脱却できることを願いながら、肋骨を開き、肺にしっかりと空気が入っていくのを感じていました。同時に、左手の中指に何かが触れました。
「?」
息を吐いて、もう一度、大きく息を吸う。やっぱり、パール大の丸い何かに触れます。
ドキッ‼︎もしかして…
最近、痩せたし、軟骨に触れたのかな?
ところで、肋骨に軟骨ってあるの?
軟骨じゃななかったら、この丸っこいコロッとしたモノは何?
これって、しこり?
と様々な疑問が浮かびます。
最後の疑問、「コロッとした丸いモノが軟骨ではなかった場合、このしこりは何?」。
私の頭に浮かび上がってきた答えは『がん』でした。血の気が、一気に引きました。
左の中指にしこりらしきものが触れてから、ここまでの思考時間は5分もかからなかったでしょう。
念の為、右胸も確認。右胸には、何も触れるものがありません。ただの柔らかい脂肪です。
私、落ち着け
右にはなくて、左にだけある。
体の構造上のものではなくて、しこりだ‼︎
この時点で、やっと左胸にあるコロッとした丸いモノは、しこりであると認識しました。
私、がん?
これってマズイ事態じゃない?
どうしよう?
家族と相談する?
いや、余計な心配をかけるわけにはいかない。
かといって、この事態をどう切り抜ける私?
と不安から来る自問自答のループに陥ってしまいました。
物事は負のループに陥ると、正しい判断ができにくくなります。頭でわかっていても、この時点では、頭の中は「がんだったらどうしよう。」ということで一杯でした。
そこで、とりあえず、私は深呼吸をし、自分に落ち着け!と言い聞かせました。
簡単に心に吹いた嵐を鎮めることは難しかったのですが…。
パニックは禁物
ただ一つ、思い出したことがあります。
“どんな事態でもパニックにならないよう自分を保つということ“です。
旅好きの私が、旅の経験から学んだ教訓です。
旅には、アクシデントやトラブルがつきもの。そんな時、目前の出来事だけに注視して判断し、行動してしまうと、事態を切り抜けられないばかりか悪循環に陥る可能性が高くなります。
一方引いて、冷静に事態を見極めたことで、最悪の事態を切り抜けた経験がたくさんあります。
しこりの発見は、私にとって生命を脅かす一大事。パニックから脱し、速やかに冷静に事態を見極めなければならない時です。
深呼吸を何度か繰り返し、冷たいお水を口にし、自分への教訓を思い出したことによって、やっと少し落ち着きを取り戻すことができました。
パニックになることを可能な限り避け、自分を保つことが、この後、診断が下され治療を受けていく上で、私にとって大事なキーワードとなります。
とりあえずネット検索
乳房のしこりについて、十分な知識のない私は、がんのしこりについて検索をしました。
乳房にできるしこりには、良性のものと悪性のものがあるということ。
良性のしこりは、表面が滑らかでコロコロと良く動くという特徴があることを知りました。一方、悪性のしこりは、ゴツゴツとして石のように硬く、組織にくっついてあまり動かないということも知りました。
さらに、良性の場合、生理周期に影響を受ける場合もあるとの記載も目にしました。悪性の場合であっても、乳がんは他のがんに比べてゆっくりと進行するがんであるということもはじめて知りました。
ただ、良性か悪性かの区別は、医師でも難しい場合があるので、しこりに気づいた時には、乳腺専門の医師に診てもらうことが大事であると多くの記事に書かれていました。
もう一度確認しよう
ネット検索をして冷静になってきた私が、次にしたことは、夜、お風呂で再度しこりを確認することでした。
素手に石鹸をつけて滑りを良くすることで、しこりの状態をチェックしやすいようなので、実践しました。
もしかしたら、日中に触れたパール大のしこりは無くなっているかも!
淡い期待は、すぐに消えます。
しっかりとパール大のしこりが左胸だけにありました。大きさは1cm弱。表面は滑らかで、コロコロと良く動きます。
組織にくっついているかどうかの、識別は素人の私にはできるはずもありません。くっついているといえばくっついているし、くっついていないとすればくっついていない。微妙な感じです。
自己検診の結果、しこりは確実に私の左胸にある。それだけが、確かな事実です。
ドキドキ・バクバク
がんなの?
がんじゃないの?
どっちなの?
またもや、心臓がドキドキし始めま心臓の鼓動を感じると、とにかく気持ちが焦る。すぐにパニック状態へと向かっていくのです。
ここでも、「焦るな、私」と自分にいい聞かせます。
様子を見よう
乳がんだとしても、進行が遅い。乳がんのしこりが1cmに育つまでには10年近くの年月がかかるそう。1年後には約2倍の大きさになるようですが、数日のうちに一気に成長してしまうことはなさそうです。
だったら、良性のしこりかもしれないから、少し様子を見ることに。
なぜなら、私がしこりを発見した日は、生理初日だったからです。
ネットで検索した情報では、月経周期に影響を受けやすい良性のしこりの場合、生理終日から4日から5日後にもう一度しこりのチェックをするのが良いと書かれていたからです。その時、小さくなっていれば良性の可能性もあると。
良性であることを願う私は、生理終了日から4日後にもう一度自己検診をすることにしました。
消えていない
しこりを自覚してから10日後。左胸の自己検診をしてみました。
しこりが消えて無くなっていることを期待していましたが、しこりはしっかりと左胸に存在していました。
大きさは小さくなっているものの、無くなってはいません。残念がら、病院へ行くことを決めました。