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ドラクエで考える戦略人事その1~自社にあったタイプ別採用方針~

こんにちは、旅する人事ノブです。

私が子どもの頃、夢中になったファミコンゲームと言えば、

なんと言っても! ドラゴンクエスト(略称ドラクエ)。

これを語りだすと語りつくせないのですが、

ふと採用活動を考えると、ドラクエには、勇者が仲間を集めて目的を達成する採用活動のエッセンスが散りばめられていることに気づきました。

ということで、ドラクエ世代ではない方にはささりにくいかも知れませんが、ドラクエを知らない方にももちろん役立つ!

「自社にあったタイプ別採用方針」について、ドラクエ風にお伝えしたいと思います。

この記事は以前別のブログで書いた記事のリメイク版になります。



自社のタイプにあわせた採用方針

近年、求人サイト、求人広告、人材紹介会社、SNSなど、採用活動の手法は多様化しています。しかし、どの手法を選ぶかは、会社の方針や状況に応じて適切に戦略を立てることが重要です。

ここで参考になるのが、RPGゲームのパイオニアである「ドラゴンクエスト」シリーズに登場する「作戦コマンド」という画期的なシステムです。

どういうものかと言うと、主人公(勇者)の仲間の行動を自動化できるシステムで、作戦に応じて仲間が適切に行動してくれるため、初心者でもスムーズにゲームを進めることができます。

まさに、現代の企業が必要な自動化をいち早くゲームの世界に導入していた「ドラクエ」はすごい!!

実は、この「作戦コマンド」は、企業の採用方針にも応用できるのです。

こんな企業におすすめ!6つの採用方針

「作戦コマンド」はいくつかあるのですが、採用方針を考えるにあたりピックアップしたのは下記6つです。

今の自社の状況に置き換えて、採用方針は都度変化させる必要があります。

ドラクエ風企業タイプ別 6つの採用方針
① 「みんながんばれ」(チーム型採用)
② 「ガンガンいこうぜ」(攻めの採用)
③ 「いのちだいじに」(離職防止)
④ 「MPつかうな」(限られた予算で採用)
⑤ 「命令させろ」(社長直轄人事)
⑥ 「いろいろやろうぜ」(複数メディアで情報発信)

順番に簡単に説明していきます。

企業のタイプ別6つの採用方針


その1 「みんながんばれ」(チーム型採用)

①対象:採用担当が2名以下、または兼任体制の企業
②特徴:採用チームを作り、他部署を巻き込む
③向いてる企業タイプ:中小企業、スタートアップ、NPO法人

採用活動は、採用担当だけで進めるものではありません。「みんながんばれ」作戦では、 会社全体を巻き込んでチーム型で採用を進める のがポイントです。
1特に10名以下の小規模事業者や、100名以下の中小企業では、社長、または総務責任者が、他業務と兼任していることも珍しくありません。そんなときは、 「採用プロジェクト」としてチームを編成 し、社内のリソースを最大限活用することが重要です。

◆メリット

採用担当者が一人で悩む時間が減り採用効率化(外部に知見のある人事アドバイザーをいれることで採用プロジェクトが加速)
採用プロジェクトチームのリーダーやメンバーの成長機会が生まれる(プロジェクトマネジメントを経験することで人材育成につながる)
社内広報効果により、社内コミュニケーション活性化(社内行事企画等を行い、社内広報を実施することで、ビジョンを共有し、コミュニケーション活性化につながる)

◆具体的なアクション

  • 現場社員を巻き込む(社員が自社の魅力を伝えることで、リアルな情報提供が可能)

  • 採用プロジェクトチームを結成(営業・エンジニア・広報など、部署横断的にメンバーを選定)

  • 社内広報・行事の企画運営(社長や社員のインタビュー企画や記念行事など、社内コミュニケーション活性化につなげる)

「みんながんばれ」作戦で、会社全体で採用を成功させましょう!

その2 「ガンガンいこうぜ」(攻めの採用)

①対象:売上成長率150%以上のベンチャー企業
②特徴:人材紹介で採用コストをかけてでも、積極的に人材獲得、裁量権や成果型給与体制
③向いてる企業タイプ:営業会社、ベンチャー企業、テクノロジー系スタートアップ、急成長中のeコマース企業

「ガンガンいこうぜ」は、攻めの採用で、採用コストをかけてでも、転職市場に一定割合存在する自己成長やキャリアアップに貪欲な人材を積極的に採用する作戦。 人材が企業の生産性に直結する営業会社やベンチャー企業がむいている作戦です。この作戦の場合は、一定の裁量権を任せることのできるポストや成果型の給与体制など、安定型人材より挑戦型人材が好む条件面を整えることが前提となります。

◆メリット

市場にはキャリアアップを狙う優秀な人材がいる(特に転職市場が活発なタイミングでは狙い目)
スピード感を持った採用が会社の成長を支える(競争の激しい市場では、優秀な人材の確保が成功の鍵)
挑戦型人材が好む待遇を整える(成果型給与・裁量権のあるポストなど)

◆具体的なアクション

  • 転職エージェント・スカウトを活用(優秀な即戦力人材をピンポイントで狙う)

  • 採用広告に投資(ダイレクトリクルーティングを強化)

  • ヘッドハンティング(特定のターゲットを直接スカウト)

成長フェーズの企業には、 「ガンガンいこうぜ」作戦が必須!


その3 「いのちだいじに」(離職防止)

①対象:離職率20%以上が2年以上継続している企業
②特徴:オンボーディング(入社後の戦力化)の見直し、離職防止施策に注力し、採用コストを削減
③向いている企業タイプ:医療機関・介護施設・福祉事業、小売業、飲食業、コールセンター

「人材急募!」が慢性的な企業では、採用コストが増える一方です。
「良い人材がいればな~」と言う企業に限って離職率が高い状況に目がいかず、採用コストに目がいく傾向があり、本当の離職原因から目をそらしたり、「退職した人に原因がある!」と、盲目になっている企業も多いです。そんな時は感情は抜きにして、まずは自社の離職率の数字に着目してみましょう。採用コストをかけ続けても、離職率が高ければ意味がありません。
離職率20%以上が2年以上継続している企業は、
問答無用で「いのちだいじに」作戦!
退職した社員の悪い口コミが知らない間に周りにつたわっていて応募が来ない企業も多々みてきました。まずは、社員の定着率を向上させる
ことが先決です。

◆メリット

離職率が下がることで、採用コストが大幅減少(下記例の場合3年で1800万円のコスト削減)
離職防止の取組をSNSで発信することで採用応募数増加(離職防止と採用活動を一石二鳥で進行できるおすすめの施策)
長期的なキャリアアップ・人材育成に取り組める(早期離職が減少することで、長期的なキャリアアップや人材育成に取組める)

例)年間20名の純増が目標の場合
(離職率50%のケース)

  • 採用人数:40名

  • 離職人数:20名

  • 採用コスト:1,600万円

▼(離職率20%のケース)

採用人数:25名

  • 離職人数:5名

  • 採用コスト:1,000万円

離職率を改善することで、 年間600万円、3年で1,800万円のコスト削減 が可能に!

◆具体的なアクション

社内のコミュニケーションを強化(1on1面談・サーベイの活用)
社員インタビューで本音分析&広報(インタビュー調査&広報の一石二鳥)
キャリアパスを明確化(社員が成長できる環境を整備)
働き方改革の推進(リモートワーク・フレックスタイム制などを導入)

「いのちだいじに」作戦で、 優秀な人材が長く働ける環境を整えましょう!


その4 「MPつかうな」(限られた予算での採用)

①対象:年間採用人数10名以下の企業
②特徴:無料の採用ツール、リファラル(社員紹介制度)採用、SNSなど、低コストの手法を駆使する
③向いている企業タイプ:地方の中小企業、家族経営の事業、社会起業家

限られた採用人数の場合は「MPつかうな」作戦。 具体的には、
ハローワークだけでなく、エンゲージhttps://en-gage.net/

などの無料採用ツールの活用やリファラル採用(社員紹介制度)、SNS(X、Instagram、LINE、Facebook、note、tiktok)やYoutube(動画)での情報発信、費用対効果の良い求人ツールや広告選定など、低コストで試せる採用ツールをたくさん試しながら、予算にあった採用戦略の立案をおすすめします。
特にSNS等は無料でアカウントを発行できてすぐ始めることができるので小規模事業者でも使い方次第で無料で、大手企業以上の情報発信・採用につながることも多々あります。できることから、スモールスタートしてみましょう。採用に多額のコストをかけられない企業には、「MPつかうな」作戦がおすすめです。

◆メリット

無料or低コストツールを活用(SNS・動画・リファラルなど)
応募者接点を増やせる(求人広告に頼らず、独自の採用手法を確立)
職員紹介制度を整備すれば、長期的にコスト削減

◆具体的なアクション

🟣 リファラル採用を活用(社員紹介制度で応募数を増やす)
🟣 SNS(X、Instagram、LINE、Facebook)で情報発信(無料で活用可能)
🟣 YouTubeで企業の魅力を発信(オフィスツアー・社員インタビューなど)
🟣 費用対効果の良い求人媒体を厳選(エンゲージ・求人ボックス・Indeed・Green・Wantedlyなど)

「じゅもん節約」作戦で、 無駄な採用コストを抑えながら、効果的に人材を確保 しましょう!


その5 「おれにまかせろ」(社長直轄人事)

①対象:創業期またはビジョンを語れる経営者がいる企業
②特徴:社長が直接採用活動に関与し、優秀な人材をヘッドハンティング
③向いている企業タイプ:社長のカリスマ性を活かしたい企業、ファミリービジネス、創業者が経営する中小企業

創業期の企業や、規模が小さいながらも強いビジョンを持つ企業では、「社長自身が採用の最前線に立つ」という作戦が非常に有効です。これがドラクエの「おれに任せろ」戦略です!

◆メリット

会社の想いをダイレクトに伝えられる
→ 求職者は「どんな会社で働くか」よりも「誰と働くか」を重視する傾向があります。社長の熱い想いに共感した人材が集まりやすくなります。

トップダウンで意思決定が速い
→ 人材採用において、候補者の判断はスピードが命。社長が採用に関わることで、意思決定を素早く行い、優秀な人材を逃さない体制を作れます。

採用の「質」が上がる
→ 求職者と直接対話することで、企業文化や価値観に合った人材を見極めることができます。

◆具体的なアクション

  • ダイレクトリクルーティング(転職市場にいる優秀な人材に社長自らアプローチ)

  • 採用会食・1on1面談(カジュアルな場で企業の魅力を伝える)

  • SNSでの経営者発信(TwitterやLinkedInで社長自身が想いを発信)

  • ヘッドハンティング(業界内で注目すべき人材に積極的にアプローチ)

創業期の企業や小規模企業では、「おれにまかせろ」戦略を活かし、社長の個性を前面に出して採用を進めるのが成功の鍵です!


その6 「いろいろやろうぜ」(複数メディアで情報発信)

①対象:自社ブランドを確立させたい企業
②特徴:複数のメディアを活用して認知度を高める
③向いている企業タイプ:地方自治体、B2C企業、ブランド志向企業、クリエイティブ産業、メディア企業

企業の採用活動は、求人広告や人材紹介だけではありません。SNS、自社メディア、業界特化メディアなど、さまざまなチャネルを活用して情報発信することで、求職者の目に留まる機会を増やすことができます。これが「いろいろやろうぜ」戦略です!

メリット

企業の魅力を多角的に伝えられる
→ 採用サイトだけでは伝えきれない企業のカルチャーや価値観を、SNSやブログ、YouTubeなどを通じて発信できます。

求職者との接点が増える
→ ある人はTwitterで企業を知り、ある人はYouTubeの動画で興味を持つ。さまざまな入り口を作ることで、より多くの求職者を引き寄せることが可能です。

採用ブランディングが強化される
→ 「○○といえばこの会社!」「●●したくて移住するなら●●地域」というブランドイメージを確立することで、優秀な人材が自然と集まる仕組みを作ることができます。

◆具体的なアクション

  • 自社採用サイト(ストーリーや社員インタビューを掲載)

  • SNS(X(Twitter)、Instagram、TikTok、LinkedIn)(企業のカルチャーや働く様子を発信)

  • YouTube(オフィスツアーや社員インタビュー動画を配信)

  • ブログ・note(企業の理念や採用活動の裏側を発信)

  • ポッドキャスト(経営者の考えや業界の動向を音声で伝える)

例えば、 「○○地域で○○業界といえば、うちの会社!」 と言われるように、戦略的に情報発信を続けていくことがポイントです!

「いろいろやろうぜ」戦略の成功事例のイメージ

💡 スタートアップ企業がTwitterとYouTubeで発信で応募数が3倍に!
💡 地方企業がnoteで社員のストーリーを発信し、全国から移住者増加!


まとめ:自社に合った「作戦コマンド」を選ぼう!

ドラクエ風に6つの採用方針をお伝えしました。
あなたの会社はどのタイプでしたか?

採用担当が少ないなら「みんながんばれ」 → 社内を巻き込んでチーム型採用!
急成長中なら「ガンガンいこうぜ」 → 攻めの採用で優秀な人材を確保!
離職率が高いなら「いのちだいじに」 → 離職防止で採用コストを削減!
予算が少ないなら「MPつかうな」 → 低コスト採用で効率UP!
社長が前面に出るなら「おれにまかせろ」 → 経営者の想いで採用を成功!
広報と連携するなら「いろいろやろうぜ」 → ブランディングを強化し、優秀な人材を引き寄せる!

自社のフェーズや採用方針に応じて 最適な戦略を選んだり、組み合わせたりしながら、自社にあった採用方針を立てましょう! 



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