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「車でお遍路」第56番札所 泰山寺(治水伝説の札所)

こんにちは、旅いこかです。

四国八十八箇所巡礼、弘法大師との「同行二人」の旅、56番目のお寺は、

金輪山きんりんざん 勅王院ちょくおういん 泰山寺たいさんじ


55番札所の南光坊から約3.9㎞、車で約15分の場所、

55番札所南光坊から4㎞弱とほど近く、今治市内の6ヶ寺のそれぞれの所要時間は最大20分とほどよく点在。車だと心地良いペースでお参りできる。

これまでは、干ばつに苦しむ村人のために大師が井戸を掘りあてた札所の伝説がいくつかあったが、この泰山寺は大師が川の氾濫から村人を守ったという謂れの初めてのお寺。

そのためなのか、寺院はのどかな街中でお城のような石垣と白い漆喰塀が美しいのが印象的。

では、川の氾濫から村人を守ったという札所「泰山寺」へ参りましょう。

お城のような石垣の上に石柱門がある
横長の境内はゆったりした雰囲気 鐘楼は今治城取り壊しの際に太鼓楼の古材を譲り受けて再建されたもの


ご詠歌

みな人の まいりてやがて 泰山寺 来世のいんどう たのみおきつつ


お参りする前に知っておいた方が良い知識

歴史

  • 弘仁2年(815年)、この地を巡錫中の弘法大師は、「土砂加持どしゃかじ」という秘法を修法して地蔵菩薩を彫り御本尊とし、堂宇を建立して開基

  • 天長元年(824年)淳和天皇の勅願所となり、七堂伽藍を建立して大寺院となり隆盛を極める

  • その後、度重なる兵火で寺勢は衰えたこともあり、金輪山山頂から規模を縮小して現在の山麓の現在地に移り現在に至る


大師の治水伝説

大師は、毎年梅雨の時期に蒼社川が氾濫して家屋を流し人命を奪い「悪霊の祟り」で「人取川」と呼ぶほど恐れ怖がっている村民を見た。
そこで、村人とともに堤防を築き、川の氾濫で亡くなった人への祈祷土砂加持どしゃかじ」という秘法を修法
その満願の日に延命地蔵菩薩を感得、治水祈願が成就したことを村人に告げたという。

大師が泰山寺を開基した際に、現在の地に手植えしたという「不忘の松」が現在3代目として植えられている。


寺号について

  • 寺号について
    ・・・延命地蔵経というお経十大願の第一にある「女人泰産にょにんたいさん(安産という意)」に因む、又は死霊を救済する意味の「泰山」が由来とする、など諸説ある

  • 山号について
    ・・・現在は金輪山の麓にお寺はあるが、かつては金輪山山頂に泰山寺があったことから名付けたもの


ご利益

  • 御本尊の地蔵菩薩
    ・・・すべての生命を育む大地を司る菩薩で、現世と来世に幸福をもたらす善男善女のための28種のご利益天龍鬼神のための7種のご利益があると言われる
    子供を守ることで知られているが、他には例えば、苦悩からの救済、無病息災、交通安全、五穀豊穣、安産、水子供養、子授け、などさまざまなご利益がある

  • 不忘松 
    ・・・腰痛回復にご利益


御本尊・ご真言

本尊:地蔵菩薩
真言:おん かかかび さんまえい そわか


見どころ

  • 本堂
    ・・・安政元年(1854年)再建、御本尊に地蔵菩薩を祀る

  • 鐘楼
    ・・・この鐘楼は今治城取り壊しの際に太鼓楼の古材を譲り受けて再建

  • 不忘松 
    ・・・大師がこの地に手植えしたという「忘れずの松」の3代目
    初代不忘松の切株にすわると腰痛回復にご利益がある

  • 仁王像
    ・・・現在仁王門は無いが、かつての仁王像が本堂と客殿の間の廊下に安置されている


大師が手植えしたという「忘れずの松」の3代目不忘松
参拝後はこの美しい白い漆喰塀と石垣を横目に階段を下りていく


写真


次は、第57番札所栄福寺えいふくじへ参ります。

2022年6月25日投稿
2022年10月9日改訂

合掌

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