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「車でお遍路」第61番札所 香園寺(驚き連続の札所「子安の大師さん」)
こんにちは、旅いこかです。
四国八十八箇所巡礼、弘法大師との「同行二人」の旅、61番目のお寺は、
栴檀山 教王院 香園寺
60番札所の横峰寺から約16.0㎞、車で約35分の場所、
香園寺への道程は、山岳霊場の横峰寺から険しい細い山道をもと来た道へと延々と下っていく。上りはいつまで険しい道が続くのか不安で一杯だったものの、下りは一切不安なくホッとしながらのドライブ。
駐車場に到着して、境内に向かうと先ず第一番目の驚き。
山岳霊場の横峰寺と打って変わり、山門も石柱門もなく広いグランドのような境内の正面に約16mの鉄筋コンクリート造りの近代的な建物がそびえ建つ。
この建物は本堂と大師堂を兼ねた御堂で大聖堂というこれまでにないお寺の形。
御本尊と大師像はこの2階に鎮座、そこで合掌礼拝する。因みに1階の正面でも参拝できるようにもなっている(ヘッダー画像)。
次に、第二番目の驚き。
それは略縁起で、香園寺はなんと6世紀に聖徳太子が開基した(後述)という四国霊場屈指の古刹、現在の寺院の姿とのギャップが凄い。
そして、第三番目の驚き。
大聖堂2階にあがり入って見ると、そこはコンサートホールのような空間。中心にご本尊の大日如来、向かって右手に弘法大師が鎮座。
御本尊の大日如来像、弘法大師像のお姿は極めてオープンに。
7世紀に開基した第60番札所の横峰寺が時代に翻弄されずに自然と調和しながら歴史を守り続けているのに対し、5世紀に開基した香園寺は時代の変化に柔軟に対応して歴史を守り続けている、というのは興味深い。
では、四国霊場の中でも先鋭的な札所「香園寺」へ参りましょう。
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![](https://assets.st-note.com/img/1656982815155-QvkbwcJK4Q.jpg?width=1200)
ご詠歌
のちの世を 思えばまいれ 香園寺 とめてとまらぬ 白滝の水
お参りする前に知っておいた方が良い知識
歴史
聖徳太子(574-622年)は、用明天皇(在位:585-587年)の病気平癒を祈願
その際、聖徳太子は夢の中で見た金の衣を着た白髪の老翁のお告げにより霊地を探して七堂伽藍を建立、その老翁が十七日間御堂の中に籠り彫った大日如来を御本尊として安置して開基
そのお陰で、用明天皇の病気は治ったという天平年間(729-749年)、行基菩薩は巡錫でこのお寺を訪れ、堂宇を建立して多くの信徒の悩みや苦しみから救ったという
大同年間(806-810年)、巡錫でこの地を訪れた弘法大師は、安産・子育て・身代わり・女人成仏を祈る4誓願と祈祷の秘法を寺に伝え残して札所と定める(後述)
また、大師は唐から持ち帰った金の大日如来像を御本尊の胸に納めるその後、安産や子育てで女性から厚い信仰を得て七堂伽藍、六坊を整え隆盛を極める
天正年間(1573-1592年)、天正の兵火で焼失
寛永年間(1624-1644年)、伊予国東部の小松藩主一柳氏の帰依により再興
明治36年(1903年)、山岡瑞園大和尚が住職になる
大正3年(1914年)、山岡瑞園大和尚が本堂を再興
大正7年(1918年)、山岡瑞園大和尚が「子安講」を創始、国内だけでなく海外にまで布教に行脚、講員の拡大と寺の隆盛に尽力
その努力により、現在では2万人超の信徒を持つといわれている昭和51年(1976年)、本堂を妙雲寺(かつては横峰寺の前札所)に移し、その跡地に大聖堂を建立して現在に至る
大師伝説
弘法大師が四国巡錫の際に、このお寺の麓にさしかかったところ、一人旅の女の人が門前で難産で苦しんでいるのを見かけ、早速栴檀の香を焚いて祈祷をしたところ、無事元気な男の子を安産した。
そのきっかけで、大師は、唐から持ち帰った金の大日如来像を本尊の胸に納め、再び栴檀の香を焚いて「安産・子育て・身代わり・女人成仏」を祈る「4誓願」と祈祷の秘法を寺に伝えたという。
寺号について
院号について
・・・病気を平癒した用明天皇から勅号として賜り祈願寺となった山号について
・・・大師伝説にある通り、栴檀の香を焚いて4誓願と祈祷の秘法を寺に伝えたことから名付けた
ご利益
御本尊の大日如来
・・・大宇宙を身体としてあらゆる如来、菩薩、明王、神々を生み出す根本仏と考えられており、諸願成就の仏さま「安産・子育て・身代わり・女人成仏」
・・・御本尊は大日如来なるも、脇侍の子安大師に信仰が集まっているとお寺の案内にも記されている
御本尊・ご真言
本尊:大日如来
真言:おん あびらうんけん ばざら だとばん
見どころ
大聖堂
・・・荘厳な雰囲気の中で、御本尊の大日如来像、脇侍の子安大師、大師像、のご尊顔を拝して合掌礼拝子安大師堂
・・・御本尊の脇侍だけでなく、子安大師堂の子安大師像にも安産祈願ができる聖徳殿
・・・聖徳太子を祀っている
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写真
次は、第62番札所宝寿寺へ参ります。
2022年7月6日投稿
2022年10月10日改訂
合掌