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古代チーズと石舞台に感動!京都奈良の旅22.11②
主夫が旅するには妻に稼いでもらえるよう、妻を支えることに生きる。
ども、旅紐夫こーじです。
前回の京都での縁切り神社安井金比羅宮、伏見稲荷大社から奈良へと向かった僕たちは、奈良のお宿で感動することに。
さて、ここからは実体験を元にしたフィクションとしてお楽しみください。
ーーーーー主な登場人物ーーーーー
こーじ(主夫)・・・筆者
女神ちゃん(起業家)・・・妻
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旨いグルメ堪能!古墳に感激!
京都を出た二人が奈良に着いたのは十八時前だったが、辺りはすっかり暗くなっていた。
今宵のお宿はホテルニューわかさ。東大寺のすぐ横にある観光にはもってこいのお宿だ。
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チェックインを済ませ、部屋に入った二人は食事の時間までの一時間をゆっくりと過ごした。
日中の稲荷山で歩いた疲れもあるが、実は明日にもう一度大神大社にて三輪山へ登る予定があったため、休めるだけ体を休めたかった。
休憩の内にお腹の虫が鳴き出し、食事の時刻を迎えた。二人は食堂へと向かう。今宵はどんな美味に出逢えるのかと期待に胸がワクワクする。
食堂の前にはスタッフが立っており、部屋番号を告げると丁寧に二人を席へと案内してくれた。
案内されたテーブルにはすでにいくつかの食事が並べられている。
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「おぉ、美味しそー」と感嘆の声をあげる二人だが、それぞれがどんな料理なのかは見た目ではあまりわからなかった。ただ、どれもこれも美味しそうではある。
テーブルには霜月の御献立もあり、それを見て何が何かを理解できた。
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先付けは、白胡麻豆腐、萩の里、子持ち鮎鞍馬煮、鰻八幡巻、丸南京と種類豊富で、いずれも美味しい。一つひとつが美味しいと、この後の料理も期待しかない。
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続いて、奈良の珍味。蘇(古代チーズ)、柿の葉寿司、柚子柿。
柿の葉寿司は関西ではたまに食べる機会があり、こーじも京都にいた頃に何度も食べていたが、大人になって食べると、またその美味しさに気付かされる。
さて、気になるのは蘇だった。スタッフに伺ったところ、この古代チーズと言われる蘇は、飛鳥時代に作られていたチーズだという。
まさか飛鳥時代からチーズが存在していたことに驚くが、さらに驚くのはその濃厚な味だった。正直、このひと口サイズでは物足りないくらいであった。
こーじは、どうしてもこの蘇の作り方を聞きたくなり、スタッフに尋ねてみたところ、丁寧に牛乳を煮詰めることで作れると言う。ただ、牛乳を丸々一パック使っても多くは作れないらしい。
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ここからは温かい食事となる。
まずは、奈良で育てられた大和ぽーくと野菜のせいろ蒸し。大和ぽーくは、やわらかな食感にほんのりと甘さのある脂が美味い。
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揚げ物は東寺揚げ。湯葉を使った揚げ物のことをそう呼ぶらしい。京都の東寺で湯葉を使って揚げ物をしていたのが発祥なのだろうか?
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焼き物は、三種類。
秋刀魚柘榴焼き、サーモン照り焼き、米茄子木の芽田楽焼き。
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留め肴は、大根餅炒り出汁。
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奈良で栽培されている奈良米ひのひかりを使った五目釜飯。
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こちらは食べれそうなら出してもらえるお粥。
茶粥は珍しいが、こーじの実家ではたまに出されていたので、懐かしく感じる。お粥のことをおかいさんと呼ぶのも奈良や京都の文化だ。
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デザートも食べ、食事を終えると夜食としておにぎりを持たせてくれた。小腹が空いた時のおにぎりは背徳感なく食べれて嬉しいものだ。
部屋戻った二人は、その後のんびりと過ごし、気付けば朝を迎えていた。
三輪山に登る予定が、、、
朝八時前に起床したこーじは、カーテンを開けた。
窓から見える空には、どんよりとした雲がかかっている。今にも雨が降りそうな雰囲気だ。
今日は再び三輪山に登る予定だが、まさかの雨天となれば、その大変さは前回の比ではなかろうと思うと、朝からしっかりと腹ごしらえをしておきたい。
二人は早速食堂へと向かった。
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お腹に優しい朝食を終え、部屋に戻った二人は帰り支度を済ませ、チェックアウト前に屋上を覗きに行くことにした。
と言うのも、屋上にテラスがあったからだ。
テラスからは東大寺、奈良公園、若草山が一望でき、夜間にはライトアップもされているらしく、夜にはバーも楽しめるとか。
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ホテル探訪を終え、チェックアウトも済ませた二人はさっそく桜井市へと向けて出発することにした。
道中からやはり小雨が降り始めた。雨天は懸念もあるが、とにかく大神神社へと到着。
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参拝を済ませ、三輪山へと登るために狭井神社へ向かった二人だったが、雨天とは関係なくなぜか三輪山への入山は行われていなかった。
前回のコロナ禍では問題なく入山できたのに、なんとも残念な結果である。
小雨が降りしきる中、大神神社から駐車場へ向かいながら、二人はここからの時間をどう過ごすかを相談していた。
「どこか行きたいとこか見たい場所ありますか?」
こーじが尋ねる。
「んー、こーじさんは?」
「そうやなー、石舞台古墳とか?」
「いいですね」
と言うことで、明日香村にある石舞台古墳を見に行くことにした。
明日香村は奈良県の南方に位置する。
古くは飛鳥時代の日本の中心地だった場所だ。
聖徳太子や推古天皇などもかの地で政治を行ったとされる歴史の詰まった場所である。
二人が明日香村に着く頃には少し雨足も強まっていた。
蘇我馬子の墓?へ
駐車場に車を止め、看板に誘われるままに歩くと、そこは公園になっていた。入園料を払い、中に入ると、向こうに巨石が見える。
近づくと、その巨大さが余計にわかる。
日本最大の方墳とされる石舞台古墳だが、この巨石部分は石室であり、かつては封土で覆われていたという。
このような石室だけになった理由は諸説あるらしいが、一説によるとこの古墳が蘇我馬子の墓とされていることから、蘇我氏への恨みなどで掘り起こされたのではないか?とも言われている。
ただ、昨今では蘇我氏への評価も変わって来ている。と言うのは、古事記や日本書紀においては乙巳の変及び大化の改新を正当化したかったので、蘇我氏を悪にする必要性があったという見方が最近では主流になっているとか。
まさに、歴史は勝者が作るものである。
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蘇我馬子の墓とされてはいるが、正式にはここが誰のお墓なのかは定かではない。石室が剥き出しになっているということは、埋葬品などもとうの昔に盗掘されており、手掛かりが何もないからだ。
ただ、今から千三百年以上昔に、これだけのお墓を作ったという事実だけは確かである。
一体どのように、どれだけの人の力で、これだけの巨石を運び、重ねたのか。そこにはロマンしかない。石室に入った二人は、案内人の説明を聞きながら、そんな歴史のロマンを感じていた。
説明が終わり、石舞台古墳を後にした二人は、近くの売店で古墳の御朱印を見つけ、購入した。最近は神社だけでなく、観光スポットにも御朱印があるのだから面白い。
奈良の魅力はまだまだ他にもたくさんある。その全てを回ることはできなくとも、見たい史跡や詣でたい神社にはまたこの先も訪れたい。そう思いながら、二人は雨が降りしきる奈良を後にした。