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因縁のお稲荷さん!京都奈良の旅①22.11
主夫が旅するためには妻に稼いでもらえるよう、妻を支えることに生きる。
ども、旅紐夫こーじです。
前回の東京ディズニーシーの旅から半年近くは主だった旅がなく、日帰りはありましたが、それは飛ばして、今回は十一月まで時が進みます。
生まれ育った京都に旅するってのも不思議な感じですが、そこに住んでると改まって観光地などを巡ることもなく過ごすものですよね。そこにあるのが当たり前やしね。
さて、ここからは実体験を元にしたフィクションとしてお楽しみください。
ーーー主な登場人物ーーー
こーじ・・・筆者
女神ちゃん・・・妻
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縁を切れば商売繁盛と因縁
二千二十二年十一月のある日、女神ちゃんとこーじは京都にいた。
季節的には冬目前だが、この日は陽射しも暖かく、冬の装いはまだ早く感じるような陽気だった。
気候のせいもあるのだろうと思いたいが、もはやそれが理由でないことは明白な程に、京都は観光客で溢れかえっている。
こーじは、生まれ育った街がまるで初めて訪れる観光地のような錯覚を覚えるほどに、見知った場所が見知らぬ場所に感じていた。
それほどに人が多い。かつては土曜日と言えど東大路にこれだけの人がいただろうかと記憶を遡っても記憶にない。まるで祇園祭の河原町のようである。
人の多さにげんなりしながらも、二人はお目当ての神社へと人混みの中をかき分けながらたどり着いた。
東山五条から四条通へと北上する途中にある安井金比羅宮である。
当時はそんなことも知らなかったが、この金比羅宮は縁切り神社として名高いそうだ。御祭神はあの崇徳天皇である。「あの」をあえて説明する必要はないかも知れないが、崇徳天皇は菅原道真、平将門と並ぶ日本三大怨霊の一柱である。
そんなことからか、縁切りの神様として有名なのかも知れない。ただ、本人が悪縁を怨み亡くなったことを思うと、悪縁とか良縁とか関係ない気もするが、ポジティブ思考の極みだろうか。
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こーじにとって、東大路などかつてはよく歩いた道だった。この辺りの地名が安井であることも知っていたし、神社があることも知っていたが今日の今日まで有名な神社だとは知らなかった。知らなかったので参拝したこともなかった。
人に溢れかえる境内にて、そそくさと参拝を済ませ、縁切りと縁結びの効果があるとされる石をくぐり、そそくさと神社を後にする。
それにしても、こんなに観光客が押し寄せて京都は大丈夫なのだろうかと心配になる。
二人は車に戻り、東大路を南下して一路伏見区へ向かった。次の目的地は稲荷大社である。ここも数多の観光客が押し寄せる観光スポットのため、人混み必至だ。
お稲荷さんにまつわる因縁の話
伏見稲荷の手前で車を止め、二人はそこから歩いてお稲荷さんへと向かうことにした。案の定ではあるが、京阪とJRの踏切は混雑していた。ただ、東山に比べればまだ少ないことは救いだった。
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お稲荷さんは、こーじの生まれ育った町から歩いて30分ほどの距離にある。幼少の頃は何度も祖父との散歩がてらに参拝に立ち寄ったことはあるが、本殿以外の稲荷山や千本鳥居は参ったことはなかった。
稲荷は稲荷大神を御祭神としており、その歴史は七百十一年で千三百年以上の歴史がある。そもそもは秦氏が信仰していた神様を祀るための神社として建てられたと言われている。
また次の話は伝聞でしかないが、稲荷大社のさらに南に藤森神社という神社がある。競馬ファンには有名な神社で、その歴史は西暦二百三年とされており、伏見稲荷よりも五百年古く、神功皇后が建てたとされている。
この藤森神社と稲荷大社には逸話がある。
稲荷大社が建てられる前、稲荷大社がある場所の辺りは藤森神社の社域であった。そこで、稲荷山の麓に祠を建てたいから少し土地を貸して欲しいと人間に化けた狐が神官にお願いしてきたそうだ。(狐とは秦氏のことかも知れない)
神官は祠を建てる程度の土地ならと承諾したのだが、蓋を開けてみれば、稲荷山を囲う土地を全て使われてしまったという。
その因縁から、五月五日に行われる藤森神社のお祭りでは、お神輿が稲荷大社まで出向き「土地返せ!土地返せ!」と叫び、それに対して稲荷大社は供物を備え「神様が不在ですので、、、」と濁すというやり取りが毎年行われているそうだ。
そのような歴史あふれる逸話があるのも京都らしい。
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さて、本殿から稲荷山へと足を踏み入れた二人は千本鳥居を歩くことに。名に恥じぬだけの鳥居が確かにそこにはあった。
今でも鳥居は奉納することができるので、いずれは奉納してみたいなどと思いながら、二人はなんだかんだと長い山道を登り、やがて本殿へと戻って来れた。
山歩きをしたおかげで、しっかりとお腹も空いた二人は稲荷大社を後にして、飲食店を探すことにした。
駐車場のある京阪の方へ歩いて行くと、駅前にハンバーガー屋を見つけ、そこでランチをいただくことに。
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これだけの観光客が訪れるようにもなればこの辺りでは商売繁盛も間違いないだろう。ましてや、このような食欲をそそるバーガーはなおさらだ。
伏見稲荷と言えば、すずめの串焼きも有名だが、さすがに女神ちゃんからゲテモノの類と認識されると思うのでこーじは口にはしなかった。
新しい名物として名を馳せて欲しいとドラゴンに願いを馳せながら、ハンバーガーを平らげた二人は、そこから再度奈良県へ向かう。
もう一度、三輪山へ登頂するために。