未来食「Soylent」と「2001年宇宙の旅」のカンケイ
「Soylent(ソイレント)」という未来食をご存知でしょうか?
私は最近知ったばかりなのですが、このプロダクトの制作秘話がとても面白くて好きなのです。
「Soylent」は「人間が食べ物を摂らずに生きていく可能性」について真剣に模索した結果生まれたプロダクト。
食べ物の中に含まれる栄養素さえ取れれば生きていく上で問題はない、食事を摂るのが面倒な人にとっては時間短縮になり、人工的に栄養素を作ることが可能になれば食糧危機や飢餓も解決できます。
もちろん食事が果たす役割は生きるためだけでなく、作る楽しさ、食事を囲むことで生まれるコミュニケーション、味や見た目を楽しむ…なども含まれるので、あくまでも”生きるためだけ”を考えるとの話になりますが、この合理性だけを徹底的に優先した狂気的な発想がなんか好きです。
「2001年宇宙の旅」で描かれる未来食
「Soylent」を知ったときに思い出したのがスタンリー・キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」。
この映画の中で私が興味を惹かれたのが食事シーンでした。
液体状のものをストローで交互に飲み、カラフルなペースト状のものをスプーンですくって食べるシーン。正直今の私たちから見れば「美味しそう!」とは到底思えないのですが、映画の登場人物たちが平然と食べている様子が面白いなと思って観ていました。
未来の食事はこんな感じになるのか…?
30日間「Soylent」だけ飲んで過ごした男性
咀嚼が必要ない液体物だけで満腹感が満たされるのか疑問ですが、そこで見て欲しいのがこの動画。
30日間「Soylent」だけ飲んで過ごした男性のドキュメンタリー。
「なんで人間がレタスのような草を食べているのか疑問に思った」とプロダクト開発者の真顔の発言がツボでした…。
結果的には体調は至って普通で、4.5kg痩せることはできましたが、普通の食事ができないという苦痛とストレスと顎の衰えは半端なかったようです。
「Soylent」のパッケージデザイン
「Soylent」のパッケージはシンプルでミニマル、余計なものを感じさせません。白い背景にウェイトの細いサンセリフフォントが未来的にも感じます。
海外セレブが飲んでそうなくらいのお洒落さがあるので、不信な飲み物ですがその不信感を感じさせないよう計算されているように感じます。
「Soylent」から学んだプロダクトの作り方
開発者が個人的に解決したい悩みから実現したい未来を想像し、その未来から逆算して作られた「Soylent」。プロダクトの作り方としてとても勉強になりました。