ネパールひとり旅『パタンのドーナツ、食器問題。そして素晴らしい出会い』
2020年1月 ネパール旅行記 Vol.14
暖房不在の冬の朝をやり過ごす方法がルーティン化してきた。
目が覚めたら、顔も洗わず、着替えもせず、寝巻きにダウンジャケットを着て散歩に出る。
そして何はともあれマサラティー。
路地裏にたたずむこの店は、店先でドーナツをあげていて、ひっきりなしにお客さんが来る。
せっかくなのであたいもドーナツを購入。しめて50ルピー。うまいし滲みる。
ついでにダルスープもいただいた。こちらは20ルピー。
海外旅行先で食事をする時は、必ずスプーンやフォークなど、口に入れる食器類をウェットティッシュで拭くようにしており、ここネパールでも同様のことを行なっていた。
さらに、水不足と言うことがあってのことだと思うんだけど、使用された食器をいちいち入念に洗ったりしてないのが所々で見て取れていたので、ここネパールでは尚のことウェットティッシュのお世話になっていた。
しかしここのスープはスプーンがブッ込まれた状態でお給仕された。
ここから出して拭いたってもう意味がない。
アタイは『恋愛小説家』という映画でヘレン・ハントが言った言葉を思い出す。
『人の食器を信用するのが、外食の楽しみ』
潔癖症を患うジャック・ニコルソンが、レストランで食事をする際、持参したプラスティックのフォークを使用する姿を見て、ウェイトレス役のヘレン・ハントが放った言葉だ。
そうさ。この映画を見るまで、そんなふうに考えたことなかったけど、
多分そう、食器を信用するのが外食の楽しみなのさ!
アタイはそう言い聞かせ、ためらいをうっちゃる。
うんんまい!
うんんまいよ、お嬢ちゃん!
ごちそうさまでした!
芯から温まって、宿に戻る。寝巻きを着替えなきゃ。
そしてここパタンで、とても素晴らしい出会いがあった。
エベレスト・ティー・ショップと言うお茶屋さんで葉書を購入した折、日本語が堪能なダスさんという店主といろいろな話で盛り上がり、その流れで、地元の食堂での晩ご飯にお誘いいただいた。
ひとりでは絶対に入れない、というか存在に気づかないであろう、奥まったスペースに、看板もなく存在していた食堂。
扉を開けると、そこそこにお客さんがいて、繁盛している。
ダスさんは、お茶のビジネスの他に、日本人対応のトレッキングガイドもしていて、楽しいエピソードをたくさん伺った。
トレッキングあるある話なのかな。ここでは書けないような"いい話"の数々にほくそ笑みつつ、高齢の日本人女性をガイドした時の話には感涙してしまった。
なんて素晴らしいお仕事なんだろう。
ダスさんは、その頃、お姉様のひとりを亡くされたらしく、ちょうど翌日に、自宅で法事を行うので遊びにいらっしゃいと誘ってくださった。
その話はまた別の回で。。