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カタコンブの夜②


カタコンブの夜①はこちら↓


ハロウィーンの当日に急遽地下パーティーのお誘いがあったので、興味本位でいってみたら場所はなんとカタコンブであった。

パリの建物の建築材料として掘られた地下の空間を、パリ市民の集団墓地として有効活用されているカタコンブ。ここには600万人の人達が様々な形で眠っている(というかパーツごとに分解され並べられている)。その歴史は古18世紀後半から観光用に一般公開され、現在も多くの観光客が足をはこんでいる。

カタコンブは観光用に整備されていない所が大半で、迷路のようにいりくんでおり一部崩れていたりと危険が多い。2017年に少年2人がカタコンブに入りこんだきり行方不明になったニュースを見つけた。(運良く数日後に救出されたが)


大丈夫なのか。。?と思いながらも、どんな所か見てみたくて取り敢えず待ち合わせ場所に向かった。待ち合わせ場所には4、5人ほど集まっていて長靴を履いた人もいた。彼らが今回私たちを会場まで案内してくれるらしい。

彼らはフランス人ではなく全員イギリスやその他の国からわざわざこのパーティーの為に集まったらしい。彼らはカタコンブの"オフィシャルではない"道の地図をもっているらしく、何十回もカタコンブの探検をしている地下好きな人達だった。



さっそくレストランの裏手にある突如現れたトンネルに入る。念のため持ってきたライトが役に立つ。

すぐ真上にあるレストランはあんなにキラキラしているのに、そのすぐ裏はこんなダークな世界が広がっているとは想像していなかったので、かなりビビる。

私たち初心者組は経験者の人達を追ってデコボコした石につまずきながら、地上の光が届かないトンネルを進む。

10分程歩くとやっと入り口といわれる場所につく。写真はないのだが、その入り口は入り口というより、道の端を流れる用水路に入るような小さい穴で、這っていかないと入れない程だ。

一同呆然とする。
とりあえず会場までどのくらいかかるのか聞いたら『1時間半から2時間ほど。』とのこと。道はこのようなサイズから膝をついて進むサイズ、中腰で進むサイズなど多種多様なサイズのルートらしい。

ブログではトンネルのような道を30分程『歩いて』と書いてあったので、私でも行けるかと思ったのだが。。

今考えると、会場までいくつもの異なるルートがあり、今回は難しいルートが好きな人達に付いて来てしまったのだと気づいた(笑)だって彼らの服装をみるとウォータープルーフのバッグや膝のパッドなと重装備で、話を聞いていても地下洞窟がめっちゃ好きそうな人達だもん(笑)


全員が迷っていた。
入ったはいいけれど途中でキツくて引き返す事もできないし、会場までついても帰りたい時に帰れないし、何人かは地下で一泊するとのことだ。こっちは1、2時間楽しんで帰ろうーぐらいの気持ちと荷物で来てしまっている。

そして彼らで片道1時間半ぐらいということは、初心者なら2時間以上、往復4、5時間かかるわけで、明日の朝に地上に出ることになりそうだ。私ともう一人の女子はそこまでして行くつもりはないと諦め、パートナーもさすがに膝をついて進むのに適していない洋服だったため、4人は諦めることにした。

最後の一人の男子だけ彼らに付いていくことになった。彼はリュックにビールビン8本程いれて行くつもりだったのだが、さすがにそれはやばいと思いビールと引きかえに1Lの水とヘッドランプを渡した。そして私たちは彼を見送り、また暗いトンネルを歩いて出口に向かった。

彼は本当に行きたかったのかな、一人で付いていけるか心配だ(;´д`)

真っ暗なトンネルを歩きさらに小さな先が見えない穴に入り込むのは、とてもじゃないが私には出来なかった。とても怖くてドキドキしていたが地上に出た瞬間、夜なのに街頭のランプがやけに明るく温かく感じて心から安心できた(笑)


★★★


前編後編と話を引っ張ってきて、結果行かなかったという悲しいエンディングで申し訳ないので、一人で勇敢に経験者に付いて行った男子から、地下でとった写真をシェアさせてもらったので、ここに乗せようと思う。(´Д`)

↑床には泥水がたまり、膝をついて進む道もあった。

↑壁にはそこらじゅうに落書きというアートが描かれている。

↑一体これまでに何人もの人達が通ったのだろう。

↑美術館?と思えるようなアートが所々にある。

↑2時間程かけてたどり着いた会場。地下では色んなところでこのようなパーティーが繰り広げられている。

地上にでたのは夜中の3時だったそうだ。

今回自分がビビリで入る事ができず、友人が犠牲になり(笑)撮ってきてくれた写真を易々とここでシェアさせてもらっている。心から彼に感謝する。



いかがでしたか?

ハロウィーンにぴったりなカタコンブは戦時中、地下トンネルとしてパリ市民の移動に使われたり、ドイツの支配下であった時代はナチス・ドイツ兵士が攻撃用のトーチカを築いたりされていた。

時代と共に代わるカタコンブは決して日が当たる事のないダークサイドで現在もひっそりと活躍している。

ちなみに不法滞在なので、巡回している警官にみつかると罰金との事です(;´д`)行くのは辞めましょう。


★ハロウィーン記事★


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