小さな強さ イヌタデ
イヌタデという名前を聞いたとき、なんてひ弱そうな名前だろうと思った。だけど、実際に目にしたその小さなピンク色の花は、思いのほか力強く、あらゆる場所でしぶとく咲いていた。「強い意思」や「ささやかな幸せ」という花言葉があると知って、その姿に納得した。
誰もが見逃してしまいそうな、地味な草花。イヌタデは、雑草のように扱われることが多いかもしれないけれど、どんな環境でも確かに生き抜く力を持っている。それはまるで、日常の中で気づかれにくいけれど、たくましく自分の道を歩んでいる人々のようだ。
そういえば、かつて仕事に追われていた頃、ある同僚がふと、「私は特別な才能があるわけじゃないけど、コツコツ続けていくことなら得意です」と言ったのを思い出す。そのときは何も感じなかったが、今となって、その言葉の重さが身に染みる。イヌタデのように、自分のペースでしぶとく進んでいくことが、実は何よりも大切なのだ。
花は小さくても、その強さは侮れない。私たちもまた、時に目立たなくとも、しぶとく進み続けることが幸せへとつながるのだろう。