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7.大阪府・日帰り旅(2025年1月)―商いの町でやる気と元気をチャージ

念願の、新幹線で駅弁朝食?

47都道府県をひとりで旅してみよう! そう決めて、旅を始めたのが2024年の1月(千葉県・日帰り旅)

その間に転職を2回した。転職前の仕事で心と身体に不調をきたし、1回目の転職で心がボロボロになり、旅が思うようにできなくなった。幸い、2回目の転職で心はだいぶ回復した。(大変なことは多々あれど、やりがいを感じられる仕事で気に入っている。)
そんなわけで9月から旅を再開したのだが、身体の方がまだまだ本調子でなく、しょっちゅう体調を崩して直ぐに旅どころではなくなってしまった。

体調を崩した理由は、実はよく分かっている。
将来のためにと数年前に始めた副業が軌道に乗りそうな兆しが見え始め、つい無理をしてしまったのだ。

こんなことではいけない。でも、副業も頑張りたい…

仕事も副業もひとり旅も、心と身体が整っていないと頑張れない。
年末年始はお籠りしつつのんびりと過ごし、心はもちろん、身体も十分に回復させた。

この状態をキープしないとなぁ…2025年1月のひとり旅は健康祈願の旅にしようかな?
そういえば、気になる展示会が石川でやっているんだった。よし、展示会に寄りつつ、日本海の海の幸を堪能し、石川のパワースポットを巡る開運旅にしよう! と、石川の神社を色々と調べて準備を進めていたのだが、いざ早起きしてみたらなんだか気分が変わっていた。

商いの町、大阪の神様をお参りしたい気分だな…

そんなわけで、年の初めに石川に行くと宣言したにも関わらず、旅先は大阪へと変更になった。
まぁ、当日の朝でも行き先を変えられるのがひとり旅の気軽さというものだよね…(と、ちょっと言い訳をしてみる。)

しかし、日帰りで石川に行くつもりだったので早起きし過ぎてしまった。駅弁を買う時間も十分にありそうだし、念願の新幹線で駅弁朝食が叶いそうじゃないかい? そう気づき、まだ暗いうちに出掛けることにする。
地元の駅からがらんとした電車に乗り込み、読みかけの推理小説を開く。そんな謎解きかい…と軽い読み心地に目を上げると、窓の外はすっかり白んでいた。

さて、今回も小田原駅からの出発である。
大阪まで行くなら東京駅からでも良いのだが、東京駅から自由席3両の「のぞみ」に乗るより、小田原駅から自由席5両の「ひかり」に乗った方が確実に座れるという判断だ。

新幹線の改札を通り、待合室へと行ってみる。まずキヨスクを覗くも、駅弁は売っていない模様。次に、通路を挟んで向かいにあるお店を覗くと、駅弁が何種類か売られている。どれにしようかしばらく悩むも、どうしよう…早起きし過ぎたせいかお腹が全然空いていない…
でも、大阪まではまぁまぁ時間がかかるし、何か食べといたほうが良いよなぁ…と思いつつ顔を上げると、右手の棚にクロワッサンサンドが2種類ほど置かれているではないか。しばし悩み、卵サンドを手に取った。

待合室のテレビで朝のニュースをチェックしつつ「こだま」を何本かやり過ごし、「ひかり」に乗り込む。

朝食は箱根ベーカリーのクロワッサンたまごサンド

発車と同時に、箱根ベーカリーのクロワッサンたまごサンドを取り出し、早速朝食だ。
封を開け、一口ぱくり。空気を含んだクロワッサン生地からは、ほのかな甘みが感じられる。塩味の利いたたまごサラダとの相性は抜群だ。さりげなく挟み込まれたレタス(食品表示ラベルを確認したら、グリーンカールでした…)のシャキッと感が良いアクセントになっている。

今のお腹にもってこいの良い選択だったな。ひとり悦に入りつつ車窓に目をやると…ああ! 富士山!!

急に現れた富士山(富士山的には、急でも何でもない)

焦りながらz50をバッグから取り出し、何枚かシャッターを切った。
富士山のビューポイントって御殿場過ぎたあたりだったのか…(やっと気づいたんかい! と富士山は思ったことでしょう。)

その後はのんびりと、大阪の神社をスマホで調べたり、流れる景色を眺めたりしているうちに目的地の新大阪駅に着いていた。

米原手前で見かけた、富士山にちょっと似た山

商いの町で神頼み

正直、私はそんなに信心深い方ではない。
それでも、ここ10年程は三が日にはどこかしらの神社にお参りをしている。なのに今年はまだお参りをしておらず、何だか気持ちがうずうずしていた。
先程、副業が軌道に…と書いたが、去年、収入が初めて支出とトントンになったレベルだ(つまり、始めた年から一昨年までの赤字はまだたっぷりと残っている…)。しかも、今年は新たに始めいたいこともある。

そんな訳で、朝起きたら「商いの街で神頼み」な気分になっていたのである。

新大阪駅を出て、Osaka Metro 御堂線に乗り込む。駅到着のアナウンスにお店のコマーシャルが織り込まれている。さすが商いの街…!
なんば駅で南海電鉄に乗り換えてしばらくすると住吉大社駅に着いた。

改札を出て左を向くと、既に神社の鳥居が見えている。これなら迷わん。人の流れに乗りつつ進む。

駅を出て直ぐのところにある住吉大社

境内に入って少し進むと、鳥居の両脇に佇む2体の狛犬が目に入った。
眉毛(?)がすごく凛々しいような…筋肉隆々ですごく逞しいような…マッチョ狛犬…?

筋肉隆々、丸毛キリリ! のマッチョ狛犬

そんなに色々な神社に行ったことがあるわけではないけれど、関東圏の狛犬はどちらかというとしなやかで可愛らしい雰囲気のものが多い気がするんだけど。土地柄なのかしらん?
そんなことを思いながら、ご挨拶をして鳥居をくぐる。人の流れに乗って更に進むと、欄干の朱色が鮮やかな橋が現れた。

この橋、すっごい急勾配…!
その勾配をどうにか写真に収めようと、下から煽ったり、横から撮ったりしてみたが、どうも上手くいかない。

その名も「反橋」 その反り具合を写真に収められなくて悔しい…

この急勾配は、実際に来た人のみぞ知る…だな。そう思いつつ、足元に気を付けて橋を渡る。

反橋は渡るだけで「お祓い」になるとの信仰があります。

住吉大社ウェブサイト「住吉っさんの歩き方」より

境内はだいぶ広そうだ。
手水舎で身体と心を清め、右手に見えた本殿2か所で神様にご挨拶。

本殿のお参りは絶えない

両本殿の間を通りつつ奥へと進む。新たに見えてきた本殿を左手に見つつ更に進み、振り返ってしばし観察。

後ろから見た本殿

屋根の作りが独特で、何とも美しい。

「住吉造」と称される本殿は、神社建築史上最古の様式の一つで四本宮すべての本殿が国宝に指定されています。屋根は桧皮葺(ひわだぶき、ヒノキの皮を敷き詰めて屋根をふいたもの)、妻入式切妻造(つまいりしききりつまづくり)。

住吉大社ウェブサイト「建築様式」より

その姿をしっかりと目に焼き付け(ついでにカメラにも納め)、満足して進行方向に向き直ると、右奥に「辰」の文字が書かれた暖簾がかかっているのが目に留まった。
近づいてゆくと、奥の方に人が集まり何かしている。何だろうと近づくと、人の腕が入る幅の柵で囲われた石台があり、中に小石がいっぱい置かれている。人々は、柵の間に腕を入れて、小石を拾っているようだ。

第一本宮南側に位置します『五所御前』という場所で、『五』『大』『力』と書かれた石を拾い御守にすると願い事が叶うという信仰があります。

住吉大社ウェブサイト「住吉っさんの見所」より

その横を通り過ぎ、突き当りを左に進む。こんな風に知らない場所をお散歩するの久しぶりだなぁ…あ、おみくじ発見!
今年の運試しをといそいそと近づくと、なにやら2種類ある模様。片方は境内の他のおみくじ処でも引けるが、「和歌みくじ」と書かれた方はここでしか引けないらしい。おみくじ料を払い、和歌みくじのくじ筒をカラカラと振る。おみくじタンスの引き出しの中から、出た数字を選び出し中からおみくじを1枚取り出す。

あ、吉だ!

幸先良さそう。そう思って後ろを振り向くと、足元を赤い幟で囲まれた巨木が目に飛び込んで来た。すっごい綺麗…

迫力に圧倒される、美しいご神木

しばらく眺めてから、左に視線を移すと、何だあれ? 小さな招き猫のお雛様? 段々に飾られた小さな猫の置物が外に飾られている社が目に入った。中には提灯が飾られていて、何だか幻想的…
神社仏閣は内部の撮影がNGのこともよくあるため、中にいらした神職の方に中の写真を撮って良いか確認し、何枚か撮らせていただきました。

その佇まいに心惹かれた「楠珺社」

せっかくなので、この小さな招き猫をお一つお授かりしていこうか。左手を挙げた方が「人招き」、右手を挙げた方は「お金招き」のご利益があるのか…
本来は毎月、決まったルールで授からなければいけないのだが、毎月来られない場合は「好きな方で良いですよ」とのことなので、右手を挙げている子をお授かりした。

奇数月には左手招きの子猫を求め家内安全を祈り、偶数月には右手招きの子猫を求めて商売繁盛を祈ります。

楠珺社パンフレット「招福猫の集め方」より
お授かりした「招福猫」

満足し、中央にあるひときわ大きな本殿にご挨拶をしつつ駅へと戻る。
反橋まで来たところで、先客がいて先程は写真を撮れなかった別の狛犬もカメラに収め、住吉大社を後にした。

反橋の脇に鎮座する狛犬…? 狛猿…?

初食感の中外とろっとたこ焼き

そろそろお昼時。何だかお腹も空いてきた。
たこ焼きがたべたいなぁ…と思い、駅の反対側にある商店街でたこ焼き屋を探す。2、3店ほどあったが、どこもイートインスペースはなさそうだ。地元の人が自転車でスーッとやってきて、たこ焼きを受け取るとまたスーッと帰ってゆく。
きっと美味しいんだろうな。でも、足がちょっと疲れたから座ってゆっくり食べたい…

こういう時は、飲食店と観光客が多い繁華街の方が良いかも。
そう思い、新世界へと移動することにした。

大阪は仕事や旅行で何度か訪れている。
何年か前にもひとり旅をして、新世界の入り組んだ路地にあったお店で串カツを食べた。あの時の串カツ美味しかったなぁ…隣に座ってた家族連れの観光客も美味しそうに食べてたなぁ…串カツ揚げてたお兄さんの二の腕にごっつい入れ墨あったなぁ…

そんなことを思い出しつつ、スマホの地図アプリでたこ焼き屋を検索する。通天閣の下でお笑いライブの呼び込みをする人の脇を抜け、地図を見ながら進む。
地図が示すお店の前に着いたが、どう見てもバー…でも、たこ焼きの提灯と看板は出ている。

勇気を出して扉を開く。

入るのにちょっと勇気がいるたこ焼き屋

黒を基調としたカウンターのみの店内は、8人も入れはぎゅうぎゅうになりそう。奥に女の子2人組、その手前には男女の若いカップル。店内には流行りの曲が流れ、カウンターの上にはたくさんのお酒が所狭しと並んでいる。

「ひとりなんですけど…」と告げると、「たこ焼きのみなんですけど…」とカウンターの中のお兄さんは少し申し訳なさそう。
はい! たこ焼きが食べたいんです!!
と、心の中で答えつつ、入り口近くの端っこの席に座る。カウンターなのに、背中を預けられる椅子でありがたい。メニューを見て、ソースたこ焼き(マヨネーズ抜き)と、ジンジャーエールを頼む。

出てきたジンジャーエールをごくりと一口。あ、喉乾いてたんだなぁ…身体に染み渡る…

乾いた身体に冷えたジンジャーエールが染み渡る

たこ焼きを待つ間、入り口近くに置かれた棚に何となく目をやると…あ、招福猫だ! 小さな招福猫が数体置かれている。もしかして、最近できたお店なのかな?
お笑いライブのチラシも貼られている。そういえば、通天閣の下でお笑いライブの呼び込みしてたな。後で行ってみようかな。

そんな風に雑々と考えていると、「お待たせしました」とたこ焼きが運ばれてきた。うん? 何か私が知ってるたこ焼きと見た目が違う。ふにゃっとしてる。

大阪では普通なのかな? ふにゃっとしたたこ焼き

箸で持とうとするも、くにゃっとしてしまい上手につかめない。仕方がないので箸で皮を切り、ぱくっとな。
なんだこれ…! 固形物でありながらとろっとしている。何とも不思議な舌触りに、軽い衝撃である。
でも、この舌触りと軽く噛んだ後の喉越しがなんともいえない。ネギ以外に生地に何が混ざっているのか、再現グルメ能力のない私には分からないけれど、皮だけでもかなり美味しい。
お次はタコ。大ぶりでほこっとした歯応えがあり、吸盤部分はもちこりとしている。ああ、これは大きな口を開けて丸っとひとつを一口ではふはふ食べたい…!

1、2個失敗するも、何とか丸々ひとつを箸で持ち上げて口に放り込む。
うーん! 美味しい!! 味わいつつ、あっという間に完食してしまった。

もう一皿食べたいところだが、遅くなる前に帰らないといけないから、あんまり長居するとお笑いライブを見られないかも。
後ろ髪をひかれつつ、「ごちそう様でした」とお店を後にした。

人生初のお笑いライブ

通天閣の方まで戻り、呼び込みをしているピンクのはっぴを着た人にお笑いライブを見たいことを伝えると、会場まで案内してくれた。
会場までの道すがら少し話を聞いたところ、自分たちで呼び込みをし、そのままライブに出るらしい。なかなかパワフルで忙しい仕事だ。

チケットを購入するも、開演まで30分ほど時間があったため、せっかくなので大きな看板を出すお店が並ぶ、(私の中での)ザ・新世界な通りを散策することにする。色んな人種でごった返し、色んな言葉が入り乱れている。
活気があるというか…街全体が熱に浮かされているような、不思議な感じ。

上を見上げつつ、気になる看板の写真をどんどん撮ってゆく。

新世界のド派手な看板たち

街に浮かされているうちに、開演時間が迫ってきた。間違えないように道を戻り、開演5分前に後ろの方の席に着く。

直ぐに席は埋まり、新たに席を追加する盛況ぶりだ。
ほどなく、先程までピンクのはっぴを着て呼び込みをしていたふたりが、きちっとスーツを着て舞台に現れた。

呼び込みをし、司会として会場を温め、漫才も披露していた「リスナップ」さん

出演者は、ピンクのはっぴを着て呼び込みをし、司会進行も務める「リスナップ」さん、ふんふんと真剣に聞きすぎて写真を取り損ねた「三木あきら」さん、私の笑いのツボに一番はまった「道草ピエロ」さん、全身ミドリなのに名前が「シロちゃん」、見た目のインパクト抜群な「ともだち」さんの全5組。

出演の皆さん(三木あきらさんは撮り損ねました…)

五者五様で皆さん面白く、久しぶりに声を立てて笑っていた。

ほぉっと思わず膝を打って賢い甥っ子ネタを更に聞きたくなった三木あきらさんと、構成がしっかりとしていて分かりやすく、純粋にげらげら笑えた道草ピエロさんが私的には良かったな。

司会の際にクリナップさんが「笑わせてもらおうと思っちゃいけない、笑いに行くんだ」的なことを(卑下を笑いに変える感じで)仰っていたが、大阪のおっちゃんらしきお客さんたちが芸人さんのいじりに堂々と応えたり、お笑いファンなんだろうなと思われる女性が手を高く上げて拍手を送っていたりと、会場のみんなで楽しく笑いの場を作っている…まさに笑いに行っている感じ。でも、全然無理していない。
お笑いのライブって、こんなにアットホームで面白いなんて知らなかった。

あー。楽しかったな…と撮った写真をチェックしつつ新大阪駅へ。
乗りたいひかりがもう出てしまう時間だったので、自分土産はゲットできず。近々会う予定の友人へのお土産はかろうじてゲットし、帰路へと着いたのだった。

今回の旅で使ったお金

  • 交通費:約25000円

  • 現地交通費:960円

  • お賽銭:そんな野暮なこと…

  • おみくじ:200円

  • 招福猫:800円

  • 新世界ZAZA(お笑いライブ):1000円

食費

  • ペットボトルのお茶(1本):153円

  • クロワッサンたまごサンド:510円

  • たこ焼きとハイボール:800円

合計:26726

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旅人
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