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アブダビのボードゲームカフェを初体験

◎筆者は…
2022年よりUAE(アラブ首長国連邦)の
首都アブダビにて駐在帯同生活中。
海外で長く暮らすのは今回が初めて。
30代のママです。

ボードゲームって?

突然だが、我が家は家族そろってボードゲーム好きである。

ボードゲームとは、紙製(とは限らないが)のカード・駒・ボードなどを使って遊ぶゲームのこと。
テレビやスマホを使う電子ゲームに対して、そうした機器が不要なのでアナログゲームに分類される。

日本では時に“ボドゲ”などと称され、近年徐々に人気が高まってきている。古くは花札やオセロ、人生ゲームなんかがメジャー。
少しかじったことのある方は「カタン」「人狼」なども聞いたことがあるかもしれない。

単純明快・運勝負のものから高度な戦略が求められるもの、ルールを覚えるのすら苦労するものまで多彩で、いちど遊んでみるとその楽しさが分かってもらえるかと思う。

我が家では子供が生まれる前(日本にいる頃)に夫婦でハマってよく遊んでおり、出産後~乳児期はしばらくそんな暇はなかったのが、子供が少し遊べる年齢になってからまた再開し始めた。

ただ、その「しばらくそんな暇はない」期間に
アブダビに引越してしまったので、所有していたゲームは全て日本(の一時保管倉庫)に置いてきてしまった。

そこで、アブダビでも遊べるボードゲーム探しが始まったという経緯。

著名作品はアラビア語版で発売済


ボードゲームが盛んと言われている国のひとつがドイツで、「ゲーム作家」と呼ばれる方たちが、沢山のゲームを毎年生み出している。
(その年の優秀なゲームを決める大きな賞も存在する)

そんな訳で日本でも、各国で生まれた名作ゲームが日本語版に翻訳されて販売されているのだが(もちろん日本生まれの人気作品もある)、
ここUAEでも同じように著名なゲームがアラビア語版となって玩具店などに並んでいる。
アラビア語版と言っても、ちゃんと英語での説明も併記されているので心配ない。

アブダビモールのボードゲーム専門店

ToysRus等の玩具店にあるボードゲームコーナーでも一定の品数がそろっているが、アブダビモールには「BACK TO GAMES」という専門店があり著名作品が棚にズラリと並んでいる様子が見られる。

アブダビモールの3階にあるゲーム専門店

さらに店内には「試遊スペース」があり、いくつかのゲームを無料で自由に遊ぶことができる。あくまで「お試し」なので、チキンな筆者は短時間で終わるゲームを1つ2つくらいしか試したことはないが、遊んだだけでゲームを購入しなくても特に嫌な顔はされない。

それどころか「どんなので遊びたい?」「ルールは分かってる?」と店員さんが優しくレクチャーしてくれることもある(もちろん商品を売りたいからというのもあるだろうけど)。

手前のテーブルが試遊スペース

ローカルの若者たちが、グループで入店して長時間遊んでいるのを見たこともあるので、購入の有無や時間は別に気にしなくても良いのかもしれない。

ただし、このスペースはあくまで「試遊」なので、店内には「飲食禁止」の注意書きがある。自宅のように飲んだり食べたりしながら遊ぶのはやめてね、ということだ。

ボードゲームカフェとは?

上記のお店になぜ「飲食禁止」とわざわざ書いてあるかというと、おそらく「ボードゲームカフェ」との混同を避ける意味もあるのではないかと思う。(アブダビでは洋服店などでも普通にみんなコーヒーを飲みながら歩いていたりするので、本来は店内での飲食には日本より寛容なはず)

ここでようやくタイトルの話題になるのだが、「ボードゲームカフェ」とは文字どおりゲームで遊ぶことをメインとしたカフェのこと。
日本にもチェーン店から個人経営まで沢山存在する。

日本の場合、多くは時間制をとっており「〇時間以上XXX円」といった具合に、滞在料金を払うことで店内にあるゲームを自由に遊ぶことができる。
飲み物やスナックも注文でき、ボードゲームの醍醐味(多分)であるお酒や軽食を楽しみつつゲームに興じるスタイル。

こうしたボードゲームカフェに何度か日本で遊びに行ったことがあったので、アブダビにもないか調べてみたところ、ちゃんと存在するではないか!

しかも、ある程度便利な立地に複数店存在することが判明。
アブダビモールの専門店の件も考えると、UAEでもゲームカフェの存在はメジャーになりつつあるのかもしれない。

余談だが、日本でもボドゲ人気に徐々に火が点きつつあった頃、コロナ禍でステイホームが始まり更に人気が増したと言われている。

アブダビは1年の半分以上が灼熱で屋外活動が困難な気候なので、元々こうしたインドアのゲームや、それを商機にする店の存在は土地柄に合っているのではないかと感じている。

潜入レポート 1軒目:DNA Board Game Cafe

というわけで、まず始めに行ってみたのは、カリディヤ(Khalidiyah)と呼ばれる地区にある「DNA Board Game Cafe」というお店。

海外のボドゲカフェ自体初めてだったので、ファミリーウェルカムかどうかも分からず、少々緊張しながら入店。
でもすぐ前に子連れの男性が「この子のキックボード入口の外に置いてもいい?」なんて聞きながら入っていったため「これは子連れオーケーだな」とホッとした。

入り口付近にゲームのディスプレイ

訪問したのは祝日の昼過ぎ。
店内はさほど広くないが、すでに先客が2組ほど。1組はおそらくローカルの若者たちで
10人近くで大きなテーブルを囲んで談笑していた。もう1組は、件のキックボードパパのファミリーでモノポリーを楽しんでいる様子。

まずは受付で料金を支払う。
訪問日はラマダン明けのホリデー中だったため
特別価格で時間無制限となっていた(通常の料金を聞き忘れてしまった…)。
日本の多くのカフェとは違い、飲み物のオーダーはマストではないとのこと(利用料金のみで居座ってOK)。
ドリンクの値段は、少し高め。当たり前だが日本のカフェとは違ってアルコール類は無い。

着席したらすぐ、ゲームの並んだ棚へ。
日本での経験からすると、ゲームの種類は正直「ちょっと少ないな」という印象。人気であろうゲームは、同じものが複数置いてあったので
普段からお客さんがよく遊ぶものがある程度限られているのかなと推測する(別の客が利用していて遊べないことがないように)。

スピード勝負のパーティーゲーム系が
やや多めの印象
日本でも販売されている著名なゲームがそろっている

とは言え、こちらも子連れで元々ゲームの選択肢は限られるので、簡単そうなバランスゲームや子供が理解できるか試したかったモノポリーなどを次々と遊んでみた。

モノポリーに初挑戦
自宅用に購入する前に試せるのもカフェのメリット

しばらく滞在してみて感じたのは、店員さんは基本的にノータッチということ。
日本だと、店舗により差はあれどボドゲカフェの店員さんは基本的にゲームに非常に詳しく、
棚を物色していたりすると「お好きな系等のゲームは?」と話しかけてアドバイスをくれたり、初心者向けにルールを解説してくれたりする。

このカフェではそういったことはなく、時々飲み物が必要か聞きにきたり、得点計算が必要なゲームの時に頼めば紙とペンを貸してくれたりという程度。

なので、初めてのゲームを遊ぶときは、英語の解説文を読んだりネット上の日本語解説を探したりして、自力で頑張るしかない。

結局モノポリーなど長時間かかるゲームを試したこともあり、4時間ほど滞在してがっつり楽しんだ。

潜入レポート 2軒目:DICE BOARD GAME CAFE (おすすめ)

次に訪れてみたのが、1軒目と同じKhalidiyahエリアにある「DICE BOARD GAME CAFE」。Fatima Parkという大きな公園の敷地内にある。

結論から言うと、我が家がお気に入りなのはこちらの方。理由はゲームの種類が1軒目より豊富なことと、ソファ席が多くて子連れにも滞在しやすいこと。 

1階には座席が少しとドリンクカウンター、2階はソファ席も含むメインスペースという雰囲気。冬しか無理だと思うが、一応屋外にも席が少しある。

2階は窓が大きくて開放的
右手前がソファ席

我が家は土日の昼(14時のオープン後)に何度か訪れているのだが、経営が心配になるくらい貸切状態のことが多く、子連れにとってはそれも落ち着く理由のひとつ。

そろそろ帰ろうかなという夕方頃に他のお客さんが入ってくることが多いので、メインは夕方~夜にかけてなのかもしれない。

料金は時間無制限で1人35Dhs(約1400円)。子供は年齢に関わらず、ゲームで遊ぶのなら大人と同じ料金を払わなければならない
(同伴しているだけの乳児などは不要)。
こちらもドリンクなどのオーダーは自由。

2階のゲーム棚(一部)
1階にも並んでおり種類は十分


写真のように棚に沢山のゲームが並んでおり(HPでは400以上と紹介されている)、子供も大興奮で選びに行く。
有名どころは概ねそろっている印象だし、見たことがないものもいくつか。初心者~中級者なら十分楽しめるラインアップかと思う。

ただ、店員さんについては、こちらも同じくそこまでゲームに詳しくない印象。
人にも寄るかもしれないが、ルールを尋ねても明確な答えが返ってこないことも(マイナーなゲームについて質問してしまったので、メジャーなものであればきちんと解説してくれるかもしれない)。

UAE生まれのゲームはあるのか

ゲーム好きとしては、せっかくならUAE生まれのボドゲや「なぜか中東ではみんなコレが好き」みたいな情報を紹介したいところなのだが、残念ながら今のところそうした事実には出会えていない。

ローカルっぽいお客さんたちが遊んでいるのを覗き見ても、モノポリー、UNO、カタンなど世界的に人気のものがよく選ばれている印象だ。

唯一〝UAE感〟を多少味わえるとすれば、モノポリーの「ドバイ版」と「アブダビ版」。これはアブダビ在住記念にもなるかなと我が家でも購入したので、後日別記事で紹介したいと思う。

まとめ:夏場のレジャーの選択肢に

というわけで、アブダビのボドゲカフェは特にUAE独特というものではないが、屋外で遊べない夏場、モール巡りばかりにも飽きたという方には選択肢の1つとしておすすめできるかなと思っている。

特定のゲームを皆で遊ぶイベントも時々行われているようなので、ゲームをきっかけに多国籍の友人と友だちになる機会もあるかもしれない(夜のイベントが多いので子育て中の筆者は未参戦)。

以上、非常に趣味に偏ったレポートでした!
お読みいただきありがとうございました。











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