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【マザーテレサ旅行記、その2】〜宗教とヒューマニティ(人道)の複雑さ
マザーテレサの賛否は置いといて、そもそもマザーテレサの行い自体は、世界で知られているほどインドでは賞賛されていない。今回もインド人の友人達にマザーテレサ施設にボランティアに行くと言うと、皆に、え?って顔される。宗教もさることながら、カースト文化のあるインドでは、私がシンガポールで付き合ってるようなインド人達が、路上で寝てるような階級の人達に触るなんて多分ありえない。ボランティア精神がある場合でも、基本はお金を出して世話する人達を雇うのが普通だと思う。施設でも、インド人の労働者はいても、インド人ボランティアなんてまだ一人も見ていない。
入国も面倒だった。今回コルカタから直接入国すれば良かったものの、シンガポールでの予定で直行便に乗れなかったので、チェンナイ経由で向かうことになった。イミグレでコルカタに観光に行くのと言うと根掘り葉掘り聞いてなかなか通してくれないので、うっかりマザーテレサの家にボランティアもちょっとすると言ってしまった。そしたらなんだその施設は、お前はクリスチャンなのか、仏教徒なのになんでそんなとこ行くんだ、と更にめんどくさいことに。マザーテレサなんて人をどうやって知ったんだと言われたので、頭の中で「お前はModi(インドの首相)をなんで知ってるんだ、と聞くのと同じくらい愚問だよ」と思いつつも、世界的にたくさん本が出ているのよ、日本でも有名でね、別にキリスト教のために来た訳では無いの、"In the end, it's all about humanity right? (決局、人助けしたいって事は宗教関係ないでしょう?)"という会話で最後落ち着いて、入国。
でも分かる、こんなヒンドゥー教第一の国で、わざわざ欧米と日本にしか認識されてない謎の施設で働くより、インドで他にすることいっぱいあるよね。そして私自身も、施設に来て思うところは沢山ある。食事の前にマリア様の歌を歌うシスター達の横で、ヒンドゥーであろうおばあちゃん達は手拍子をしている(ないしはさせられている?)し。オーストラリア人のボランティアと、宗教と施設運営の分離は難しいのかしら、彼らが自分達の神に向かい合う時間はあるのかな、とか話もしながら。
でも、結局は困った人を救うという意味では、宗教もへったくれもなくてやったもん勝ちだとは私は思っている。悪より偽善の方が良いに決まってる。
そして、マザーテレサの聖人度というか知名度にも想いを馳せつつ、結局世界(日本)で有名なものって、欧米が賞賛するものばかりだよなーとか思ったり。憧れて来たくせに、こんな事を冷静に考えるのは、数十年待ち世界を俯瞰する大人になったからなのでしょう。宗教問題に関しては、あと数日でもう少し見えてくるものがあるかも。