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p42:『にんじんパスタ』

Spin Out Works 

from

『ささたくや サラダの本』


本誌に掲載しきれず、我が制作ノートに眠っていた、キューブたちの紹介です。

『サラダの本』を片手に、味わいください。


p42:『にんじんパスタ』

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【キューブのイメージ】

* 2016年のオリジナル原稿に、現在の感覚も加味して、加筆しています。

1・ソースだけをキューブとして見たときに、リンゴのすりおろしの存在がキューブ全体を覆っている。リンゴの質感の「もったり感」がキューブ全体の印象を決め、その中に、酸の「爽やかさ」、そして、甘みが「濃厚さ」を加え、キューブの隅々まで広がっている。その大地に、ミントの香りが、爽やかな風の如くに、やって来る。その後からカルダモンの香りが吹くことにより、風の存在が確かに認識される。この風の中に感じる、ショウガの「辛さ」は、風の輪郭線を際立てせ、風をより印象的なものにしている。
2・ ドレッシングが「もったり」としてい」こと、それは、細く、長く、切られたニンジンの形状によく絡む。そこにココナッツも絡んでゆく。ココナッツはキューブのなかで「うま味」の役割を担っている。
3・ 口に含んだ時、細いパスタの保有する空間と、その隙間にそんざいするソースとが、食感、味のそれぞれの階層において、口の中で即興的に絡んでいく。噛み締める度に絡んでいく。この変化を口の中で引き起こす仕掛けを作っておくこと、これが、この一皿にもう一つの次元を生み出すこととなった。お箸で食べてもらいたい理由は、この変化を起こしやすくするためである。
4・ メインのキューブとは異なる密度の、豊潤な水分を含んだみかんのスライスの存在が、口休めとなる場所として内包されている。

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