アンソーシャルディスタンス感想
アンソーシャルディスタンス、面白い
金原ひとみ著
そのなかの「debugger」を読んだ
自分は何に泣いてるのか
分からなかった
前に観た光景を見た
それは孤独で真っ暗闇のトンネルだった
どうしても他人事とは思えない
主人公がちょっと年齢の違う自分を見ているようだった
静かに「渦中」に飲み込まれて壊れていく人の繊細な感情の機微が描かれていて、読んでいると同時に、以前のヤバかった時の自分を、こういう人が居るんだ〜と遠くから眺める体験でもあった
自分の二重まぶたの左右差が気になるとか、歯が黄色くみえるとかよりも、熱をもって感じる気持ちを粗末にせずに抱きしめてあげたり、それを抱えている人と通じ合うことをしたいと思った
自分の体験した「渦中」は自分以外の人も体験したことがあったり、小説になるようなことだった
そういった人の痛みに思いを馳せずには居られなかった