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ケアマネ更新研修と主任ケアマネ制度の廃止の声多数

医療界も利権が絡んでいるが、介護業界も負けじと利権が絡んでいる業界。

個別性や尊厳を保持することは誤ったことではない。

診療報酬も然りであるが、介護報酬も何等かの条件を満たさないと、事業所に収入が入らないシステムに変化している。

その原点がケアマネジメントシステムと言えるのではないのでしょうか?



面倒臭いケアマネジメントシステムのはじまり


残り短い人生を自分らしく生きる為に、その人のニーズ(必要性)を導き出し、援助の方針を決定し、どのような社会資源(サービス)を活用し、自己実現に導き出すか?

利用者の人生をより張り合いのあるものに繋げていくという点では、ケアマネの仕事はお客様への貢献度が高く、やりがいのあるものと言えます。

また、利用者やその家族の悩みを、介護サービスを利用することにより、利用者や家族の置かれている状況が改善されたとなると、ケアマネ業務は決して無価値なものではない…と思っています。


利用者(大半は家族ですが)、サービス事業者、医療機関と様々な関係者との間に入り、調整を図らなければならない大変さ、入力作業が多い、月1回は利用者宅に訪問しなければならない等、労力を伴うことからケアマネ業務は激務と言われている。

居宅であれば一人あたり担当件数が40件程、施設であれば100件程。施設ケアマネとあれば、相談員や介護業務と兼務となり…それだったら夜勤手当の付く介護士や看護師に出戻った方が良くね?という人が大量発生するのも納得する話。


ケアプラン作成で欠かせないのが、ニーズに対する長期目標とその期間の設定、短期目標とその期間の設定。
これに加えて毎月の訪問を行い、定期的にモニタリングを行う。

また、サービスが開始する時は、利用者宅にケアマネと関係する事業所を集めて担当者会議を開催するわけであるが、担当者会議を開催すれば、議事録も作成しなければならない。
(これらの一連の流れを行うには、初回訪問して面談を行い、契約と併せ、アセスメント、課題分析を行わなければならない)


だったらざっくりやれば良くね?…と思われるかもしれませんが、ケアプランを作成する際にはNG行動があるのです。

それは「サービス有りきのケアプラン」

つまり、長期目標や短期目標に「デイサービスを利用して日常生活を楽しむ」「ホームヘルパーを利用して家事を援助する」という文言はNGってことなんです。

利用者それぞれのニーズに合ったサービスの種類を選定することについては、間違っているとは思わないが、使ってはいけない文言が多く、これがプラン作成時に頭を悩めているのではないのでしょうか。

この悩むことが労力に繋がり、時間が食い込むことで、後の作業に影響を及ぼしてしまう人は少なくないんじゃね?と思っています。


介護保険サービスを利用することで、利用者や家族を取り巻く環境が改善されるのは良いのですが、この仕事をする上で面倒なのがPDCAサイクルに基づいた業務内容なんです。

つまり、目標と期間を定め、定期的にモニタリングをし、達成しているのであればプラン継続、新たなニーズを引き出したのなら、プラン変更…となるわけで、ケアプランが変更になれば、再度アセスメント(情報収集)をして、新たにケアプランを作成し、担当者会議を開催して、その議事録を作成します。

特に福祉用具や住宅改修については更なる条件があり…
福利用具を利用開始する場合や追加する場合は、福祉用具事業者が訪問するときに、ケアマネも立ち会わなければなりません。
住宅改修時は、一通りの書類を揃えなければなりませんが、理由書を作成する時は、住宅改修をすることで、どのように自立支援に向けられるのかを記さないと却下される場合もあります。

余りにも失礼な文言を用いてはならないが、些細なことでNGワードとなっているものも少なくなく、言葉の選び方に頭を悩ませるが故に、ケアプランを作成する作業は労力が大きくかかるんです。。。


ケアマネジメントシステムは、栄養管理、リハビリ(機能訓練)に及ぶようになり、これらもケアマネ業務同様にアセスメント(スクリーニングを行う場合もある)、プランニング(ニーズの選定、目標及び期間設定)、モニタリング、プランの継続又は変更といった、面倒臭い一連の流れを行って報酬に結び付けています。

介護保険制度や診療報酬制度が幾度と改定され、加算管理が細分化されたり、内容が都度変更する等、とにかく混乱を招くばかり。

でも、収入のためにはやらなきゃなんないんです。


更新研修は意味がないとの声が芽生えている?

更新研修の目的は「ケアマネの質の向上」とは言いますが…

更新研修に対し、ブーイングの嵐となっています。

  • 忙しいケアマネ業務の時間を削って、何十時間に及ぶ研修に拘束される

  • 研修費用が万単位であり、地方によって差がある

  • 研修中は遅刻は厳禁であり、遅刻をすると更新研修は受講されなかったことになる

  • 研修中の電話は、いかなる場合でも出るのは厳禁(利用者が緊急事態になったとしても研修を優先しなければならない)

  • 課題がとにかく面倒

  • ビデオによる講義は1分たりともさぼってはならない


実務未経験者向けの更新研修の54時間でさえも結構労力を使うのに、実務者向けの研修となると、88時間の拘束時間になります。
この88時間の拘束時間は、休みの日は何もできなくなるし、スタッフの中には「いじめではないか?」との声も挙がっていました。

他の有資格者は更新研修がないのに、ケアマネだけ何でこんな仕打ちをうけなきゃならん…という声も挙がっていますからね…


この何十時間に渡る研修を受けたからって、ケアマネとしての質が向上したかというと、意味がないとの声が多く、私自身もケアマネとしてのスキルが向上したとは体感していません。

無駄な研修な上に、何故、高額な費用をかけなければならないのか?

下記のリンク先は主任ケアマネについてですが、なるほど!と思いました。


主任ケアマネ制度が居宅支援事業所を潰している

ハッキリ言って本当のことです。

2006年度に主任ケアマネ制度が発足し、2016年度に主任ケアマネも更新制度を設けました。

現在、居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネであることを条件として動いており、2026年度までは一部の事業所では措置となっています。これは2021年3月の時点で、主任ケアマネを取得していないケアマネが管理者となっている場合、2026年度までに主任ケアマネを取得させるために設けられているようなもの。

…が、これが原因で居宅介護支援事業所が閉鎖に追い込まれているのも現実。

それは、国が介護サービスを利用したいという利用者や家族の意向よりも、主任ケアマネを管理者として配置することへの優先度が高いというものであり、「尊厳の保持」の意味を国が理解しているのか?って話。

つまり、主任ケアマネを持たないケアマネが管理者として配置されている事業所が指定取り消しとなり、廃業に追い込まれてしまいます。

その結果、離職が避けられなくなります。

超高齢化社会を迎えている現在、次々と居宅介護支援事業所が閉鎖に追いやられるのは、現実と国の思惑に矛盾を感じずにいられません。


ではでは…何故、管理者が主任ケアマネであることに国がこだわるのか?

そこにはケアマネ及び主任ケアマネの更新制による利権が絡んでいると気付いている人は気づいているのではないのでしょうか。

一人あたり万単位かかる受講料のうち、実際にお金をかけているには、会場費とテキストの印刷代。それと講師の人件費となるのです。講師の人件費はどの位になるのかは不明ですが、もし、これもたかが知れている程度の額であれば、その高額な金額は何処かしらに流れていると察することが出来るでしょう。


主任ケアマネは資格に見合った使命を果たしていなくね?

過去の記事でも書きましたが…

主任ケアマネは新人ケアマネの指導にあたる立場であるとは言うものの、ケアマネの成長を阻害させる主任ケアマネが実際にいます。

立派な業務放棄ですが、管理者が当人のことを必要以上にかばうので、お局軍団が新人を虐めるという縮図が成立しています。

こんな良からぬことが成立しなくても良いのですが。。。


しかも、主任ケアマネという上位資格を持っていれば、優越感に浸る未熟な人間もいるものです。これが管理者となれば、自分の優位性を悪用して、自分の部下をマウントして攻撃する…て事をやるんですよ。

一言で言えばパワハラですけどね。


激務で給料が割に合わない、責任が重大。

その上、更新研修で莫大な費用と時間を奪われ、肉体的にも精神的にも苦痛を与えられる。

これだけでもケアマネが挫折する条件が立派に整っています。


ケアマネの資質向上には〇〇が一番の近道

詐欺師風の見出しですが、ケアマネの資質向上の近道とは何なのか?

それは、実践を積み重ねること以外にありません。

つまり、新人ほど、新規利用者を獲得しつつ、場数を踏みながら幅広いケースを体験するのです。

この成長の道のりは、決して甘いものではありませんし、失敗することもあります。

新規を獲得し続ければ「この場合、どうすれば良いのだろう?」と行き詰まりの壁にぶつかります。

初めは先輩の力を借りながら道を切り開いていきましょう。

医療依存度が高かったり、家族の介護力が期待出来なかったり、クレームを受けることもあります。(クレーマーもいますが)

これらの体験て、新人ベテラン問わず、自分達の成長の餌となっています。

インシデント、アクシデントを起こした場合、後悔の念に悩まされ、「あの時、ああしていれば良かった」と誰もが思うものです。

自分の失敗をいつまでも落ち込んでいては「後悔先に立たず」ですが、この失敗をたたき台にして、以後の業務に活かすことが出来ます。

経験や失敗の積み重ねが、ケースバイケースの臨機応変に応えられ、次第に自身も成長していきます。

しかし、数十時間に及ぶ拘束たっぷりの研修を受けたところで、これ相応にスキルアップが出来たのか?と言えば、大してスキルアップは出来ず、ただただ時間と労力を消耗するだけなんです。


国の制度だから?

長い者に巻かれることが本当に大人の在り方なんだろうか?

介護保険制度は2年に1回の早いペースで更新しているし、ケアマネの資質向上のために研修は必要だと、国は訴えていますが、介護業界は見事に現場の声を無視されている現実があります。

ただ、介護士の処遇改善が適応されたのは、現場の職員が声をあげて訴えたから、このような功績を得られたのです。

制度が改正した時は、わざわざ高額な受講料と時間を犠牲にして、更新研修でわざわざ制度に関する講義を受けるほどなんでしょうか?

だったら、更新研修などしていないで、制度改正の概要について、有料でも良いので(更新研修みたいな高額ではなく)、短時間で簡潔にYouTubeで受講でも良くね?って思うんですがね…

その辺の考え方は個人差があると思いますが、制度改正についての説明は、業務に支障をきたさない形で受けられるようにするとか、もっと現場に配慮してほしいと思います。

また、 全国介護支援専門員協会という組織が、今年の5月から発足し、更新研修廃止に向けて動いています。ある程度の会員数と活動費が集まらないと、ケアマネの苦悩の声を届けることが出来ません。

会員になるには、ケアマネであることが条件でありますが、労働環境の改善を図りたいのであれば、入会を考えてはいかがでしょうか?

肉体的、精神的、金銭的苦痛を我慢し、書類作成に追われるスタンスは、本当に利用者にとって最善を尽くすものになるのか。

お客様が求めているのは、煩雑な業務と数多くの書類より、心温まるケアではないのでしょうか。

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