ぐるり紀伊半島一周の旅 #1
日帰りできる、といったものの
やってきたのは南海の新今宮駅。確かに紀伊半島は日帰りで1周できるものの、その場合、乗り鉄だけで1日が終わってしまう。多少の観光をしたいのでこの日は和歌山市内に前乗り。VISAタッチの実証実験中の南海電鉄では定期的に運賃半額キャンペーンを実施しており今回はそれに乗ることに。特急サザンで和歌山市駅へ。
およそ2週間前にバスしばりで泉佐野市まで行ったときは10時間かかったが、特急なら30分で走り去る。やっぱ電車って早い(語彙力)夕日に染まる海岸を眺めながら、あっという間に和歌山市駅へ。
和歌山市駅からJRに乗り換えて和歌山駅へ。
和歌山市駅と和歌山駅は別の場所にあり、歩きだと1時間かかるので素直に電車に乗る。ちょっとめんどくさい・・・。
和歌山駅で、最初の目的である和歌山電鐵へ乗り換え。
猫とともに活きる私鉄に乗車
和歌山電鐵は和歌山駅から貴志駅を結ぶ地方私鉄。もともとは赤字ローカル線を運行するだけに過ぎなかった会社を一躍有名にさせたのが、猫の駅長「たま」である。終点である貴志駅の売店の飼い猫として人気を博し、ネコノミクスという造語まで生まれるほど、和歌山電鐵の知名度向上の一因となった。現在は二代目「にたま」が駅長に就任している。
本来ならにたまを見に行きたかったが、時間はすでに午後6時すぎ。猫業界の労働基準法によると、午前10時から午後4時までが所定の労働時間ということらしいので、今日は職場見学だけをすることに。和歌山駅から電車に揺られること40分で貴志駅に到着。
現在の駅舎は2010年に建て替えられたもの。デザインは数多くのジョイフルトレインを手がけた水戸岡鋭治氏によるもの。猫の顔をデザインしたもので和歌山県産の木材がふんだんに使われている。
そしてこちらがニタマの職場である。普段は座布団の上で1日を過ごしているとか。まさに招き猫である。
貴志駅のホーム。和歌山電鐵は基本的に2両編成の電車しか来ないので非常にこじんまりとしている。
ホームの端にはおもちゃ神社、たま神社、いちご神社と命名された祠が。もちろんちゃんと意味があり、おもちゃ神社は電車と玩具や遊具を、たま神社は電車と猫や動物全般を、いちご神社は電車と果物を始めとする農作物をそれぞれ祀っている。たま神社のたまは初代駅長のこと。天国に行った現在も、この会社を見守っているに違いないだろう。
猫だけじゃない ユニークな電車がやってきた
待つこと30分。次の電車で和歌山駅へ戻ることにした。やってきたのは一面猫のがイラストがデザインされている電車。たま電車というらしい。
車内はこんな感じ。この車内のデザインも、例に漏れず水戸岡鋭治氏によるもの。
猫型ロボットの展示や
なんと本棚が設置されており、本が100冊ぐらい置かれていた。これはもう金持ちのリビングみたいな感じだが、すべて読み終えるのに、この電車に何回乗らないといけないんだろう?
そうこうしているうちに電車は和歌山駅へ戻ってきた。係員のおっちゃんに精算券を手渡され、改札を通る。明日は始発からみっちり動くことになる。自然豊かな紀伊半島。なにごともなく無事に帰れたらいいのだが。