第9回「編集部にはオアシスが必要だ!」
「はい、食べもの通信社です」
電話を取ったひろこさんのやわらかい声が、
殺伐とした編集部の空気を浄化していく今日このごろ。
みなさま、お元気でしょうか?
「あぁ…まるで、2018年の山賊打線の中のネコのようだわ」
ん? 山賊の中にネコがいる?
それってどういう例え?
せっかく空気が和んでいると言うのに、
誰も知らない野球ネタでそれをぶっ壊す人。
それが、我らがミドル・ボスこと、ゆみさんだ。
「えーと…さすがに、意味がわからないんですけど」
このところ的確にミドル・ボスの通訳をしてくれていた
しもむーですら解析不可能なのか。
それじゃあもう、お手上げです。無理です。
「だから、ひろこさんの声はオアシスだなぁって」
いや、それには満場一致で大賛成なんですが、
例えが意味不明なんですってば!
毎度のことですけど!!
解説、解説プリーズ!!
「2018年の我がライオンズは、打ちに打ちまくったの。
秋山にげんちゃん、浅村、山川、森友哉ってね。
だって、おかわり君が8番にいるのよ。
まったく気を抜くスキのない打線だったんだから。
あ、ただね、唯一9番打者だったネコこと金子くんがね、
大不振でまったく打てなくて。
相手投手にとってのオアシスって言われてたの」
うん、誰にも伝わらないそのベースボール的な例え、
そろそろ辞めませんかぁ~、ミドル・ボス。
マジで誰も付いてきてないですよ?
「でも、ひろこさんって声だけじゃなくて、
もうその存在自体がオアシスですよね」
としもむー。
はい、それも全会一致で大賛成です。
事務方として編集部を支えてくれているひろこさん。
いつもにこやかで、声がやさしくて、物腰がおだやかで、
まとう空気が清らかで…。
もうね、天使じゃないかってくらいの人なんです。
しかも、お料理上手なのは、すでに皆さまもご存知の通り。
でも、ただ腕のいいパティシエでシェフと言うだけでなく、
食に対する知識も豊富で、編集部の面々はけっこう、
ひろこさんに助けれられていることも少なくないんです。
「そう考えると、ひろこさんってスーパーマンですよね」
ひろこさんの手作りスイーツ大ファンのたくやくんが言えば、
「それを言うなら、スーパーウーマン、ですけどね」
と、相変わらず突っかかるあいちゃん。
前回の続きが、またまた始まりそうだった流れを止めたのは、
ひろこさん本人だ。
「そんなに褒めていただいても、何も出ませんよ」
と小さく笑った後で、
「シフォンケーキとレモネードくらいしか」
と言って、またやさしく笑う。
ひろこさん、天使じゃなくて、神だった!
もうすでに、たくやくんとあいちゃんの目がキラキラしてる。
「じゃあ、せっかくなんで、ちょっとブレイクしますか」
ミドル・ボスのお許しも出たところで、
編集部ふわ~り甘い香りとホッとした空気が漂う。
これだから、たべツー編集部は辞められない!!
あれ?
ということは、たべツー編集部って、
もしかして、ひろこさんで持っている? 回っている?
個性的すぎるメンバーの誰ひとり、欠けても成り立たないけれど、
その中でも最重要人物がひろこさん…なのかも。
食を大切にしている我が編集部だから、ね。