【愛知・名古屋】伊藤圭介とシーボルトの東西植物譚
時は江戸時代。
尾張藩の医師であり博物学者の伊藤圭介は、高なる胸を押さえるように、この日のために準備をした植物画を携えて、熱田神宮へと向かった。
幼少期から圭介の師であった、本草学者・水谷豊文と一緒にだ。
なんと、舶来のドイツ人医師が日本の文化や植物に興味があり、江戸へ参る道中でも各地を調査していて、この尾張をも訪れていると言うではないか。
こんな機会は、一生に一度、あるかないか。
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高まる緊張と期待に包まれた熱田の宮で出会ったのは、髪の色も、目の色も淡い色を