IBSお仕事インタビュー②金融事務のともちゃん
【IBS(過敏性腸症候群)】
炎症などの病気がないにも関わらず、お腹の痛み、下痢・便秘などの症状が数ヶ月以上続く消化器官の疾患。ストレスが原因と考えられていて、治療法は主に「食事療法」「運動」など生活習慣。
→→そんな「健康なのに困る!」「根本的に治らない!」というやっかいな病気は、日常生活に支障をきたすことも多々あるとされています。当事者は、どんなふうに自分の身体と折り合いをつけて、どんな仕事でどう働いているのでしょうか。
IBSが理由で仕事を辞めたことのある私:たべあずがIBS当事者インタビュー!
第二回目となる今回は、お友達のともちゃん。新卒からの7年で、金融事務を2社経験しています。10年来の付き合いになる彼女に、発症からお仕事の話、そして折り合いの付け方のことまで聞かせてもらいました。
〜知り合うきっかけは、10年前、いにしえの掲示板…前向きなメッセージが印象的で、声をかけたんです〜
ーー発症したのはいつ?
高2で、学校の人間関係の悩みと受験勉強が重なった頃。おなかもだけど身体が全体的に不調になって、「なんかおかしい!」って思ってた。IBSのタイプで言うと全部かな。まず内科に行ったら、心の問題じゃない?って言われた。その頃、半年くらい学校に行かなかったんだけど、バイトは行ってたんだよね。飲食だったからずっと同じ場所にいなくてよくて、お金を稼ぐのも楽しかった。今思うと、ずっとその場にいるのがつらい、あの環境にいるのがつらい、ってことだったのかもしれない。教室、学校にいたくない、みたいな感じ。
ーーその中で大学受験して進学したんだよね。すごいと思う。
そのとき負けず嫌いで、こんちくしょう、って思ってた。嫌なクラスメイトが自分よりいい大学に行くのも嫌だったし、大っ嫌いな英語教師がいたから、絶対こいつよりいいところ行ってやる!って思ってた。笑
ーー大学も授業つらくなかった?
ゼミはそんなに行かなくて良かったし、論文とかやることだけちゃんとやっていれば良かった。それでもつらいときはあったけど、必修とか休めない授業はなんとか乗り切ってた。とりあえず90分、って思ったり、途中で帰っちゃうときもあった。出席カードだけ友達にお願いしたりね。大学は高校よりもなんとかなるよね。
ーー就職活動は体質のことを考えた?
プレッシャーがかかる仕事はやめようと思ってた。だから営業とか、ノルマとかに追われるような仕事は避けて、事務で探して。その中でも大手とかベンチャーは避けて、まったりしたところを選ぶつもりでいた。
当時は体調のいいときもあれば急に悪くなるときもあったし、正社員で働くっていうイメージも全然つかなかくて、自分には無理なんじゃないか、とりあえず1年頑張ろう、って思ってた。
ーー規模としては中小にあたる金融機関で、新卒から2年間。転職して、2社目も金融事務。実際に働いてみてどうだった?
新卒のとき、体調の意味ではあんまり気にならなかったんだよね。それで1社目でがんばって、いろいろできるようになって、もっといろいろ違うことやってみたくなって前の会社に入った。
そこでいろんなことをやらせてもらえたのは楽しかったんだよね。結果としてはがんばりすぎて過労になっちゃったんだけど、それまでおなかとか体調のことで諦めてきたことが多かったから、いろいろやらせてもらえて嬉しかった。今の状況としては、お仕事お休み中。
ーーそのときの体調を教えてください。
完全に過労。ご飯は食べられないし眠れなかった。最後の方はずっとトイレにいたんだけど、席に座ってると、この場でおなか下しちゃうかも、っていう不安すらあった。ただ、IBSだと思ってた症状が、実は別のところに問題があったのが後でわかった。
ーー働く中で、周りの目が気になるようなことはなかった?
その頃、自分が絶不調すぎたのもあるけど、周りのことあんまり考えてなかったな。高校とか大学の方が気にしてたかもしれない。年々図太くなってるのかな。笑
体調的なつらさで言ったら高校時代が1番で、次に大学、二社目、新卒の会社かな。気持ち的には、年々楽になってる。
ーーおなかだけじゃなくて別のところに問題があったっていう話。ずっとIBSだと思って悩んでた身としては衝撃だよね。
実はホルモンに問題があったのが去年わかって、そのせいで、腹痛とか、ガスとか、そういう不調が人よりも出るって言われた。それに関しては、病院でそう言われて「そうなんだ」と思うと同時に「10年前に聞きたかったな」って思った。もちろん原因がわかって良かったし、これからの対処は昔よりしやすくなるとは思うけど。
ーーホルモンの問題だったらそれに対処をすればいい、ということだね。
そう。薬を飲めば、一時的には良くなるって言われた。ただそうすると、妊娠できなくなっちゃう。妊娠したくて、体調良くしたくて、仕事もしたくて、っていうのはできない。だから今は選んでる段階。自分のできるところから探ってるよ。
親切心からか「仕事しないの?」とかって言う人もいるけど、やっぱり、まずは体調だよね。私の体質のホルモンの問題って、無理しちゃいけないんだって。お医者さんに「これまで無理してきたでしょ」って言われちゃった。笑
周りの言葉を気にしちゃったりもするけど、まずは体調。そして、身体と気持ちと折り合いつけつつ、自分のやりたいことを実現していけたらいいよね。
ーーありがとう。若い子に向けてメッセージがあればお願いします!
むりしないで、って言いたいな。やっぱり高校時代が一番つらかったし、そこで苦しんでる子がいたら、そこからもっと楽になるよって。
そして、もしかしたら他の不具合の可能性もあるっていうことも言っておきたい!
ともちゃん、お話聞かせてくれてありがとう!これからもよろしくね。
ーーあとがき。
奇跡の出会いから10年、学生時代も就職も共有してきたお友達に改めて話が聞けて嬉しかったです。そして落としどころは優しさに満ちていました。
最後に、お互いどちゃくそに誉め合いなぐさめ合ってきたシーンを載せておきます。こういう時間と仲間、大事!感謝!
最後までお読みいただきありがとうございました!
次回は私が尊敬してやまない看護師ライターのきむらえりさんにお話を伺います!
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