大阪のカツ丼
とんかつを割り下で煮て、卵でとじて丼にする。このカツ丼のスタイルは今は閉業してしまった早稲田の三朝庵で考案された。宴会で出されたとんかつがあまり、まだ高級だった洋食をなんとかおいしく食べられないかと考えて工夫したのが始まりだという。
そんな卵でとじたカツ丼を卵とじ丼と呼ぶことがある。地域の郷土料理的なカツ丼で言えば、ソースやたれに絡めたカツ丼の方が優勢らしい。そんな土地では、ソースカツ丼と区別するために卵とじ丼と呼ぶことがあるらしい。
大阪ではカツと言えば串カツのこと。しかも衣をつけて揚げれば、どんな具材でも串カツという。そして肉と表記すると牛肉のこと。豚肉の場合は、メニューにあえて断りを入れてある場合が多い。そうした大阪、卵でとじるカツ丼は珍しいメニューだと思う。
ポミエ
喫茶店という雰囲気のお店、ランチ時には行列するお店。難波の繁華街からは少し歩き、日本橋の南のハシという感じ。オタロードを南下していって信号のある交差点が出てきたら道路を渡って左手側に進むと見つけられる。
喫茶店のような外観のお店、メニューを確認すると定食屋のような感じ。カツ丼が名物だけど、他の定食メニューも人気のお店。しかも、みんなデカ盛りになっている。江戸好みの甘辛というのが、なんともクセになりそう。
まる栄
このお店は2018年に移転している。訪問したのは移転前のお店だった。
基本的にそば屋なんだけど、客のほとんどがカツ丼を注文するという。特にメニューには断り書きが無いのだけど、カツ丼のとんかつが二階建てになっている。とんかつのボリュームに圧倒されるけど、ごはんも多い。ハラペコランチにちょうどいいものの、一段のカツ丼を注文するのが無難かも。
喝鈍
法善寺横丁にあるカツ丼の専門店。ここも並ぶけれど、先の二軒よりも行きやすいと思う。高級店の並ぶ法善寺横丁で食べるカツ丼。
カツ丼とメニューにあるけど、頭は別に用意される。法善寺横丁らしい上品な仕上がり。見た目通りに、カツ煮も上品であり、大阪の出汁文化を堪能できる。
おまけ
道具屋筋に松屋という立ち食いのうどん屋がある。そこに丼メニューも用意されていて、カツ丼がリーズナブルに食べられる。
うどんの天ぷらと同じようにとんかつも揚げ置きされている。
注文が入れば、これを手際よく調理して、カツ丼の完成。
紙カツ丼という表現がしっくりくるような仕上がり。おつゆが染み込んだ衣を食べる丼だと思う。
地図
※まる栄は移転後の位置
元記事
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?