見出し画像

『山手線で一番無名な田端のつくりかたとこれから』 #EXODUS序章公開

幻冬舎さんとCAMPFIREさんの新しいプラットフォーム、出版のクラウドファンディング『エクソダス』にてプロジェクトに挑戦することが決まり、目標金額(250万円!!!)を達成出来れば本を出版できるという直前のところまできております。


こちらのnoteでは事前に序章全文を、皆さんに公開します!

〜序章 〜

「え!?ここって本当に山手線の駅なの?」「俺の地元の方が栄えてるー(笑)」「一回も降りたことないなぁ」「本当に何もない街なんだね」「名前は聞いたことがある」「全く知らない」

僕の地元である田端について昔友人に言われた言葉の数々。

東京の交通の大動脈、山手線。その中のひとつの駅「田端(たばた)」という街をあなたは知っていますか。

山手線の中でも、池袋や新宿、渋谷といった大きな駅はもちろんのこと、恵比寿駅はおしゃれな飲食店が多そう、上野駅は動物園があるよね、巣鴨はおばあちゃんが多そうなど・・・多くの人が一つ一つの街に、少なからず印象を持っているはずです。地方にお住いの方ならなおさら、テレビやwebのニュースで見た情報が東京の街のイメージのひとつでしょう。

住んでいる僕からするとそこまで田端ってそんなに知名度がないの!?と疑うこともありますが、たしかにわざわざ降りる用事もないし、人が集まれるような場所も全然ありません。地方と違って方言もない、特徴もない、山手線で一番無名な駅、それが田端なのです。

田端と聞いてどんな街か答えられない方。そう、それでいいんです。田端は住んでいる人でもその街の魅力を語ることが、山手線一難しい街なのです(笑)。正確に言えば、上手に周囲にその魅力を伝えられていない街とも言えるでしょう。

そんな魅力のなさそうな街で、本が一冊かけるのか。企画している段階から知り合いにも言われました「田端で本なんて書けるわけないし、売れるはずがない」そうですね、ぼくも正直不安です。

でもそんな東京の田舎のような街「田端」だからこそ、掘り出しがいがあり、その掘り出し方が東京のみならず、街の魅力を伝えて活性化したいと考えている多くの方のお役に立てるのではないかと思い、執筆を決めました。

自己紹介が少し遅れました、田端という街を心から愛し、この街を面白がりながら活動をしている田端で生まれて4代目田端っ子の櫻井寛己(さくらいひろき)と申します。

現在のお仕事はコンビニの店長をやったり、立ち飲み屋のマスターをやったり、webマガジンの編集長をしたりと幅広くやっております。

「コンビニ」×「飲食店」×「webマガジン」という業界もバラバラで一見関連性の全くなさそうな仕事をしているのは全て田端のためなのです。コンビニも田端にあり、飲食店も田端にあり、webマガジンも田端のことを情報発信しています。僕の今の仕事は全て田端にあります。僕から田端を取ったら何も残らないのではないか?という悪口のような褒め言葉を頂くこともあるくらい田端を愛しているように周りからは見えるみたいです。

ただ僕が今やっていることは特別変わったことではありません。どこにでも誰にでもできる手段を通じてやっているだけなのです。いかに自分の街に興味を持ち、熱を持って行動できるかどうかが大事になってきます。本書は僕が今までやってきた田端の活動についてどのようにしてやってきたのかを全て公開してしまおうという企画です。

山手線で一番無名な街 田端の誕生

さてこの本のタイトルにもなっている“山手線で一番無名な駅 田端”。果たして田端は本当に山手線で一番無名な駅なのでしょうか。

田端、駒込、目白、鶯谷、新大久保など(他の駅のみなさんごめんなさい)みなさんが考える“山手線で一番無名な駅”がそれぞれあるかと思われます。

「無名」とは「名が知られていない」という意味を持っています。つまり「一番無名」というのは「一番名が知られていない」ということになります。

東京の中心には山手線が通っており、山手線を知らない日本人はほぼいないことでしょう。この日本の中心を走る山手線の中で一番無名な駅などそもそも存在しないのではないかと思う人もいるかもしれません。

「無名」の反対の意味を持つ「有名」を定義するのは割と簡単にできます。

1日の平均乗客数が一番多い駅でもいいですし、アンケートでも取って山手線で一番有名な駅はどこかという質問をすれば結果が自然と出てきます。

一方「無名」を定義するのはそう簡単にはいきません。というのも「無名」というのは人によって違います。本当に知らない駅は質問されても何も浮かばないということ、山手線の駅はだいたい知っているということ、何をもって無名と定義するのかわからないなど「山手線で無名な駅」を定義するのって難しいことなんですよね。

今までは全く印象にも残らない僕が住み続けている「何もない街田端」。この何もなく印象にも残らない街の特徴を逆手に取ってつけたキャッチフレーズがまさにこの「山手線で一番無名な駅」だったのです。僕はこのキャッチフレーズを誰に許可を得ることなく、勝手につけることにしました。そう、勝手にです。

正直田端の人たちに怒られるのではないかと思いましたが、もともと何もない街という特徴を住んでいるみなさんの共通認識だったこともあり「山手線で一番無名」という自虐的なフレーズが意外にも田端の人にも受け入れられ、世間にも広まっていきました。

僕の田端活動は2016年1月に「山手線で一番無名な駅 田端」というキャッチフレーズをつけLINEクリエイターズスタンプ『田端』をリリースしてから始まります。この時から『山手線で一番無名な駅 田端』が誕生しました。

僕はやってみたいことやってみる協会という二人組のユニットを2013年8月から組んでおり、イベントだったり雑貨作りだったり自分たちがただただやりたいことをやってきました。

100人規模で運動会をやったり、都電を貸し切って音楽ライブをしたり、雑貨を作ってイベントに出店したりと仕事にはならないような活動をずっとやっていました。結成当時から僕たちの中では下積み時代と呼びながら色々な活動していました。その活動をしているうちに個人でもLINEスタンプを出せるということを知り、LINEスタンプを作ることに決めました。

「山手線で一番無名」「吉祥寺は雰囲気だけいいよね 田端は雰囲気も何もないけど」「マイナーさはメジャー級」といった自虐的なスタンプや「やっぱあみじるしだよね〜」「文豪の街だけど?」といった田端民でも中々分かりにくいネタ、「目のつけどころが田端でしょ」「そうだ。田端へ行こう。」「ぜんぶ田端のせいだ。」などどこかで聞いたことのあるようなキャッチフレーズを田端風にしたものなど40種類作りました。

自分で言うのもなんですが、中々面白いLINEスタンプが出来上がったという自負があったので、このLINEスタンプを田端中に広めたいという欲が生まれてきました。そこでプレスリリースを配信することにしました。僕は広報をやっていたわけでもなく、起業しているわけでもなかったのでプレスリリースというものが正直よくわかっていなかったのですが、無料で送れるプレスリリースサイトに片っ端から送れるだけ送ってみることにしました。プレスリリースの常識だったり、業界のルールのようなものは良くわかっていなかったのですが、やるからにはどうにかして目立つようにいくつか工夫を凝らしました。

このプレスリリースが運良く共同通信のトップページに転載されたことにより多くのwebメディア、新聞、テレビ、ラジオなど多数メディアに取り上げられ拡散されていきました。田端の多くの人がこのLINEスタンプを購入し、販売して3年たった今でも多くの方がこのLINEスタンプを使ってくれています。



webマガジンTABATIME で情報発信!

次に始めた田端活動がwebマガジンの『TABATIME(タバタイム)』です。

TABATIME』は田端に関わる人が田端の役立つ情報を発信するwebマガジンです。グルメ、場所、暮らし、文化、イベントなどリアルな情報を発信しています。地元にしかない情報がここにある、街の回覧板のようなサイトにしたいと思い一人で作った個人サイトです。現在は僕だけでなく複数のライターさんに書いてもらうことも増えてきてますが、もっと情報を細かいところまで網羅していきたいということもあり会社化を目指しながらやっています。

企業のwebマガジンとは違って毎日のように更新ができているわけではありませんが、街の人にも応援してもらいながら2年弱やってきました。

もともとライター業をやっていたわけでもなく、文章を書く仕事をしていなかった僕がなぜこの『TABATIME』を始めたのかと言いますと、先ほども言ったように「田端は何もない街」と住んでいる人からもよく言われることがあったことが一番の理由です。

たしかに田端はいわゆる繁華街と言われるような場所とは違って人が集まるような遊び場もなければ、大人が楽しく宴会するような大きな居酒屋もありません。個人の飲食店が多いのがこの街の特徴なのですが、その居酒屋も点々としており、ここが田端のメインストリートだ!と呼べるような道もありません。しかし生まれた時から住んでいる僕には行きつけのお店が何軒もありますし、地元の人しか行かないような小さいけれど店主も素敵で実は知られていない美味しいお店がいくつもあるのを知っています。地元の人しか知らない情報をもっと田端中のみんなに知ってもらいたい、住んでいる人にもっと田端を楽しんで欲しいという思いからこのwebマガジンを2017年2月に立ち上げました。

ちょうど1年前くらいにブログを始めたのもきっかけの1つです。

ブログを始めて月に15万PV見られるような時もありました。しかしテーマも何もないブログを続けるのはあまり僕の中では面白みにかけており、またアクセス数が増えても全く読者の顔が見えてこないことに違和感を感じました。

テーマのないブログを書くのに飽きてしまっていたところ、先ほどのLINEスタンプが拡散されたこともあり、どうせ書くなら田端に特化したものを書いてみようかなといった気持ちが出てきて作ったのがこのwebマガジン『TABATIME』です。個人でやるのでブログでもよかったのですが、長い目で見て色んな人に関わってもらえるようなサービスにしたいという思いもあったためwebマガジンという形をとりました。

飲食店を取材していく中でそのお店がどういう思いでお店を作ったのか、街についてどう考えているのかなど、普段飲み食いしてるだけでは分からない個人的な部分まで色んな方とお話しさせてもらいました。ずっと住んでいる僕でも行ったことがなかったお店や新しくできたお店など色んなところを取材させてもらえて、今まで以上に横のつながりがどんどん増えていきました。地域のために情報発信をして地域の人のために立つのは僕にはすごいやりがいのあることでした。

このwebマガジンをやっていると今度は読者の人とゆっくり話す場所が欲しいと思うようになりました。

わざわざ僕が店長をやっているコンビニにまで来てくれる読者の方もいたんです。そんな方とゆっくりお話ができないもどかしさ、またコンビニという仕事は親と一緒にやっていることもあり自分のお店だけど、自分のお店じゃないような感覚があり自分のお店を持ちたいという気持ちが芽生えてきました。

立ち飲み屋タバタバーの誕生

コンビニの夜勤をやりながら空いた時間を使って自分で1年間くらいかけてDIYしながら作っていったお店が立ち飲み屋『タバタバー』です。

田端にあるバー『タバタバー』。なんて安易な名前をつけてしまったのでしょう。どうしてもお店の名前に田端ってどうしてもいれたくてつけたんですが、お客さんも気に入ってくれているようです。

タバタバーのコンセプトは“田端をもっと楽しもう”です。田端に住んでいるけどいきつけの飲み屋さんがなかったり、この街に知り合いがいない人がみんなと交流できるような場所へ、また田端を知る一歩目としての場所の意味合いもあります。ご近所さんも、そうでない方もみんなが地域と交流できる場所を目指してお店をやっています。

最近よく言われるコミュニティを作りたいから始めたようなお店とも違います。

まずは飲食店としてしっかり経営すること、しっかり経営できていれば常連のお客様もつき、その先にコミュニティがあるということ、今現在お店をやりながら徐々にお客さんもついてきてやっとわかるようになってきました。

小さなお店なので入れるお客さんも限られていますし、コミュニティとしては小さいかもしれませんが、小さいコミュニティも作れないような人が街を変えることなんて絶対にできないんではないかと個人的には思っています。

僕は現在コンビニ,webマガジン,飲食店とやっていますが、いきなり全部を始めたわけではありません。自分のできることから小さく始めた結果今のような複数の事業を展開できるようになってきました。

今やっている田端の活動は結果的には地域活性になっているかもしれませんが、僕は自ら地域活性しているなんておこがましくて大きな声で言うことができません。

「街を変えるのはお前しかいない」なんてことも言われたことがありますが、僕自身そんなことを思ったことは一切ありません。僕は田端を面白がって色んなことをやってきた結果が今であり、その結果が地域活性に繋がっていけばいいんではないかと思っています。

街で飲食店をやっている人たちだって地域活性のためにお店をやっているわけではありませんが、結果的には地域に貢献していますよね?それと同じようなことなんです。

僕だけでなく色んな人がいて街が成り立ち、街ができています。僕ができることなんてほんの小さなことだと思いますが、僕にしかできない役割もあるとは思いますし、webマガジンの『TABATIME』や飲食店の『タバタバー』が田端の情報集まるような街のハブになればいいと考えています。繁華街や観光地のように大きな街にしたいという気持ちはありませんが、住んでいる人もこの街で仕事をしている人も田端に関わるみんなが幸せになれるような街を目指していきたいと思っています。

今僕がやっていることも10年20年と続けらるようなことをやっています。ブームを起こすのではなく街に定着していくようなそんな活動をこれからも増やしていこうと思います。

東京の田舎、山手線で一番無名な駅、何もない街、田端へようこそいらっしゃいませ。

以上が序章になります。まだ編集があったりするので多少の変更があるかもしれませんのでよろしくおねがいします。


このEXODUSでの挑戦はTwitter、Facebook(非公開のグループなので招待制)を中心に情報発信していきます。TwitterのフォローもしくはFacebookグループに入ってくれる方がいればTwitterのDMにて連絡ください。

Twitterアカウントはこちらから

この記事自体もTwitterのシェアや引用RTなどでコメントいただけると嬉しいです!田端の本を出版するためにはみなさんの力が必要になります。よろしくお願いします。
櫻井寛己Twitterアカウント


いいなと思ったら応援しよう!