ハノンピアノ教本の活用法
日本のピアノレッスンにおいて、ハノン教本はとても重要です。
ピアニストならば誰もが知っていますし、レッスンを受けている人も必ず通るのがこの教本です。
ピアノ教育に「ハノン」が根付いているからこそ、ピアノレッスンを受けたことがある人は一定レベルの演奏をすることが出来ています。
これは他国ではあまり見られないことで、日本のピアノ教育のレベルの高さを垣間見ることが出来ます。
今回はこの「ハノンピアノ教本」をより活用して、楽しく練習をしながら上達していただければと思います。
ハノンの使い方
ピアノを始めたばかりもしくは初めてハノンをやるという方は、演奏のための基礎体力作りや筋トレのようなものだと考えてください。
ハノンを一通り終えたピアニストは、ウォーミングアップや基礎の確認として使用します。
演奏に不調を感じたとき、ハノンを使うことで身体の動きの確認をして基本に帰ることが出来ます。
練習時の注意点
レッスン教師がいる場合は、教師の指示に従ってください。
まずは、教本の解説をよく読みましょう。
ハノン教本は楽譜上(曲ごと)に目的が書いてありますので、理解してから練習します。
では、楽譜通りに練習する際の注意点を挙げます。
①メトロノームを使用する。
→初めての方は必ず使いましょう。
②まずは片手で。
→弾きづらい手や箇所はたくさん練習すること。
③無駄な力を入れず、指の感覚を大切にする。
→弾きやすい強さで、綺麗な音で一定のテンポをキープできるように。
④テンポは速く弾ければ良いというものではない。
→メトロノームはゆっくりから始めて、少しずつ上げていく。
どのようなテンポでも、様々な一定の音量で弾けるようにするべき。
もちろん綺麗な音で。
⑤運指(指使い)を守る。
→楽譜に書いてある運指を意識し、徹底しましょう。
守らないと練習効果が薄れたり、全く無くなってしまいます。
☆綺麗な音づくりのポイント☆
テンポが遅いほど強い音で。
テンポが速いほど弱い音で。
ハノンは指を動かすための練習ですが、せっかくなら綺麗な音が出るように練習したいものです。
応用練習①
ハノンで大事なのはズバリ、リズム練習です。
全音版には本の冒頭に変奏パターンが載っています。
楽譜通りの音を滑らずに安定して弾けるようになるためには、この練習が不可欠です。
これは本当に必要な「急がば回れ」ですので、しっかり練習しましょう。
特に大事なのは、
・付点(13,14,15)
・8分音符と16分音符(3,4,5)
・3連符(9,10)
です。
教本に載っていませんが、全てスタッカートでやるのも良い練習になります。
しかし、とても大変ですので故障しないように気を付けてください。
応用練習②
もうひとつ大切な練習は、運指を変えずに調を変えて練習することです。
スケール(音階)練習の様に、全ての調に移調して練習すると素晴らしい効果が期待できます。
難しい場合は、今練習している曲の調だけでも練習してみると良いでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
ハノンを楽譜通りに弾くだけではなく、様々な方法で有効に活用して上達してください。
他の作品を弾いたときにハノンの力を感じることが出来ますように。
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