歌と、別世界

竜とそばかすの姫、を映画館で見てきた。

Belleの歌声に鳥肌が立った。

名前や素顔の分からない誰かを想うことは、安否を心配することは、そんなに悪いことだろうか。Uの世界に漂いながら、電波越しに誰かを想ったり誰かの想いを受け取ったり、救われた時のあたたかさを思い出したりしていた。「まだ出会えていない君の元にも、いつかこの歌が届きますように」と言いながら、いつも音楽を送り出してくれているあの人の気持ちも、ちょっとだけ覗けたような気がして。おこがましいけれど。

SNSもラジオも音楽も、今こうして家でコーヒーを飲みながらキーボードを叩いている私の目には見えていないものだけど、たしかにちゃんと、そこにある世界で。今日も誰かが誰かを想ったり、誰かへ届けと願ったり、誰かに救われたりしながら、素知らぬ顔で目の前の世界を生きている。

そして家族モノに激弱な私は、もれなく本日も泣いてしまったのでした。

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