のまち

あってもないようなもの、なくても困らないもの。無粋でありたい。日記が好き。くどいです。

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最近の記事

葱とキャベツは冷蔵庫に入らない

紅白での浜辺美波があまりに美しくて見惚れてしまい外に出るタイミングを見計れずにいたのだけれどしばらくして「チバユウスケ!」との天啓を受けて外に出た。 片道50分の暗がりを歩いた。小雨が降っては止み、降っては止みをくり返していた。数日前に古着で買ったランズエンドのジャケットは思っていた以上に温かかった。小柄な僕をXLサイズのジャケットが温めてくれている。それでも夜は冷えこんでいて吐く息は白くてニンニク臭かった。念入りに歯を磨いてきたのにもかかわらず。 「おまえの歯は腐ってる

    • 再版

      北墓場地下道をくぐり抜けてようやく東急ハンズにたどり着いたころには僕はすでにずぶ濡れだった。たかが220円の運賃を出し惜しみ、目的地まで片道40分の距離を歩くことにしたためだ。 浮ついた雨の夜だった。金曜日の夜だ。僕は確かに、久しぶりだから奢ってやる、という旧友の計らいを甘んじて受けた。諭吉の大群が齎してくれる豪奢な夜を想像し、嘲謔の鐘を鳴らす角ハイボールを嬉々として飲み干す様を想像した。しかし気が重い。雨脚は強くなるばかりだ。小さなビニール傘に辛うじて収まってはいるが、そ

      • 告白

         僕のハートが泣いている。僕の純真なシェイクスピア・ハートが歔欷している。 「やあベイビー、君を助けたい」ってね。  こと恋愛において僕は奥手であった。「好きです」そのたった一言を口にするのをためらった。女子との会話も照れ臭くて仕方がないのは勿論、恋愛感情を抱いている相手に対して挨拶のひとつもできない僕にとってその一言は、軽々しく口にできる言葉ではなかったのである。助けてあげたいのはピュアな自身のハートである。しかしピュアなハートを傷つけたくないゆえに僕は血迷った。  本

        • パンクぎらい

          大家さんが町田康を読んでいる。 かくいう僕も音楽好き、ロック音楽好きを明言している以上、読まねばならんと思った日が、夜が、夜明けが一再ならずあった。けれども経歴を調べているうちに、癪に触るようなかっこよさがあったためなるべく触れないよう見聞きしないよう読まないよう努めていた。 第一に、かくいう僕も音楽好き、ロック音楽好きを明言している以上、町田康が以前、町田町蔵という名でINUというパンクバンドのボーカルとして日本のパンクミュージックシーンを席巻していたのは知っていたし、