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第十六章 風流って何だ!!?
3ヶ月ぶりに東京の気温が25℃を下回り夏日に至らなかったのだというニュースを見た。暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものだと関心しつつ、長い長い夏が漸く終わるのかとホッとする。日の落ちる時間も早くなり、夜風も少しずつ涼しくなった。虫の声が星空の下に響く様は風流だ。
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いや待て……風流って何だ……。いや、分かっている。分かっているのだ。辞書で引けばこう書いてあるのだろう。趣がある、と。いや待てって、趣があるって何だよ!?いや分かっている。辞書にはこうある。風情があることだと。いやいやいやいや!結局何だよ、風流とか趣とか風情ってのは!これでは堂々巡りではないか!!
風流で趣があって風情がある情景を挙げることは容易い。夏の線香花火や、町家の並ぶ景色や、雨音を聞きながらの読書など、幾らだって挙げることが出来る。だが、何故それが風流で趣があって風情があるのかを説明する事は私には難しい……。
日本人であれば、それだけで理解できてしまう「なんか良いよね」が、風流で趣があって風情があるなのだと思う。
私のカメラフォルダを少し漁ってみても、風流で趣があって風情がある写真とそうでない写真というのは簡単に二分出来る。
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日本人は何時、何処で、如何やってこの風流で趣があって風情があるものを良いものだと学ぶのだろう……。私は「これが風流だよ!」と大人から教えられた記憶はない。だが古典の授業などで趣があるのだと挙げられたものに対し、「それは違うだろwww」と思ったこともまたないのだ。
侘び寂びの文化だってそうだ。花の咲き乱れる庭園も素晴らしいが枯山水だって何か良い。桜だって満開も美しいが散る桜や花筏だって何か良い。金閣寺も良いが銀閣寺だって何か良い。散り際の美学なんて言葉もあるし、戦事の敗北者が人気を博すのも日本人ならではだと聞く。日本人の多くが持つこの感性。不思議である。
日本人は協調性を大事にする。沈もうとする船から日本人を逃がすためには「皆さん海に飛び込みましたよ」と声を掛ければいい……なんて話も聞いたことがある。だから、皆が良いと言えば、そうかこれは良いものなのかと右に倣えで簡単に受け入れてしまうのかもしれない。だが良いものはどうしたって良いのだ。
彼岸花が揺れる頃。秋の気配を感じながら、情緒ある日本の景色に思いを馳せつつそんなことを考える日曜日である。…………いや、情緒あるって何だよ。
p.s.
もっといっぱいご飯をお食べ!まだまだ足りてないぞ!!
何だかんだ器用だよなぁ。先生の次回作にも期待しております☆ミ
雪が降るまでに松ぼっくりを拾うMさんの姿を脳裏に浮かべる私である。