【新連載】文脈レビュー vol.01(仕事文脈 vol.25)前編
編集スタッフによるレビュー企画をスタートします!今号の企画をスタートし、編集してきた間に、何を読み、見てきたか、それは誌面に反映しているだろうか。この半年間を思い出しながら、ぜひごらんください。
〈読者レビュー募集!〉
次号vol.26のこの欄に掲載するレビューを募集します。半年間に見聞きした本、映画、イベントなどについて書いてみませんか?お待ちしています!
Review1《演劇》 「お客さん」ではいられない
演劇『遊星Dのファイヴ・フィンガー・ディスカウント』
企画・上演:遊星D
はじめて演劇を生で見た。しかも自分のお店で。だいたい1年に1回くらいお客さんである高橋くんにフェスを主催してもらっていて、高橋くんが呼んだひとたちに弾き語りやらポエトリーリーディングやら即興音楽やらいろいろやってもらっているのだが、今回ついに演劇がタイムテーブルに登場した。高橋くんが何者なのかは私にもよくわかっていない。
タイトルは『遊星Dのファイヴ・フィンガー・ディスカウント』。遊星Dという劇団が企画・上演。そしてかれらは高橋くんのお知り合い。ということだけがわかっていた。そして迎えた当日、そこでようやく全貌が明らかになった。
本屋を舞台に上演されるひとり演劇。しかしお客さん専用の席は存在せず、平台などをどかし普段より広くなった本屋店内のスペースに、「本屋のお客さん」として本を読みながら立つことを(つまり立ち読み客であることを)要請される者らが、そこにはいた。総勢10名ほどの「お客さん」の合間を縫いながらひとり芝居をする主役。本棚から、あるいは鞄から本を抜き出してはその中の1節を、いや、気が済むまで好き勝手に朗読することを繰り返す。
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