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【連載】ニイマリコ/男には簡単な仕事#8「あ、女性は真ん中で!」(仕事文脈vol.25)
つい先日、バンドを頑張っている20代の女性から、
「ニイさんの音楽活動は、メンバーや協力者に女性が多いですよね。バンド界隈ってどうしても男社会なのにスゴいと思います。同じ女性として、ずっと尊敬してました。私も強い女性になりたい」
と言われた。バンド界隈のジェンダー観、若い世代は随分マシになったと思っていたけれど、話を聞いているとひっかかる場面はまだあるようだ。
私は30歳前後で出会ったとあるフェミニストの方に魅かれ、フェミニズムの本を読んだりZINEを作る会に参加するようになった。身を置くライブハウスやサブカル系のイベントはステージに立つのも客席にいるのも当たり前に男性が多く、性差別的ギャグなども深く考えず一緒になって笑っていたので、無自覚に無自覚にミソジニーが育っていたり、名誉男性化しているかもしれないと恐ろしくなった。
意識するだけでなく具体的に行動しようと、音楽活動で知り合った数少ない女性たちに声をかけ、実は感じていたストレスを話し合ったり、一緒にイベントを催したりZINEやネットで発信していた成果だろうか。後継の人の刺激になっていたのなら単純に嬉しい!しかし「男社会」で奮闘する「強い女性」を期待されるのは申し訳ないが、しんどい。
「ありがとう。でも、もしかしたらあなたと同じじゃないんだ。私は性自認がノンバイナリーなんだよね」
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