金がものを言う世界で、教員のことばはどこまでも沈み込んでいく/トミヤマユキコ(仕事文脈vol.17)
山形にある美大で仕事をはじめたのは、去年の春のことだった。助手や非常勤講師としてのキャリアはそれなりに長いが、専任講師として働くのはこれが初めて。予想はしていたものの、業務の多さと責任の重さが段違いである。しかもわたしは「通い」を選択したので、東京と山形を毎週往復するのである。気力、体力、どっちもないと務まらない。誇張でなくひーひー言いながら働くことになった。
そんな生活にもやっと慣れてきたかな、というタイミングで、新型コロナウィルスが上陸。前期の授業は全てリモートでや